相続争いはお金の奪い合い、生前から争族とは悲しい現実。

相続争いはお金の奪い合い、生前から争族とは悲しい現実。

人間の悲しい性(さが)ですが、ある程度の年齢になると親の遺産をあてにするようになります。表に出さなくても、誰の心にも強欲な部分が潜んでいることは、相続争いの現場で赤裸々になります。

お金に困ると、親の生前から争族に発展することもあります。相続の本質と、相続争いの悲しい現実を深く踏み込みました。

■相続での争いは譲れない人間の本性をさらけ出す深い理由。

◆ 相続財産は一万円札の固まり、棚ぼたの不労所得。

相続税がかかるような財産がなくても、長年働いてくればそれはそれなりの財産が誰にもあるはずです。遺産は相続が発生しないともらえないものなのですが、財産がありそれがお金であることに気が付くと、一万円札の束に見えてくるときがあります。

サラリーマンが普通に勤めていれば、宝くじでも当たらないとまとまったお金は手にできない訳です。そういう意味では、あてにするなと言う方が無理かも知れません。

一括千金を狙うなら、株式投資をやるか保険金で受け取るかです。しかしどちらの選択も思い通りに行かないばかりか、下手をすると大損することさえあり得ます。

それに比べると、遺産を相続するのは安全確実です。しかも遺産は、汗水たらして稼いだお金ではなく、言ってみれば棚ぼたの不労所得です。

普通に暮らしていれば、生前に遺産分割を催促するようなことにはならないと思います。しかし人生山あり谷ありで、誰でも目測を誤りお金に不自由することがあります。あるいは、事業上の資金繰りに切羽詰まることもあるのが人生です。

■相続はもともと不公平、兄弟でもめるとあの世で親が涙。

◆ 追いつめられると金欲しやの生前争族。

知り合いで定年退職後退職金を投じて貴金属の取引を始めた人がいましたが、素人経営でうまくいくはずがありません。その内年賀状が来なくなりました。親が経営していた店舗まで売り払って、自宅も処分して、結局酒の飲み過ぎで亡くなりました。

相続が発生していないにもかかわらず、兄弟の反対を押しきって借金の清算をしたのですが、再建することはできませんでした。奥様も葬式の折には若くして痴呆症のような状態で、これはまあ気の毒としか言いようのないところです。

現実の場面では背に腹は代えられないとなると、金欲しやが生前の争族にまで発展するという事例です。

今や老後難民だの老後破産という言葉が流行するほど、老後の経済状態は厳しさを増し、世知辛い世の中になっています。

もらえるモノは一刻も早くほしいと言うのも、無理からぬところなのかもしれません。

相続争いは人間性がさらけ出されますから、みっともないことは言うまでもないのですが、生前の争族はさらに見苦しい。

■相続で親の本音は秘密主義、親の公平は子の不公平。

◆ 返すつもりがない相続の先取り。

どうせ自分がもらうものだから、相続が発生するよりも先にくれと言うわけです。

贈与になるからダメというと、ぢゃ貸してくれときます。返すつもりのない、相続の先取りを要求します。他の兄弟が黙っているわけがありません。

こうなると高齢で弱り果てた親を前に、生前の相続争いドラマが始まります。

兄弟喧嘩も相続争いもせめて自分が死んでからにして欲しい、とは悲しい親心です。

人はそれなりの年になると、それなりの場数も踏んできます。その結果人間性が高まるかというと、相続の現実ではそういうものでもないようです。

お金という魔物の前には自分というものの人間としてのまともさ、精神的安定性すら疑念を持たざるをえなくなるようです。

◆ 相続争いはお金の奪い合い、まとめ。

相続争いは、言ってみれば究極のお金の奪い合いです。遺産の話はそもそも家庭内のことですから、お上に仕切られる筋合いはないのです。しかし遺産分割協議だけではおさまりがつかないので、相続法があり遺産の法定相続割合が定められているのです。

ここまで申し上げても、相続争いは変わることがないと思います。因果なことですが、争う相手がいる相続では、いかにまともな普通の人でも自制が利かなくなるのです。

相続税がかからなくても遺留分の大問題。

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