ドル建て保険全盛時代に為替リスクの警鐘。

ドル建て保険全盛時代に敢えて為替リスクの警鐘を鳴らします。

◆生命保険の予定利率が史上最低に

CIMG2901先ごろ生命保険の標準利率が0.25%まで下げられ、史上最低となりました。

これに伴い生命保険各社の保険商品の予定利率も引き下げられました。

特に貯蓄性の高い終身保険や養老保険は販売停止の保険商品が出たほどです。

生命保険は貯蓄という目的にはもはや適さなくなりました。

保障性に重点をおいた、家族や会社の万が一の時のため、必要な保障を生命保険で準備する本来の目的にシフトしつつあります。

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◆外貨建て生命保険の美味しい仕組み

ところが円建てでは予定利率は最低ですが、外貨建てではまだまだそこそこ予定利率が高い保険商品があります。

生命保険会社の商品にもよりますが、解約返戻金が結構増えますし、保険料に対する死亡保障の割合が円建て商品に比べかなり大きくなっています。

円建ての保険商品と比較するまでもなく、金融商品としては美味しいというか結構魅力的です。十分検討に値すると言えると思います。

◆生命保険は長い付き合い、為替リスクと隣り合わせ

但し、あり得ないことが起こるのが人生と為替です。

販売する生命保険会社の破綻というようなリスクもありますが、なんといっても将来の為替リスクは見通せません。

数年先ならまだ予測もできるかもしれませんが、生命保険は、はるか数十年先に決裁が来ます。その時大きく円高に振れていれば、損をすることも十分あり得る話です。

かつての円高時代は1ドル50円などという予測がまことしやかに流れていたこともあります。

外国で暮らすつもりならドル建てでも為替リスクはありませんが、日本で円貨で暮らすなら為替リスクは侮れないところです。

◆生命保険は保障性を重視

生命保険は家族の保障であったり、会社の事業保障であったり、あるいは相続対策であったりと目的が様々です。

それぞれに合わせた保障性の設計が根底にあり、一寸先は闇という人の世のはかなさ、万が一の大事をお金でカバーして乗り切るためのものです。

したがって生命保険は必要な保障に対してそれに見合う保険金が確定していないと安心できません。

為替の変動により保障額が変動するというのでは、リスクヘッジとしては片手落ちと言わざるを得ないのです。

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◆これからは余力で加入するならドル建て生命保険

まずは円貨で必要な保障を確保する。その上で経済的な余力があればドル建ての生命保険商品を検討するということが安全な道です。

ドル建ての生命保険は株などの金融商品に似たリスクがありますが、最近の商品は最低保証がついていたり、リスクを軽減する工夫があったりします。

投資という意味でドル建の生命保険を検討するなら、他の金融商品よりは手間いらずで安全であると申し上げることはできます。

あくまでも余力があれば、ドル建ては美味しいということができます。

時代は生命保険の方向性を誤らせている。

◆為替リスクのトリガーを知っておく

ドル建ての生命保険を検討するときは、中途半端にわかったつもりにならないで、とことん説明を聞き、完全に仕組みを理解することが重要です。

その上でさらに円高が進み、為替がいくらになればマイナスが発生するかというトリガーとなる為替水準を把握しておくことです。

1ドル95円なのか93円なのか、もっと余裕があるのかを頭に入れておくことです。

あいまいな理解でドル建て生命保険を契約すると円高に慌てて早期に解約して損をしたりすることがあります。長い目で為替リスクの先を見定める余裕が必要です。

例えトリガーを知っていたとしても、死亡保険金を受け取る時には契約者(=被保険者)たる自分はたぶんこの世にはいないので、為替がどうのこうのと気に病むこともかなわないのではありますが・・

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