経営者の視点はパワハラ。

経営者の視点はパワハラ。

経営者というのは、それぞれが違う性格の社員を同じ方向にまとめあげ仕事をさせことが仕事です。言い方はよくないですが、やくざ的なパワハラの要素もなくては組織を動かせないということがあります。

一度や二度言っただけでは人は本質的に理解しないし、また動こうとはしないのです。協調型の経営者では、社員を畏怖(いふ)させることができないので、経営はどんどんぬるま湯化します。その結果会社の経営が思わしくなくなって一番迷惑するのが社員です。

◆ いじめ・嫌がらせによるパワハラ相談が9年連続でトップ。

厚生労働省の個別労働紛争解決制度施行状況によると民事上の個別労働紛争の相談件数での相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が9年連続トップとなっています。職場で発生するいじめや嫌がらせはどこにでも起こり得ることです。多くの紛争では被害者感情が先行し、本当のパワハラかどうかは疑わしいということもあります。

中小企業のワンマン経営者にとって、部下指導をパワハラと言われてのでは経営できないということにもなります。パワハラと厳しい指導の線引きは難しいですが、経営者の従業員へのパワハラともなれば、経営責任が問われ、もたらした結果によっては、多額の賠償責任を負う法的責任に発展するおそれもありますので、時代が変わったことを認識して注意する必要があります。

人には個人差があり、同じ言葉でも受け取り方が違います。個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりすることは珍しくありません。業務上の適正な範囲で行われている厳しい指導は、パワーハラスメントには当たらないとすることを明確にすべきところです。

◆ ワンマン経営者はプーチンのパワハラ。

中小企業によくあるワンマン経営者は、社長以外の幹部社員も含めて全部平社員というケースがあります。

決定権や決済権は社長一人に集中しており、組織表の肩書や職務権限は形だけとういことは、どこかの独裁国家のようによくあるケースです。別世界のようなものですが、その強権体質に適応したイエスマンだけが生き残れます。

基本コンセプトと言えば「嫌なら辞めろ!」であり去る者は追わず引き止めずです。

組織としての会社からすれば、全く理不尽な話ですが、中小企業とはそうした手前勝手な理屈を覆い隠して体裁だけ取り繕った独裁国家でもあります。体験的な要素も含まれますが、実態は下記のキーワードから推測をお願いします。これをどこからパワハラとするか判断できるものではないということです。受ける側が忍耐できればパワハラではないというようなことにもなります。

パワハラ気質は感情的、短気で激高、思惑違いで怒鳴る、暴言を吐く、物を投げる、書類を破り捨てる、幹部社員の意見を聞かない、外部の意見を聞き社員を信用しない、執念深く必ず報復する、善悪関係なく不忠に対して始末書を命じる、出社停止を命じ無視する、組織的に降格する、支店へ左遷する、賞与を激減させる、昇給させない、幹部社員に無理やり同意を強要し組織的な意見のように繕う、自分の考えが全て正しいと思っている、好き嫌いで評価や人事を決定する、感情がコントロールできない、朝令暮改ではなく朝礼即改で言うことや指示が毎回変わる、何でも口出ししてくる、気に入らない社員や抵抗する社員を迫害し退職に追い込む、社長の都合で休日出勤を命じる、いつでも個人携帯に電話してくる、誰から給料をもろてるかと支配的地位を誇示、責任を転嫁し押しつける、暴走や間違いを止めるには退職覚悟、自分の感覚・経験で物事を決定し偏りがある、人事評価は形だけで好き嫌いのブラックボックス。

一体どんな会社に居たのかと思われるかもしれませんが、ワンマン経営者とはどこも同じようなプーチン状態です。この結果、幹部社員は保身を優先しイエスマン集団になり不正を抑止できなくなります。しかし社長に取り入ろうとして報連相のやり過ぎが身を亡ぼすこともあり、適度な距離感が必要です。社長の意向をくんだ意見に終始し問題点に触れなくなり会議で意見を言わなくなります。

社長から「言いたいことがあれば言え。」と言われて真に受けて意見すれば身の破滅を迎えます。また自分から動いて叱責されるより指示待ち社員ばかりになります。辞めたかったら辞めれば良いと人は簡単に言いますが、そう簡単に転職や退職ができないことは年齢的にもあるでしょう。

◆ 経営者の視点は無意識のパワハラ、まとめ。

中小企業の経営者というものは、やはり聞く耳をもちつつ、腹が立てばしかりつけてでも人を育てなければ会社は組織として維持できないということです。甘いばかりでもいけないし、厳しすぎてもやめてしまいます。

多少陰口をたたかれても、強力なリーダーシップをためらってはいけません。しかし、納得できない話でも見方を変えると一理あるということもありますから時折は立ち止まって人の話を聞いてみるぐらいの心の余裕と広さは経営者に必要だと思います。

経営のかじ取りは難しいですが、聞く耳をもたずに一目散に突き進むだけでなく、幅広い視点も必要になります。経営者はパワハラを恐れて厳しい指導をためらっていては経営という競争市場では生き残れません。ただ時代も変わってきましたから、相手の立場になり言葉を選ぶ、パワハラになっていないか時折自省する余裕も必要かもしれません。

経営者の立場なのか雇われの身の上を嘆いているのかわからないような記事内容になり失礼しています。言えることは、パワーハラスメントはセクシャルハラスメントと同じように、受け取る側の性格や意識によって感じ方にかなり個人差がでます。業務上の適正な範囲で指導することは、内容的に多少厳しくてもハラスメントには当たらないとすべきは当然ですが、パワハラに対して過剰反応することも注意する必要があるように思います。

中小企業のパワハラ保険と自己矛盾。

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