親不孝、この子にはあげたくない贈与。
贈与税は相続税の補完税的性格があります。相続財産の前渡しのような仕組みですから税率的にも額が大きくなると相続税より不利になるようになっています。
相続税より贈与の税金が安ければ生前贈与ばかりになりますからね。少額なら贈与、大きな遺産は相続税と言うことになります。
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生前に贈与するには親子関係がしっくりいっていないといけません。
遺言を書くならそれでよいですが多くの方は遺言まで書くほどの気持ちはもっていないと思います。
相続税を払わなくてよいレベルでも遺言書は必要です。遺言書がなくて相続になれば誰にどれだけあげるかは法律で指針が示されます。しかしながら故人の財産は個人のものです。誰にどれだけあげるかは遺言書の効力が何より勝ります。
でも贈与にはあげる側の親の気持ちがでてしまいます。
いくら公平にと思ってもかわいい子とそうでない子がいます。親不孝な子もいます。一銭も渡したくないほど腹の立つ子もいます。それは人間だから仕方がありません。
相続になればあの世であきらめて眺めるしかありませんが、生きているうちの贈与は自分の思いどうりにしたいものです。そうですよね。
あげたくない子にあげずにすます方法はやりたい子に小金で渡すしかないですね。できるだけ内緒でこまめに。
世の中の基準をフェアーと考える間違いが迷いを生みだします。世の中のすべてはもともとアンフェアーと理解することです。アンフェアーこそが人間社会の基準の根底にあります。親子関係とてアンフェアーを前提にすれば遺言書は不可欠ですね。
自分が死んだら、後のことはわからないのだから気にしても仕方がない、という考えもあると思います。それはそうですが、後に残る家族が醜い争いをしないためにはしかるべき準備として遺言は必要だと思います。果たしてあの世からこの世が見えるかどうかは知りませんが、自分の死後でも遺言という自分の意思が家族のもめごとを裁いていくのは悪い気はしません。
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