元横綱千代の富士関の訃報にガン保険の損得勘定を考えてみました。
元横綱千代の富士関が先日急死との報道に「えっ!」と驚いた方も多かったことと思います。同年代の急死は原因に興味が集まります。
ニュース速報で事故死ならそのように報道されますから、今回のケースは病死、しかもお若いですから可能性が高いのはガンと思っていたらその後のニュースで膵臓ガンだったとのことです。
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膵臓がんの事例と治療困難
膵臓ガンは治療が難しく場所によっては手術も出来ない場合があります。知り合いには二人膵臓ガンの人がいました。50代のデザイナーで黄疸症状がでて入院後一ヶ月で帰らぬ人となりました。本人には知らせずです。
もう一人は60代の教科書販売会社の社長さんでしたが、体調不良で黄疸症状がでて緊急入院、一週間で亡くなりました。脅かすわけではないですが、膵臓ガンは治療困難、急死というイメージがあります。
お二人ともガン保険に入っていたという話は聞いていません。結局手術なしではありますが、明らかなガン死亡ですから、通常のガン保険ならガン診断給付金とわずかな死亡保険金、それと短いながら入院給付金も出るでしょう。
ガン保険の採算
医療保険はハナから採算割れとしたものですが、ガン保険は保険として意味がある時があります。というのはガンという病気はそのまま亡くなればガン保険も診断給付金や手術給付金でプラスになる場合があるからです。
経過観察と再発予防が大きなコストに
しかしガンの初期で予後が比較的よい種類のガンで治療に成功するとその後の費用はガン保険でまかなえる範囲を大幅に越えてしまします。ガンという病気は再発リスクがありそのための経過観察と再発予防にかかる費用が長期にわたり、それも大きな額になります。
毎月通院し、ホルモン注射を受けて定期的に検査を受けると年間30万から50万もかかることが普通にあります。
ガン患者とその家族にとって負担は計り知れませんが、再発リスクには替えられません。確定申告時に出す医療費控除も大きな額になりますから、還付される額も家族旅行に行けるくらいあります。
ガン保険の通院保障の限界
A社がガン保険を扱えるようになりましたとB社の資料を持参しました。ガン保険としてはトラブルの多かった上皮内ガンの保障を明確にしていてとてもよく見えますが、肝心の経過観察と再発予防の通院保証はがよく見えません。
退院後の通院は一年以内なら無制限とありますが、これは当たり前です。三大治療(手術・放射線・抗がん剤)のための通院は無制限とあります。経過観察で抗がん剤を使用しないと対象外となるように読み取れます。どうもよくわからない仕組みです。
再発予防5年では完全ではないのです。7年から場合によっては10年の長期にわたります。
負担が一番大きい部分はガン保険では担保されない可能性もあります。無理もないです。これだけガンが多くなり再発リスクも高ければ治療が長期にわたり、費用がかさむわけですから保険会社としても、とても保障していられないのでしょう。この辺お詳しい方の情報をお願いします。
生きてこその意味。
医療保険の内でも、ないよりましのガン保険です。最近のガン保険は普通に上皮内ガンも保障の対象(保険金は雀の涙ほどですが・・)です。
生きてこそではありますが、ガンになって生き残る時のコストは家族に大きな負担を強います。
千代の富士関の膵臓がんによる急死は、若すぎる故に残念ではありますが、ガン保険に入っていれば医療コストではプラスになると言えるでしょう。
もちろん千代の富士関が元気で長生きできれば、ガン保険のコストどころではない実入りがあるでしょうから、この世では何はともあれ長生きをよしとすべきかもしれないところです。
千代の富士関の訃報に接して、生命保険にかかわるものとしての感慨は、生きるということは存外難しいといわざるを得ません。
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