保険料払込免除特約のデメリットと割増し保険料の功罪。

保険料払込免除特約のデメリットと割増し保険料の功罪。

保険料払込免除特約とは、被保険者がある一定の状態になった場合に保険料の払込が免除される特約です。一定の状態であって、被保険者死亡となると保険契約が終了しますので、払込免除特約は出番がなくなります。払込免除特約は、うまく機能すれば有効な特約ですが、そうでない場合にデメリットが目立つ特約です。どういった功罪があるのか、契約すべき特約なのかを買う側で検証しました。

◆ 保険料払込免除特約と適用要件。

保険営業は、当たり前のように保険料払込免除特約をすすめてきます。特約を付加することで保険料が増加しますので、保険営業にとっては、成績がプラスになります。本当に有効な特約なのかどうか、適用要件をしっかり理解しておく必要があります。

払込免除特約の具体的な適用条件は?

保険会社による払込免除特約の違いは?

被保険者が重大な病気に罹患した場合や、働くことができなくなってしまった場合であっても、保険を継続したければ保険料の支払いは必要です。しかし、就業ができない状態となり収入が得られなくなったときの保険として、保険料払込免除特約を付加することができます。

保険料払込免除特約は、保険会社ごとに適用要件が微妙に違います。

例を上げると、

三大疾病に罹患した場合。

被保険者が、がん、心筋梗塞、脳卒中の三大疾病に罹患した場合に、以後の保険料の払込が免除されます。(詳細な適用条件があり、それに適合しなければ免除されません。)

就労不能状態になった場合。

被保険者が働くことができなくなってしまった場合に、保険料の払込が免除される保険料払込免除特約。(就業不能保険などの場合に、支払事由が発生すれば保険料支払いがなくなります。)

被保険者が要介護状態に認定された場合や、肝硬変や糖尿病に罹患した場合などに保険料の払込が免除される特約。(保険会社や保険の種類によりかなり異なります。約款に細かく指定されています。)

払込免除特約の適用条件は、保険会社各社ごとに異なり事細かに約款に指定があります。かなり厳しい条件ですが、少しでも外れると適用になりません。

また、重大疾病などでは、一定の状態にならずに、被保険者がなくなってしまうことも多いと思います。その場合は、払込免除特約の恩恵を受けずに保険が終了することになります。特約保険料の支払い損のようなことも十分あり得るわけです。

◆ 保険料払込免除特約が必要な契約について。

払込免除特約の功罪と申し上げてきましたが、保険は万が一のための経済的保障なので、損得で考えることは間違いです。しかし、割高な保険料を払い続けて、あっさり亡くなってしまえば特約の見返りはありません。何も見返りがなければ、無駄な出費と考えることもできます。

どういう人が、保険料払込免除特約を必要とするのでしょうか。たとえば、ご自身が三大疾病や障害、認知症などで働けなくなった場合、収入源がなくなり、保険料支払いに困るような場合です。

また、生命保険の場合は、期間を決めて保険料を払う契約と終身(一生涯)保険料を払い続ける終身払いの契約があります。短期払いでは保険料払込免除特約は出番が少ないと思いますが、終身払いではかなりのケースで意味があると思います。

経済的に余力があれば、お守りのつもりで保険料払込免除特約を付けておくのもよいかもしれません。

◆ 保険料払込免除特約は、生涯保険料が1.5倍。

保険料払込免除特約を付けると、保険料が高額になる場合があります。

特約なしの保険料に対して1.2倍から1.5倍になることもあります。特約は契約後に外せない場合が多いので、最初に注意することが必要です。

月払いの保険料見ていると、保険料払込免除特約の保険料はそれほど多く感じないかもしれません。しかし、生涯に払う保険料の合計から見れば、容易ならぬ大金になると思います。

よく考えれば、保険料免除特約は保険会社のサービスでも何でもありません。保険のリスクは変わりませんから、保険料が免除になった分の合計を、それ以外の保険料払込免除特約の追加保険料として負担しているだけです。

◆ 保険料払込免除特約が無駄になるとき。

この特約は、その後の保険料負担リスクを前払いしていることになります。保険料払込免除特約が役に立つ確率は?と問われても、これは保険の運のようなものですので、簡単に答えることはできません。

保険業界用語ではP免と言います。P免をはずしてくれというと怪訝な顔をする営業職員がいるほどに一般的です。

P免特約は、ある意味で無駄なことです。死亡保険金を受け取ったとき、保険契約は終了します。その場合、保険料の支払いも終了しますから保険料払込免除特約は、全く出番がありません。3大疾病で生存給付の保険金を受け取った場合にP免は威力を発揮しますが、この確率はかなり低いと考えてよいと思います。

自分が万が一のとき家族が生きていくための保険であれば、なおのことP免の意義は低くなります。

保険の特約が多様化してわかりにくくなってきている時代です。保険料免除特約が、保険会社のサービス特典のようなセールストークがまかり通っています。決してそんなことはなく、割高な上乗せ保険料がオンされています。

◆ 保険料払込免除特約のデメリット、まとめ。

保険の保険みたいな払込免除特約は、メリットがないわけではありません。しかしどうも積極的にはお勧めできません。手前ごとでなんですが、自分の契約には保険料払込免除特約がついています。言っていることと矛盾していて恐縮ですが、契約してしまうと特約がどうなっていたかなど忘れてしまいます。

その結果、保険料を継続的に払えておれば、それはそれでよしとするところです。保険料払込免除特約などの出番がないような、ぽっくり逝くのが理想であれば、どちらが得かわかりません。この辺の損得勘定は、さすがに神のみぞ知るところです。

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