FPが独立すると利益相反で困る理由があります。
FPとはファイナンシャルプランナーのことです。国家資格としてはFP技能士と呼んでいます。FPの資格はとても幅広い分野にかかわりますからどうしても得意分野が必要になります。
それはさておきFPの資格は企業に籍を置きそこでの業務をレベルアップするために取得することが多いのです。例えば保険会社であったり証券会社であったり不動産関連の会社で業務にFP資格を役立てるというケースです。
企業にいるうちは企業の利益を代表していますから個人のFP資格と利益相反になることはあまりありません。ところがFP資格を生かして独立すると途端に利益相反の問題が出てきます。
独立系のFPなどと呼びますが、まだまだFP資格はわが国では認知度がそれほど高いわけではないのでFPとしてのフィーだけでやて行くことは難しいと言う事情があります。
生命保険を筆頭に金融商品は取り扱うと一定の率でコミッションが入ってきます。このコミッションが大きいのでFP自身にとって顧客利益と自分の都合とが矛盾を起こします。利益相反という状況はこうして生まれます。
FP自身が募集人の資格を有していなくても共同募集と呼ばれる手法があります。提携している代理店に手続きを依頼してコミッションを分割します。代理店にすれば何もしないで売上が転がり込んでくるわけですからコミッションを折半にしても良いわけです。実情から見ればFPで食っていくにはやむを得ないところです。
FPにとって利益相反の是非は難しい要素をはらみます。顧客の利益を優先するといっても物事には考え方があり価値観があります。提案する側がベストだと思っても顧客の価値観が一致するとは限らないことがままあります。
FPが良心的にできることはよりフェアに説明し顧客に選択をゆだねることになります。
理屈では自分のスタンスを説明できますが、良心的に割り切れないようなタイプのFPは顧客から頂くフィーだけでやっていくことを明確にする人もいます。
FPはこれからの時代の資格ですが独立してやっていくには利益相反の問題以上に道程は険しいのが実態です。