掛け捨て保険と保険営業、売りたい保険の裏事情。

掛け捨て保険と保険営業、売りたい保険の裏事情。

売りたい保険と買いたい保険、売る側と買う側、生命保険の契約の両面を知り尽くしたからこそ言えるポイントがあります。売りたい保険と買いたい保険が一致するかどうかは別問題。貯蓄性のある保険は、金融商品として妙味がない時代になりました。

保険はつまるところ掛け捨てが前提です。保障を買うから掛け捨て保険、それ以上に上乗せする保険料が加算されれば貯蓄性があります。しかし掛け捨てでないと言っても、増えるわけでもない自分のお金を、ただ預けているだけと言えるかもしれません。

■保険営業はやめた方がよい理由、成功か挫折かリアルな体験談。

◆ 掛け捨て生命保険とは、保険会社が儲かる商品。

掛け捨て保険という言い方があります。保険の予定利率が高かりし頃、貯蓄性のない保険を揶揄(やゆ)する意味すらありました。「掛け捨て」という言い方は、保険料を無駄に捨てているというような意味合いがありそうです。保障を買っているのが保険ですから、決して捨てているわけではないのですが、保険事故がないと保険料を損したような気になる心理です。

予定利率は、保険会社が見込む運用利率ですが、史上最低の水準(0.25%)まで落ち込んでいます。保険会社としては保険料収入の運用難に直面した結果、

保険料を上げたり、貯蓄性の高い保険の販売停止をしたりと、対応をすすめてきました。

保険会社は儲かる生命保険を設計し、そういう商品のコミッション率を高くします。保険会社が儲かる商品とは保障性が高く見えて、かつ掛け捨ての生命保険です。

貯蓄性の高い保険は生命保険会社にすれば、運用難の時代に収益源としてはメインになりにくいという事情があります。もちろん生命保険会社の戦略ですから、すべての保険会社が同様の考え方であるとは申し上げていません。

保険会社はビジネスです。収益を上げる責任がありますから、より儲かる保険のコミッション率を高くします。保険会社が売らせたい生命保険が、保険営業の売りたい保険になる事情がそこにあります。販売を強化するキャンペーンなどが後押しする仕組みまであります。

◆保険営業が、売りたい保険の裏事情。

保険営業が形のないものを売るビジネスであることはご承知の通りです。保険営業にとってその保険期間の全期間にわたり責任を負うわけではありません。

突き詰めれば生命保険は保険会社と生命保険契約者との2者の契約です。その間に保険営業や代理店が入るわけではありません。それゆえ生命保険を販売する営業としては責任を感じる部分がある反面、仕事をやめてしまえばお終いという割り切りもあります。

保険営業にとり、自分の成績が評価される保険をおすすめするのは致し方ない面があります。

どうしても生活のため、保険営業には資格維持のため契約をとり続けなければならないという、逼迫した事情があります。これは保険業界共通の宿命でもあります。駆け出しの保険営業もベテラン優績者も特級代理店にいたるまで避けて通れない仕組みになっています。営業を成績に追い立てるような仕組みがないと、保険業界は成り立たないようなハードなビジネスの世界なのです。

アスリートの世界に似ていますが、記録を出したからといってそこに安住の地があるわけではなく、それ以上の次の目標が立ちはだかっているのです。アスリートには体力の衰えに従い引退という花道もありますが、保険営業には失職、転職そして生活苦しかありません。

過酷な保険営業の裏事情、そこに売りたい保険が生まれる余地があるのです。

◆ 掛け捨て保険、保険営業の裏事情、まとめ。

掛け捨て保険が悪いと申し上げている訳では決してありません。

むしろ、生命保険の基本は「掛け捨て」と言えるのではないかと思います。掛け捨ては、無駄のない保険料で、必要な保障を買っているということを理解すべきかと思います。

ただそれだけでは、生命保険の役割は果たせません。たとえ率が悪くても貯蓄性の代表格である養老保険や終身保険には、ライフプランや相続において十分な価値と存在意義があります。

保険営業には、生活をかけて保険を売るという事情があります。掛け捨て保険の販売を会社が強化しているならそれに従い、自分が有利になる保険をお客様に提案し、おすすめするのは仕方がないことだと思います。

ただ行き過ぎると、重大月などと意味不明の強化月間を設けて、躊躇する顧客に迫ります。「重大月ですから、何とか契約を!?」 これはやはり無理筋というものです。

保険営業のコツは、敢えてその事を言い出さないと取れない。

保険営業の生き残り、節税できない法人保険の方向性を模索。

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