生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与。

生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与。


生前贈与するときに、他の相続人に贈与の事実を詳しく報告することはあまりないと思います。実際はなかなか言えないもので、元々公平にはなりえないのが贈与です。

仮に良かれと思い報告しても、説明を聞いた子たちも形だけの納得になりそうです。生前贈与は親の意向とは言え、子たちにはしっくりこないものがあるはずです。

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◆生前贈与は家族の中に波風、贈与のコツは内緒。

相続税がかかる、かからないに関わらず、贈与はあげる側にももらう側にも波風が立ちます。これは人間とし如何に聖人君子であろうとも、本音の部分では欲得がありますから仕方のないことです。どんなに仲がよくてもお金があっても、こと贈与と相続は心中穏やかではないのが相続人です。

贈与はもらう側にすれば棚ぼたの不労所得です。他の相続人(兄弟姉妹)が親からまとまったお金をもらったとすれば、心中穏やかなはずがありません。

またあげる側にしても、贈与のツボを心得ていれば、内緒にします。お前だけに贈与するが、他の相続人には言わないように念押しします。そうすることで贈与の効果は倍増します。自分だけ特別扱いをしてもらったことは、もらったお金のうれしさ以上に大きなものがあります。

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◆生前贈与はタイミングが大事、喜ばれてこその価値。

少なくとも経済社会において、お金は万能です。異論はあるかもしれませんが、生活していく上でお金はいらないという人はいないはずです。ましてや家のローンがあり子供の進学があり、車の買い替えが目の前に迫っていれば、喉から手が出るほど欲しいのがお金です。

これまで親に迷惑をかけてこなかった出来の良い子たちには、親に無心はなかかなかできないものです。嫁にせっつかれて親に身の上相談のような振りをして、暗に無心するのが関の山です。

親の方は、子の苦境を察してやらねばなりません。そういうときに支援の手を差し伸べると、本当に喜ばれます。贈与はタイミングが大事です。本当にお金が必要なときに、他の兄弟に内緒で助けてやるのです。生前贈与をするならば、相手が言い出す直前を察することです。

そうすれば本当に喜ばれて感謝されます。それこそ意味のある生前贈与といえます。感謝の気持ちは長続きしませんが。

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◆生命保険料の贈与は、相続発生後に大きな感謝。

現金を贈与するのは簡単ですが、もらった子や孫の懐具合が変わります。これは、決してためになることはありません。贈与するなら、子たちの生活に影響が少ないよう工夫すべきです。

たとえば生命保険料の定期的な贈与は、価値があります。保険料の贈与では、当座の生活資金やローン返済にはなりません。それゆえせっかく現金を贈与しても、保険料にもっていかれますから、そのときはさほど感謝されないのです。

しかし相続が発生したときに、親の有り難さと価値がわかります。生前にもらった現金は、墓参りするころにはすっかりなくなり忘れています。しかし保険料として贈与され、相続が発生して受け取った親の保険金は死ぬまで忘れません。

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◆ 生前贈与は内緒が基本、まとめ。

士業(弁護士、税理士、司法書士etc.)の先生に相談すると多くの場合、相続人と話し合いきちんと説明しておくことをすすめられます。生前贈与にしても相続財産の分割にしても、子たちに親の意向を説明して理解を得ることが、争いを未然に防ぐことになるという考えです。それはそれでごもっともな宣託です。

しかし財産を保有する資産家の気持ちは、秘密主義が多いように思います。下手に説明すると、かえってもめごとの原因を作りかねないという危惧です。

生前贈与だけでなく、そもそも遺言書は内緒が基本です。遺産は被相続人のものですから続人に公平に分ける必要はありません。どのように分割しようと内緒にしようと自由なはずです。

贈与がもたらすデメリットを考えれば、秘密主義になるのもやむを得ないと思います。資産家であろうと、そうでないサラリーマン層の相続でも少ないながら財産があります。そして金がかかる年頃の相続人がいます。財産が少ないほど遺産分割はむつかしくなり、争族になりがちです。

生前贈与は内緒が基本と申し上げましたが、それは遺言書を書かれることを前提に申し上げています。有効な遺言書があれば、それは被相続人の意志ですから法的に尊重されるはずです。

親が贈与や遺言書の内容を秘密にしたがる原因は、誰に何を贈与するか、あるいは相続させるかということに、腹が決まっていないからなのです。一応の遺言書を書いたとしても迷いが残るものなのです。孫の顔が浮かぶと、遺言書を書き直したくなるのです。

生前贈与が内緒になる原因の一つは、被相続人の迷いがあります。遺言書がなかなか書けない原因も迷いがあるからです。迷いの先には後悔があります。迷うのは仕方がないですし、その結果内緒になるのも無理はありません。しかし気力が萎えるまえに腹をくくるということが、大事です。
遺言書こそが、相続人同士の争いを未然に防ぐことになるということは自覚する必要があります。

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