かんぽ生命の評判、簡保の解約から読み解く実話。
かんぽ生命とは郵政民営化に基づき、2007年10月に設立された生命保険会社です。日本郵政が運営しており、定期保険や終身保険などをはじめとする数々の保険商品を手掛けています。それまでは、郵便局が簡保の窓口として、簡易生命保険を売っていました。
今は、それほどでもありませんが、20年前の簡保の時代は世間の保険会社の常識からずれているところがありました。過去にそういうこともあったよ、という実話です。
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◆ かんぽ生命の前身である簡易生命保険。
巨大な資金力を誇る、半官半民の企業です。分割民営化されたとは言いますがお相手させていただくと、民間の保険会社とはとても思えません。
かんぽ生命の前身である簡易生命保険は、簡易な手続きで小口の生命保険を販売していました。簡易な手続きというのは医師などによる診査がなく、告知書のみで契約できるということが大きな特色です。
またかんぽ生命が扱う保険は、加入限度額を1,000万円と定めています。(一定の条件のもとで2,000万円まで限度額の引き上げ可)
保険料は、職業選択がなく年齢と性別だけできまります。定期保険や終身保険に医療特約は付けられますが、医療保険単独はありません。最近では、アフラックの代理店として、がん保険などをカバーしています。
オレンジ色の襟の制服で、名札を下げて、大きなカバンをもった職員が訪問してくれます。全国2万局の郵便局でも加入手続きができます。
かんぽ生命はその前身の簡保から歴史が長いので、加入者はとても多いそうです。記事によると日本の総人口の約15%が加入していると言いますから、ニッセイに次ぐ資金力です。当然、企業としての安全性は高いと判断できます。
◆ 簡保の異次元からかんぽ生命まで。
20 年ほど前ですが、法人で10年満期の養老保険を社員にかけている会社がありました。いわゆる福利厚生を前提として、社員全員を対象とするハーフタックスですね。
10年満期では満期のたびに意味のない雑収入が発生します。出口対策としての、退職金設計にもなっていません。それで担当者に払済にする相談を持ちかけたら意味が通じないのです。
よくよく聞くと簡保さんの世界では、料済(リョウズミ)と言うそうです。10年満期では困るので歳満了はないかと聞けば、また意味が通じません。説明すれば意味はわかりますが、対応できないとのこと。
また割引システムが複雑になりすぎて、保険料の間違いが時々発生しました。時々と言っても金融機関ですから、驚くほかないです。保険とは言え別世界です。
それじゃ解約するといえば、解約請求書はかすれた使い回しのコピーなのです。料済保険証券の金額は手書き修正です。
その数年後、払済も歳満了も通じるようになりました。民間の保険会社程ではないですが、解約返戻金や満期金は比較的速やかに入金します。
◆ かんぽ生命の評判について。
かんぽ生命は、窓口担当者がよく変わります。さらにかんぽ生命内の名寄せシステムも不完全です。リストに抜けている契約があることを指摘すると、取り扱った局が違うのでと、普通では有り得ない説明をします。
最近では外資系の生保も扱えるようになりましたというから、提案を依頼すると持ってきた担当者は未だいません。自信がないのか、上司に売り止めされているのか不明ですがね。
それで嬉々として解約手続きをしてくれました。かんぽ生命として次の売り込みがないのは、拍子抜けします。
ただ申し上げておきますが、来る営業は誠実な感じの良い青年ばかりです。たまに付いてくる上司の頭は、完全簡保で武装しています。
◆ かんぽ生命の実話と評判、まとめ。
簡保の時代から、法人でも個人でも付き合いがありますが、一般の生命保険会社とは、どこかずれているところがあります。保険販売はどこの保険会社でも保険代理店でも、成果報酬型で結果を出して生き残ることだけでも大変な世界です。
ここでは、詳しく取り上げませんでしたが、かんぽ生命もノルマがあり追いつめられた職員が不正な保険販売をして社会問題になったこともありました。
いまでは、コンプライアンスが徹底されているのでしょうか、保険営業として売り込み圧力はさっぱり弱くなりました。アポをとっても説明するだけが仕事のようです。お願いモードで追い込んだり、クロージングしたりするような動きは、全く見られません。
菓子折りをもってお願いに来てほしいわけではありませんが、せめてその後いかがでしょうかぐらいのプッシュがないと拍子抜けします。
この営業スタイルでは、新規契約がそれほどとれるとも思えません。しかしかんぽ生命には、これまでの莫大な既契約があります。新規が取れなくても、既契約からは毎年毎年保険料収入があります。
確かに、営業職員の満足度もあがり、休みもきちんと取れて、残業もなくなっているようです。その結果、軟弱な営業ばかりになっても先が厳しくなるように思うのは、保険業界経験者なるが故でしょうか。
参考:
現在、満期日が未到達の簡易保険は独立行政法人 郵便貯金・簡易生命保険管理機構がその管理を担っています。また、簡易保険については新規での加入は受け付けていません。
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