県民共済のデメリットを謎解きすると見えてくる間違い。

県民共済のデメリットを謎解きすると見えてくる間違い。

県民共済という組織があります。よくマンションのポストに県民共済のチラシがポスティングされています。県民共済は、年に一度割戻金が振り込まれます。キャッチコピーは「約束に、まっすぐ。」となっています。うまいコピーだと思います。

県民共済は、国民共済などと同じ、厚生労働省の認可による非営利団体です。民間の生命保険会社は金融庁の管轄になり、営利を目的とする団体です。所轄は違いますが、共済と保険とはほぼ同義です。しかしその取り扱う共済の内容は大きく異なります。

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◆ 県民共済とは、組織の特性、メリット・デメリット。

県民共済では、保険金のことを共済金、保険料のことを掛金と呼びます。基本的に掛け捨て保険ですが、非営利団体ですので割戻金があります。保障額がそれほど大きくなく、掛金負担が小さいので基本的に医師の審査はありません。告知はありますが、民間生保のように詳細な告知は求めません。

その結果、共済商品としてはシンプルな構成でわかりやすくなっています。民間生保のように、被保険者のリスクに応じた、保険のカスタマイズはできないことになっています。

また契約できるのは、共済組合員という条件があります。居住地か勤務地のどちらかの契約になります。生協(生活協同組合)が、都道府県から認可を得て生協の組合員のために運営する保険ということができます。

県民共済のメリットとデメリットを単純に箇条書きにすると。

【メリット】

・年齢や性別にかかわらず掛金が一定(年齢が高くなるほど割安)。

・掛金が比較的安い。

・割戻金があるため割安。

・内容がシンプルでわかりやすい。

【デメリット】

・満85歳までしか保障がない。

・若い人にとっては割高な場合がある。

・貯蓄型の保険はない、基本掛け捨て。

・保障内容のカスタマイズができない。

・契約できる地域に制限がある

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◆ 保険と共済の目的は同じでも大きな違い。

共済と保険は、病気やケガ・万が一の事態・事故等での損害に備えるために加入するという目的は同じですが、さまざまな違いがあります。 共済は保険に比べ、掛金が割安であることや、商品がシンプルで選びやすいことがメリットとなっています。 一方で、共済金の金額の小ささや選択肢の少なさが、デメリットになります。

民間の生保は、原則として日本に居住している人であれば、誰でも保険料を払えば加入することができます。 県民共済は、特定の地域に住む人で構成される、共済組合が組合員向けに行っている福利厚生事業です。共済に加入するには、原則として組合員等になる必要があります。

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◆ 県民共済が生む、事足れりの誤解。

県民共済のデメリットについて謎解きポイントは3つあります。

県民共済は安い保険料で保険に加入でき、剰余金があれば割戻金として戻ってきますからとても利口に思えます。経営母体も営利目的ではないのでその点では信用できます。

しかし人のリスクをカバーする、あるいは世帯主のリスクをヘッジするという点では、県民共済は中途半端で誤解を招きやすいと言えます。この点のデメリットが、大きい保険といえるでしょう。

昨今はやりの医療保険のように、元が取れなかったり肝心の世帯主の万が一の場合のリスクを曇らせてしまったりする怖さがあります。

法人契約でも個人契約でも保険の最大の役割は事業保障であり、家族の生活保障です。県民共済のデメリットの最大のポイントは、ここをはずして保険に入っている気になってしまう点です。きちんと保険会社でリスク分析をして、必要な保障額を確保した上で、県民共済を検討すると言うなら、意味があると思います。

・県民共済はリスク評価を誤らせる。

ところが、それほど経済的に余裕があるわけではないと思います。県民共済で保険を済ませようという考え方があるとすれば、リスク評価を誤っているか見落としていると言うほかありません。

肝心の保障は、後に残された配偶者と子供たちが、悲劇を乗り越えて生きていくための生活保障でなくてはなりません。そういう保険本来の役割から、県民共済はずれているのです。それはデメリットというよりリスクとすら言えるのではないかと思います。

◆ 県民共済の最大のリスクとデメリット。

ずれているのは、そこの経営戦略ですから構わないのですが、その結果として県民共済で保険に入った気になるリスクは侮れません。わずかな死亡保障、傷害での入院給付など、見れば見るほど家族の保障という点では不適合と言わざるをえません。

県民共済の問題点を謎解きすれば、加入しやすさはある意味で必要な保障を準備できないというデメリットにつながります。また死亡保険にしても医療保険にしても県民共済の場合、基本的に定期保険であり掛け捨てとなります。終身保険ではないですから、葬式代にもなりません。

また保険料が年齢性別に関わらず同じというのは、損保分野の傷害保険の考え方です。当然高齢者に有利、若年者に不利な内容となります。このことをデメリットとするには考え方によります。

それやこれやを勘案しても県民共済の最大の弊害は、家族の生活保障を満たせない保険だということです。県民共済のデメリットは、ないよりはましではなく、県民共済があるから事足れりの誤解を生むことが、最大のデメリットであると言えると思います。

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◆ 県民共済のデメリット、まとめ。

県民共済のデメリットを考えてみましたが、県民共済が良くないということではありません。あくまでも共済ですから、組合員の福利厚生を目的とした助けあいの制度です。

本来の生命保険は、その人のライフプランに合わせて、その時々に必要な保障額を算定し、定期的に見直しながらリスクを経済的にカバーするものです。

生命保険の役割として、ご本人の医療保障やガンに対する保障も必要かもしれません。しかしもっとも大事な保障は、自分が万が一のとき、あとに残された家族が生活していくための保険金です。

本当に必要な保障とは何かを、まず考えてそれがぶれないように保険商品を選ぶことが大事です。その上で県民共済を検討されるのが、県民共済のデメリットを克服することになると思います。

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