生命保険は比較しても決められない?|生命保険選びが難しい本当の理由。

私は保険を売る側にも買う側にもいました。
その経験から言えば、生命保険の比較購買は理屈ほど簡単ではありません。

生命保険を検討するとき、多くの人は「比較したほうが良い」と考えます。
確かにその通りです。

同じような保障内容でも保険会社によって保険料は異なりますし、
特約の内容や解約返戻金にも差があります。

インターネットには、比較サイトやランキング記事があふれています。

しかし長年保険業界に関わってきた経験から申し上げると、
生命保険は比較すれば、正解が見つかるほど単純な商品ではありません。

比較は必要です。しかし比較して決まるわけでもありません。

むしろ比較した結果とは別の理由で契約が決まることの方が多いのです。

◆ 比較購買は理論上は正しい。

生命保険会社は数十社あります。同じような保障でも保険料は違います。
解約返戻金も違います。だから比較することは正しいのです。

もし比較だけで決まるなら、市場は完全競争になります。

一番安い保険会社だけが生き残るはずです。しかし現実はそうなっていません。

テレビや冷蔵庫であれば性能や価格を比較すれば、ある程度優劣が判断できます。
ところが生命保険は契約して終わりではなく、何十年にもわたって
付き合う契約です。

加入時には良い商品だと思っていても、結婚や住宅購入、子供の独立、退職など
人生のイベントや転機において必要な保障は変化します。

契約した時点での最適解が、将来も最適解とは限らないのです。

◆ 保険は比較しても決まらない。

実際の契約現場では、A社とB社で迷っていたお客様が、
最後には、あなたに任せると言うことがあります。

比較表は意味がありません。説明も聞いています。
それでも最後は人で決まります。

生命保険は未来に備える商品ですが、その未来そのものが不確実なのです。
どれだけ真剣に考えて選んだとしても、
後から振り返れば、後悔することもあります。

自分ではわからない、人に相談しても安心できないということがあります。
それは、人生そのものが不確実だからです。

◆ ガム一枚断っても人情は排除できない。

私は比較購買を徹底するため、営業からもらうガム一枚でも断っていました。
人情が判断に入ることを避けたかったからです。

しかしそれでも完全な比較購買はできません。
なぜなら人は感情の動物だからです。

説明がわかりやすい、誠実そうだ、あるいは困った時に動いてくれそうだ。
そういう感覚が判断に混ざります。

保険は基本的に数値で比較できます。しかし人間は数字だけで
判断しているわけではありません。

人それぞれ価値観が違う以上、全員に共通する正解は存在しないのです。

◆ 人は選んでから理由を探す。

保険だけではありません。

車も家も同じです。人は理屈で選んでいるように見えます。
しかし実際には先に好き嫌いがあり、あとから選んだ理由を探します。

生命保険も同じです。

比較しているようで、実は比較結果だけで決めている人はほとんどいません。

保険営業もFPも比較サイトも、最終的な人生の責任までは取れません。
だからこそ生命保険は、自分で納得して選ぶことが大切なのです。

◆ 人間万事塞翁が馬。

さらに厄介なのは、良い保険かどうかは加入時にはわからないことです。

病気にならなければ保険金は出ません。死亡保障も同じです。
結果は何十年後にならないとわかりません。

だから比較して最善を選んだつもりでも、
その選択が正しかったかどうかは誰にも証明できないのです。

良いことが後で悪い結果になることもあります。また悪い出来事が
後で幸運につながることもあります。生命保険も同じです。

加入した保険が無駄だったと思えば、それは保険金を使う場面が
なかったということです。
それは不幸ではなく、むしろ幸運だったのかもしれません。

保険は結果論で評価される商品です。
だから加入時点で完璧な正解を求めても意味がありません。

生命保険とはまさしく「人間万事塞翁が馬」の世界と
言えるのではないかと思います。

◆ 生命保険選びが難しい、まとめ。

生命保険の比較購買は必要です。

しかし比較だけで答えは出ません。
生命保険に絶対の正解はないのです。
あるのは、その時点で自分なりに納得できる選択だけです。

人は比較表で契約するのではなく、最後は人を見て決めています。
そしてその選択が正しかったかどうかは、何十年先にならなければわかりません。

だから生命保険に絶対の正解はありません。
あるのは、その時点で自分なりに納得できる選択だけです。

■保険は相談するな!サイトの基本思想はこちら。
保険は相談するな|保険営業の現場で起きている教科書にない話。

保険代理店は本当に中立なのか?乗合代理店の利益相反を経験者が解説。

保険ショップのお家事情|顧客本位と保険販売の現実。

保険営業がきつい現実|転職前に知っておきたい厳しさと適性。

「生命保険は比較しても決められない?|生命保険選びが難しい本当の理由。」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です