役員退職金を国税OB税理士に相談するとどうなるか、事例です。
税理士の中には、税理士試験を免除されて税理士資格を得られる人がいます。国税局や税務署に27年間勤務すると、退官後税理士を名乗ることができます。いわゆる国税OBの税理士ですが、税理士の内3割から4割がそうだと言われれいます。
国税OB税理士については、以下の記事に詳しく書いています。
その国税OB税理士に、役員退職金の支払い限度について相談したことがあります。話がかみ合わなくて困ったという事例を紹介します。そのOB税理士は、元税務署長ですが、酒税が専門だったようで、役員退職金の算定基準について一般的な幅の広い見解をもてないようで、どうもギクシャクしたことでした。
◆役員退職金に上限はない。
役員退職金をいくら払おうが基本的には企業の自由です。
ただ役員退職金として損金算入できる範囲に制限があると言うだけです。そういう意味ではお得な話ではないですが、税金を払いつつ役員退職金を支給することも可能です。
役員退職金に上限はないと申し上げていますが、課税当局が認めた範囲を越える支給額は有税扱いになるということです。
◆役員退職金をOB税理士に相談すると。
役員退職金をOB税理士の先生に相談したことがありますが、要するに頭が固く、知識も税務署内での偏ったものになっています。
そこへきて元税務署長ですからプライドも高いので言い出したことは訂正できないのです。
事例で言えば、
役員退職金の算定基準は
「最終報酬月額×役員在籍年数×功績倍率」
で考えるというのは当たり前の算式ですが、功績倍率には功労金を含めて考えるのだそうで、倍率はOB税理士の先生が当局に事前相談に行き決めてくるそうです。
ところが、会長職に退いて役員報酬を半額に減額すれば、その時点の最終報酬月額が基準になるとのご宣託です。
それまで役員退職金をもらっていなければ、最終報酬月額にこだわらなくても、過去3年の平均値、過去の最高額、過去の加重平均額などの考え方はいろいろあります。
もちろん会社が儲かっていてそれだけの功績がある場合ですが、合理的に説明がつけば最終報酬月額に縛られなくても良いという考え方はネット上にあふれています。
しかし課税当局が頭が固いのか、それともOB税理士の先生の頭が固いのかわかりませんが、問合せをしても最終報酬月額にこだわる回答しかいただけないことがありました。
ただ税務署への事前相談はOB税理士の先生自ら行くので任せてほしいとのこと。
◆役員退職金をOB税理士に相談すると、まとめ。
OB税理士の先生は企業側の意図する意味が理解できないのか、無知なのかは知りませんが、意図した方向に話が進まないのには困りものです。
中小企業のオーナー経営者にとれば会社は自分と一心同体、これまでしっかりため込んでいて、相続税の資金の心配もなければ、役員報酬でもらうより会社に資金を残しておこうという親心から役員報酬を半額にまで減額したわけです。
しかし、もらう貰わないは別にして、役員退職金として受け取れる金額は最終報酬月額の掛け算になるのでは納得できないところです。これまでの功績を無視されたような気がしてもおかしくはないのです。
OB税理士先生のこの辺のかみ合わなさ、というかミスマッチは困りものです。ただ課税当局に事前相談は必須です。この辺では妙に確実なのです。
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