保険営業の生き残り、節税できない法人保険の方向性を模索。

保険営業の生き残り、節税できない法人保険の方向性を模索。

新型コロナウイルス感染症が、恐怖なりし頃の記事です。今は、5類に格下げとなりずいぶん軽く扱われていますが、感染が終息したとは言えない状況が続いています。

いかなる場合でも、成果報酬という保険営業の仕組みがある限り、困難な状況があっても這いつくばって営業活動を継続しなくてはならない宿命です。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、騒々しい世の中になりましたが、保険の営業活動も自粛傾向です。しかしそんなことを真に受けて営業活動をおろそかにすれば、たちまちおまんまの食い上げです。保険営業の世界では、売上低下の補填など誰もしてくれません。

特にバレンタインショックから、法人保険分野では、節税効果が高い保険はほぼなくなりました。保険営業で生き残るためには、節税効果が少なくても、新たな切り口で保険を売らなくてはならなくなりました。

■保険営業はやめた方がよい理由、成功か挫折かリアルな体験談。

◆ 保険営業の厳しさ、生き残りのダウンサイジング。

保険業界の営業は会社のためでもなく同僚のためでもなく、ましてや上司や社会のためでなく、ただひたすら自分と家族のために刻苦勉励して働いているのです。新型コロナウイルスのおかげで、お客様の在宅率は高く、暇で手空きが多いことは間違いありませんから、しっかりリスク説明を聞いていただけます。マスク片手に、消毒用のアルコール持参でここぞとばかりに濃厚接触です。

そこまでやらないと保険営業は結果を出せない、厳しい世界だと言えると思います。もし感染の疑いがあっても自宅待機などしている暇はありません。お客様に迷惑をかけることはできませんから防護服を着てでも営業です。

少しばかり言い過ぎのきらいはありますがご容赦ください。あと一件に泣く保険営業の偽らざる本音だと思っております。

のっけから話がそれておりますが、法人保険販売を主力とされてきた保険代理店や保険営業が保険販売で生き残る方策を探りました。法人保険販売で一山当てたような保険営業の方は、節税保険がメインだったと思います。しかし、その販売の主力商品が、ことごとく国家権力により閉ざされてしまいました。決して転職をすすめるだけではありません。生活をダウンサイジングして車をベンツから軽に乗り換えてでも、歯を食いしばって保険業界で生きていかなくてはならない方に、保険を買う側からのアドバイスです。

◆ 法人保険販売の行き詰り。

保険営業にとって法人保険も個人保険も、保険商品の販売ということでは本質的に同じです。

人生何があるかわかりませんから、お客様にリスクに気づいていただき、万が一の場合に備えて金銭的に補填できるよう保険商品をおすすめすることが保険営業の仕事です。

ところが保険には、金融商品としての側面があります。低金利の側面ではお金を貯める機能は限りなく低くなり、ドル建てでもない限り貯蓄性という点ではほとんどメリットがありません。

2019年のバレンタインショックまでは、法人保険で損金メリットを生かして利益の繰り延べができました。しかしそれもご承知のように6月28日の国税通達により、完全に網がかかってしまいました。法人保険販売の行き詰まりが、厳しい形で現実のものとなりました。法人の節税保険に特化していた代理店や保険営業は、完全に手詰まり状態となり、五里霧中・暗中模索の有様です。

確かに法人保険の販売は戦略転換を余儀なくされ、各社とも道なき狭き道をさまよっているといっても過言ではありません。それが証拠には、以前は、あれだけ決算前にアポ電話が集中したというのに、今ではさっぱりです。それだけ売るべき商品がないということでしょうか。

もともと節税ということではなく、企業の事業保障を目的に保険契約を売込む場合、それほど多くのチャンスがあるわけではありません。節税保険のように毎期毎期需要があるわけではないのです。

事業承継等で経営者や役員が変わるときや、昇格などで責任が重くなるタイミングで、事業保障の見直しが発生し保険加入の機会が生まれます。それが本来の保険販売の姿なのですが、節税保険よりチャンスは激減します。

そもそも契約の目的が違いますから、たとえてみればお腹がすいてパンを買いたいときにバケツを売り込まれるようなものです。買う側からすれば、今期の利益をどうにかして残したいと思っているのですから、事業保障の提案の的外れ感は否めないところです。でも節税に有効な保険商品がないから仕方がないのですね。

◆ 保険営業は、自滅妄想との闘い。

保険販売の極意は「夜討ち朝駆けGNP」、行動を加速させることで自滅妄想から脱出できるようになります。保険営業の最大の敵は自滅妄想です。

自滅妄想はあらゆる業界の営業につきものです。いかなるベテラン営業でも多かれ少なかれ自滅妄想の渦に取り込まれます。これを克服できた営業だけが成功者になれます。

自滅妄想とはなにかを説明すると、お客様にアポ電話をかけるとき、新規の飛び込みでドアの前に立ったときの心理状態です。忙しいのではないか、断られるのではないか、猛犬が出てくるのではないかとありもしない気後れに襲われるあの心理です。ドアの向こうにはチャンスがあっても、気後れからチャイムが押せないのです。あと一本のダメ押し電話ができないのです。

気後れからくる自滅妄想は、実際にはありもしない状況を自分で練り上げて、自分で行動にブレーキをかけてしまいます。たとえて言えば、長い直線道路で逃げ水を見て急ブレーキを踏むようなものです。ドアを開けてみればわかりますが、実際には恐れるものは何もありはしません。ほとんどの気後れの要因は自分の心の中にある妄想なのです。

ここにきて保険営業からのアプローチが少なくなったのは、やはりバレンタインショックからくる自滅妄想ではないかと思っています。節税以外の提案の切り口が思い浮かばないほどに、これまで節税保険に依存してきたということでしょうか。

◆ 法人保険営業の行き詰まり、まとめ。

節税保険販売のときにはあっさりアポが取れたものを、さて保障性の保険販売では手ごたえが違います。顧客の微妙な引きが感じられます。(買う側から言えば、節税商品が提案できないなら義理で話は聞きますがうっとうしくなります。)

根本的にアプローチの方向を変えて、それまでの成功体験を捨ててかかることしかないように思います。企業というのは金もうけを標榜しているところです。目先の見返りの少ない保障性の高い商品を売り込むことは容易ではありません。

しかし養老保険のハーフタックスも30万以下の少額契約もいずれ頭打ちになります。保険契約の枠は奪い合いとなり、やがて市場は縮小し、最後にはなくなります。やはり結論的に申し上げれば保険の基本に立ち返り、事業保障でも介護保障や医療保障にシフトしながら、お客様にリスクに気付いていただくような切り口が必要なのではないかと思います。これまで築いてきた顧客ネットワークという財産がありますから。

保険業界で生き残りたければ、もちろんこれまでのステイタスも見栄も捨てて、大幅なダウンサイジングが必要になるでしょう。保険営業の皆さんにハッパをかけるつもりの記事が、悲観的なことばかり並べてしまい申し訳ないことです。しかし保険本来のリスクに対する保障をしっかりと提案すれば、チャンスはあります。見えないところに大きなリスクがあり、それを見つけて保険提案につなぐことです。

「保険は相談するな!」というブログの記事の中には、買う側から気が付いた法人保険の提案に関するヒントが、随所に散りばめてあると自負しています。記事を読んでそれに気が付くかどいうかは、そのことに対する必死さと熱意で決まります。必死の思いは気づきになり行動になり、そして習慣になります。それが成果となり、人生の方向性を決めます。最後はマザー・テレサの言葉のようになり失礼しました。

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