生命保険を比較すれば、保険料に差が出る原因を深掘り。
保険会社によって同じ保険料でも、保障内容が違うことがあります。言い換えれば、同じ保障内容でも保険料は各社まちまち、というのが実態です。保険商品を選ぶ場合は、まず保険会社から選ぶか、保険商品で選ぶか、あるいは保険の営業職員で選ぶかということがあると思います。
長い付き合いになるのが生命保険ですから、付き合うことになる人で選ぶということが実際は多いのではないかと思います。
しかし、最近では保険ショップがどこにでもあり、各社の保険を取り扱う乗合代理店として、保険の比較購買を売りにして伸長しています。
これで本当に生命保険の比較ができているのか、保険料と保障内容が釣り合っているのかは、容易に判断できない面があります。
保険料に差が出る原因を深掘りし、生命保険の選択に役に立つ考え方をまとめました。
◆ 保険料に差が出る本当の理由。
生命保険の勉強をすると、最初に教えてくれるのが保険の仕組みです。
保険料は純保険料と付加保険料に分かれ、純保険料は生命表などの客観的な情報から将来の支払保険金を算出して計算します。
生命表は厚生労働省が発表する公的な資料です。そこに掲載されている死亡率が各社異なるはずがありませんから、純保険料は差がでません。
差がでるのは、保険会社のコストや預かった保険料を運用して得られる収益です。コストの方は付加保険料として純保険料に上乗せされるわけです。
当然コスト構造は各社異なりますから、結構な差がでます。極端な例では2倍の開きがでることすらあります。
ここに同じ保障内容で、保険料に差がでる原因があります。企業努力と言う面があり、普通の企業と同じことです。コスト削減して徹底的な合理化を進め、付加保険料を抑制し、できる限り安い保険料で競争に勝ち残らなければならないのです。
◆ 生命保険は、比較購買すべき、ハードルが高い原因。
ところが、家についで高い買い物なのに、最も比較購買ができていないのが生命保険なのです。保険会社に所属する保険営業は、その会社の保険商品しか扱えません。比較すると言っても本来の比較とは程遠いものになります。
かと言って、何社も保険営業を呼んで説明を受けるということも時間的にも精神的にも難しい面があります。仮に複数の提案書が揃ったとしても、どれが得な保険料なのか判断することは難しいと言えます。
比較が難しい原因は、保険会社がいろんな工夫をこらし、様々な特約で保険をよく見せようとしていることに原因があります。保険料が安くても、解約返戻率が抑えられていたり、配当がなかったりと様々です。
また、生命保険は買う側の事情と価値観が一つの判断基準となります。その上で、払える保険料ということになります。比較する場合でも、同じ条件で保険料が安いか高いかということは、見極めがつかないのです。保険料の差を比較するような、本来のコスト比較は生命保険ではあまり意味がないように思います。
業界の構造的な問題もありますが、一番は保険という形のない商品としての難しさにあるように思います。
■FPとはファイナンシャル・ディレクターという意味について。
◆ 生命保険の比較で、保険料に差出る原因、まとめ。
保険会社専属の営業職員にしても乗合代理店でも同じことですが、売る側の事情が比較購買を阻んでいます。生命保険の営業は、ほとんどが販売コミッションによる成果報酬型です。たとえば保険ショップでも、売りたい保険商品と当て馬があると考えて間違いがありません。残念ながら買う側で言えば、信頼できるアドバイザーは数えるほどしかいないと言えそうです。
そこまで言ってしまうと、生命保険の保険料の比較はそもそも無理ということになってしまいます。それでは深掘りし過ぎて、かえって迷いが出てしまうことになりそうです。
生命保険の比較購買とは、信頼できる人柄の保険営業に任せることもありです。ご自分の払える保険料と、家族の保障やガンなどの医療の不安をリスクとして整理します。その上で必要な保障をカバーする生命保険を設計することが大事なように思います。
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