縁切り覚悟!孫養子と偽装離婚で相続税の節税。

縁切り覚悟!孫養子と偽装離婚で相続税の節税。

相続税を節税するためなら長年連れ添った配偶者との離婚も、孫との養子縁組も辞さないという資産家もいらっしゃいます。

せっかく死に物狂いで稼いでこれまで守ってきた資産を相続で失いたくないというお気持ちです。グレーゾーンの節税対策はあまりおすすめできませんが、孫養子は見かけます。

また偽装離婚か本当の離婚かはわかりませんが、会社が左前になりヤバくなる前に資産を配偶者に名義変更し離婚する事例は珍しくありません。相続対策で離婚を検討されるケースは大富豪か腹黒の著名人ぐらいしかあまり見かけません。しかし、離婚による慰謝料も財産分与も贈与税がかかりませんから節税の動機としては十分なのかもしれません。

◆ 孫養子で相続税を節税する裏ワザ。

孫を養子にすると相続税が軽減されます。裏ワザと書きましたが、判例からするとルールに従い許容範囲であれば特に問題とはならないようです。

孫を養子にすれば子と同じ相続人になります。相続人が一人増えれば相続税の基礎控除一人分の600万が控除できます。また生命保険の死亡保険金控除500万と死亡退職金控除500万も控除できます。それだけではなく、相続人が増えると相続人ごとに計算する相続税では、税率が下がる可能性があります。結構節税効果が見込めますから、節税目的の孫養子は見かけます。

ただ、孫養子は節税養子と言われます。養子は何人とっても良いのですが、節税対策となると一人だけ、子がいない場合で2人までと決まっています。確かに戸籍だけのことではありますが、そこまでするかどうか、迷いもあると思います。

何も知らない孫が祖父母の養子になることを望むわけもなく、それよりも、孫を養子に差し出した相続人の取り分が多くなりますから、相続人間の不公平の原因になります。

よほどしっかりと考えた遺言書を残さないと、節税以前の問題として争族の種まきになりかねませんので慎重にと申し上げておきます。

◆ 偽装離婚で相続税を節税する裏ワザ。

偽装というからには離婚を装っており実のとことは節税を目的とした一時的な離婚で、ほとぼりが冷めれば再婚するという裏ワザが偽装離婚と言われます。

そもそも相続では配偶者は優遇されており、一次相続では1億6000万もしくは相続財産の半分までは相続税がかからずに配偶者が相続できるという特典があります。

それならあわてて偽装離婚しなくてもよさそうなものですが、実際はもっと強欲なテクニックなのです。 離婚による慰謝料も財産分与も非課税という特典が利用できるのです。

一般的には離婚するとときは、夫婦で築いた財産の半分は配偶者に財産分与を受ける権利があります。この場合財産分与によって取得した財産には贈与税がかからないことになっています。この配偶者の権利に対する考え方は相続税と同じです。また離婚に際して慰謝料を請求することもあると思いますが、慰謝料も被った損失の補填ですから課税対象にならないわけです。

偽装離婚して財産分与と慰謝料を非課税で受け取っておき、同じ相手と数年後に再婚すればもう一度相続税の配偶者控除で半分を相続税無しで受け取れるという寸法です。偽装離婚で財産を配偶者に移しておくことができれば相続財産の無税での生前贈与と同じことになり、高額な相続税を回避することも可能になるわけです。

偽造離婚で節税する裏ワザは、グレーというよりやりすぎの感がありますが、離婚件数は増加していますので税務署も追い切れていないということが実情のようです。偽装離婚のつもりが、財産を手にした配偶者の気が変わり再婚を拒否されるということもないとは言い切れません。偽装しなくても熟年離婚の危機という方は別にして、庶民は偽装離婚などせず平和に暮らすべきです。

偽装離婚は資産家の税逃れだけでなく、生活保護や児童扶養手当の受給目当て、破産する場合の財産隠し(借金逃れなど)、保育園に優先権取得等があり決してコロナ禍の貧乏庶民に関係がないとも言えないのです。

◆ 孫養子と偽装離婚、まとめ。

孫養子は戸籍に残りますが、犯罪性はありませんが、孫養子を節税目的で行ったとしても、取り分が減る相続人間に波風は立つとしたものです。

偽装離婚はそれが節税目的の偽装であれば公正証書原本不実記載罪となり犯罪です。どちらもおすすめしているわけではありません。

仮に裏ワザテクニックで節税できたとしてもどうも引っ掛かりが残るのが人間というものです。ましてや偽装離婚では枕を高くして寝られないというデメリットがあります。

財産やお金は、この世だけに通用する方便です。こだわりすぎると道を誤りかねません。今もてるものに満足して穏やかに暮らすという選択肢も考える必要があるように思います。

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