持続化給付金で食いつなぐ保険営業の土壇場。

法人保険の代理店はバレンタインショックとコロナ自粛の二重苦。

保険営業が持続化給付金を請求できるかどうかは前回の記事に書きました。しかし保険代理店によっては完全に先が見えなくなり持続化給付金でしばらく食いつないでも、その先の事業計画が見えてこないという事情があります。

法人保険で一旗揚げた保険代理店は、今や過去最大のピンチに見舞われています。

◆ 早々に店仕舞いの保険代理店。

保険会社は保険代理店に営業活動の自粛を要請することはできても強制することはできません。しかし保険会社が代理店相手の保険営業を自粛すれば、保険代理店の営業は提案書や申込書が作れなくなりますから営業活動はできなくなります。そうなれば家賃や人件費などの経費を垂れ流しているだけという救いがたい状況になります。悪循環の状態は早々に打ち切り、傷の浅いうちに保険代理店は店じまいすることも選択肢になってきます。

法人保険、特に決算ごとにおすすめができた節税保険を得意としていた保険代理店や税理士の先生は相当厳しい現実があるでしょう。ましてや節税保険の代案としてオペレーティングリースを提案しても世界的な状況を見れば手出しする企業はリスクに二の足を踏むでしょう。

まさに保険代理店は八方ふさがり状態です。限られた選択肢はあまりありません。持続化給付金で食いつないだとしても、状況としてはいよいよ土壇場という表現があてはまりそうです。

◆ なり振り構わぬ無責任代理店。

言い方はよくないですが、保険代理店として生き残るためにはなり振り構っていられないという事情もある程度理解できます。続けるにしても廃業するにしても容易な道のりではありません。

先日、某大手都市銀行系の保険代理店が逓増定期の名義変更プランを提案してきました。それまでは、名義変更プランは責任が持てないので扱わないとしていましたが、コロナ禍とバレンタインショックでは選択肢がなくなったということでしょうか。

無責任と言えば酷になりますが、5年後に名義変更するときの手続きはサポートができないので、自己責任かお知り合いの税理士さんにお願いしてほしいというのです。確かに銀行のOBで構成されていますから、担当者の年齢も高いですし、転勤もあるそうです。名義変更時の5年後には販売した担当者も同行した銀行の担当者もいないので責任がもてないそうです。それと取り次ぐhokenfpとしても、名義変更に時期にはもはやそこにはいないので偉そうには言えませんが、他の人に任せるほど責任の軽い話でもありません。代理店としては正直と言えば正直ですが、やはり無責任代理店と言うそしりは免れません。

◆ 持続化か廃業か苦渋の保険代理店。

すでに廃業を選択された保険代理店もあると伝え聞きます。バレンタインショックで売るべき保険商品がなくなり、新型コロナ騒ぎで営業自粛、ほとんど新規契約が取れない中、持続化給付金で命脈をつないでも、その先が見えてこないでは、苦渋の選択もやむをえないのでしょう。

保険業界に限らず事業をしていれば好調なときも、どうしようもなく苦しい時もあります。しかし一番つらいのは、廃業すればこれまでご契約いただいたお客様に対して責任を放棄するようなことになることです。保険というのは保険会社と契約者の契約ですが、保険営業としては、そこは割り切ってしまうことができない責任がプレッシャーとしてのしかかります。保険営業はやめたとしても、心の中に重荷として残ってしまうのです。経験として申し上げれば、数年後でも夢に出てきます。

持続化か廃業かという問題は単に事業の継続性だけでなく、生命保険という商品特性なるがゆえに売ったあとのフォローが保険代理店や保険営業を苦しめるようです。

苦渋という表現が決して大げさではない土壇場ではないかと思っています。インバウンド需要に頼っていた外食産業や宿泊関係、観光産業は緊急事態宣言が解除されても早期に需要が戻ることはありません。

それと同じで法人保険も営業自粛が解除されてもバレンタインショックの通達で網がかかった節税保険は元に戻りません。そうなると残された道は自分が変わるしかありません。持続化給付金でしばらく食いつなげている間に、見切りをつけて新しい選択肢を模索せざるを得ないところです。そうしてみると一括千金の節税保険で運をつかんだつもりでも、今にしてみると何がラッキーなのかわかりません。ぼちぼちでも個人保険を手堅く売っていた方が賢明だったということもあるかもしれません。人間万事塞翁が馬と言うではありませんか、何がおかげで何が災いか、それは神様にもわからないことなのかもしれません。

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