中小企業の経営課題はその日暮らし、体験を側近が語ると泥縄経営。
中小企業の経営者にとって会社は我が子のようなもの、自分のものです。社員をいくら指導してみても、経営者の思いを理解することはありません。
経営は何があるか予測できない、リスク対処業のようなものです。次から次へと起こりくる問題にどうにかこうにか対応していると、一日が終わるという感じです。
それを7日間繰り返して一週間、その延長が一月であり一年です。まさに中小企業の経営は、その日暮らしの泥縄と言っても過言ではないでしょう。
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◆ 経営の課題は出たとこ勝負。
思い通りに行くことがまれであり、むしろ思いがけないことが次々起こります。幹部社員の退社、災害事故、火災、クレーム、社員のトラブル、為替変動、原料高騰、売上不振等々まったく数え上げたらきりがありません。経営の課題は切りがなく、つかんでもつかんでもずるずると滑り落ちる泥縄です。手を放したが最後、まっさかさまです。
経営者は一年中心休まるときはなく、寝ても覚めても会社のことが気になります。
しばらく出張で会社を空けると、もどれば問題の山、どこから手を付けようかというところです。業種業界はちがっても、中小企業の社長は皆同じ悩みを抱えているものです。
リスクに対して手を打たなければ「一言にして国を滅ぼす言葉は『どうにかなろう』の一言なり。幕府が滅亡したるはこの一言なり」という小栗上野介の言葉は、そのまま会社経営に通じます。
◆ 経営者に必要なスキル、そんなものあるわけない。
中小企業の経営者は、かかわる範囲が広すぎてすべてを把握することはできません。人に頼らなくてはなりませんが、信用し過ぎてもいけないのが社員と言うものです。
社長に必要な能力やスキルをあげればきりがありませんが、中小企業の社長に「そんなものあるわけない。」と言うのが妥当なところでしょう。
・経営者の資質は?
小狡さや押しの強さ、身勝手さは備わっていると思いますが、経営コンサルが求めるようなスキルが、全部備わっている経営者がいるはずありません。
たとえば、「先見性」 出たとこ勝負の経営には、経験による見通しと言うことはあります。しかし情報に基づく状況の変化を見通す力は、見通してもその通りにはならないので、あまり意味がありません。
「人間力」 ビジネスを円滑に進めるための能力と言うより、価格交渉力、人を見極める品定め力はあるようです
「決断力」はなくても、ときが来れば決めなくてはなりません。適切な判断であろうとなかろうと、決断はついて回ります。
物事の本質を見抜く「洞察力」などあるはずがありません。そもそも人間に物事の本質が見抜けるというのは、おごりと誤解によるものです。
学歴や教養は、経営判断には役に立たないどころか、悪影響を与える場合すらあります。経営は論理的に行うものではありません。どちらかと言えば直感に頼る判断が優先されます。
また経営者に自己変革能力は必要ありません。自己変革できる経営者もいないと言うべきです。しかし社員の行動をゆでガエルから、一人前に仕込むだけの熱意と強引さは必要です。
◆ 中小企業にフレームワークなどと言っても無意味。
経営コンサルタントが、課題解決のフレームワークなどと言います。しかし理屈では、中小企業の経営課題を解決することにはなりません。セミナーに行って経営者が勉強してきても、その知識を実際の経営で役立てるなど、できない相談なのです。
問題解決のフレームワークは、さもありなんというまとめができますが、そこで終わります。現実の経営課題と言うものは、もっと複雑で枠にはまらないものなのでフレームワークは意味をなさないのです。
経営コンサルタントなどが提示するフレームワークで「3C分析」で自社の現状を把握し、「4P」の視点から自社と競合を比較したとします。
でも経営の現場で、今起こっている課題にどのように対処すればよいなどわかりません。そのうち3日もすれば、日々の課題に追われてフレームワークなどと言ううわべだけの知識は忘却の彼方へ消えてしまうとしたものです。
◆ 中小企業の経営課題は泥縄、保険が助け、まとめ。
中小企業のオーナー経営者は、小狡く立ち回ることで密かに利益を残してきます。その結果、経営課題以前にグレーゾーンがあちこちにできます。これをその都度クリアしていかなくては、側近は務まりません。社長は出張を口実に雲隠れしても、冷や汗をかきながら何食わぬ顔で乗り切る度胸も必要です。
経営の現場で、経営者の側近として仕えていると先が見えない課題が山積します。社員に知らせることで鼓舞することができる課題と、社員には知らせられない内密の課題があります。
内情をつぶさに知れば知るほど、経営上の課題が深刻であることが見えてきます。実感としては綱渡りということもありますが、たぶんどうにか渡り切っているから、今日あるわけです。
あてにできるものはお金、積上げたる資金のみであるとすれば、法人契約の保険はまさに命綱のようなものです。決して泥縄の様に解約返戻金がかってにずり落ちたり、なくなってしまったりすることはありません。
中小企業の経営課題を支えることができるのは保険だと思います。人間と違って契約ですから、最後まで裏切ることはありません。泥縄のような経営にならないよう、法人契約の生命保険で一本筋を通しておくとここ一番の助けになります。
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