コロナ禍で生命保険、初期低解約型の罪作り。

コロナ禍で生命保険、初期低解約型の罪作り。

コロナ禍は多くの人に想定外の波乱万丈と生活苦を無理強いしているようです。気の毒な話ですが、生命保険の分野でも契約時の選択の誤りから、あわてて解約すると損をする保険があります。初期低解約型という生命保険がそれです。

◆ コロナ禍で失業、保険料が払えない。

コロナ禍で勤めている会社の業績が悪化し、会社を清算するか倒産するか、あるいはかろうじて緊急融資で生き延びても従業員に支払う給料が捻出できないという会社が多数あります。まもなく冬季賞与の支給時期ですが、賞与どころかクリスマスも“クルシミマス”で、年を越せない生活困窮者も出てきそうな世相になりました。そうした中でこれまで普通に保険料を支払ってきた方にとっても保険料どころではないという経済状況の悪化があります。保険料が払えなくなると頭をよぎるのは生命保険の解約です。

◆ 生活費が不足、解約で大損の生命保険。

生活費が不足して生活できなくなりつつあるのに生命保険料を払い続けることはできない相談です。しかし生命保険契約には初期低解約型の保険があります。加入してから長期間の間、解約返戻率が通常の解約返戻率の7割以下というものです。

解約返戻金は貯蓄性がある保険でも通常支払った保険料よりかなり少なくなるのが普通です。そのまた7掛けで、解約するのは大損と言っても過言ではないと思います。ただ、生活できないのに保障も何もあったものではありませんから、背に腹は変えられない痛い解約となります。

コロナ禍も災難ですが、困ったときにさらに困る初期低解約型の生命保険、まさに罪作りなのです。

◆ 目先の保険料だけに釣られない。

誰一人想定していなかったコロナ禍、人生何があるかわかりません。健康があたりまえという考えは幻想です。生命保険という仕組みは実によくできたシステムなのです。ただ、保険料を安くするために、保険としての見栄えを良くした保険もあります。目先の保険料だけつられるといざというときに困ることがあります。

初期低解約型生命保険をあたかも悪者のように書いてきましたが、保険商品としての考え方は様々です。長生きすれば確かにメリットを感じる保険になります。半面、今回のコロナ禍のような事態に直面し解約を余儀なくされると苦境を招きかねない保険となります。そこまで理解し納得して契約しているかということです。

割り切って損を覚悟で解約し、急場をしのぐことも選択肢です。そしてまた景気が回復すれば、今度はできれば初期低解約型ではない保険も考慮されるとよいかと思います。

低解約返戻金型保険につきまとう不安の正体を看破。

◆ 初期低解約型の保険、まとめ。

法人契約の保険でも逓増定期の名義変更以外は、初期低解約型の保険はすすめないことにしています。法人では個人以上に緊急の資金需要が発生する場合があります。目先の保険料にとらわれず、いろんな万が一に対応する保険を選ぶという考え方が大事です。

この記事を書く動機は、あるお客様が保険代理店にすすめられて生活費の1/3ほども某社の長割終身に加入されていたため解約をおすすめしたのですが、初期低解約型の早期解約では大損をするタイプの保険でした。すすめられるままに、子供が生まれるたびに新規の契約をすると保険料の負担がとても大きくなります。

これは大変と気が付いてもやめるにやめられない状態になります。そこに今回のコロナ禍ですからひどいことになります。契約して数年は特に解約返戻金が少なくなりますから、年数がある程度経過した保険から解約し生活費に充てつつ、職探しをするほかありません。その方はお子様が3人おられるので生活費も大変なのですが、お乗りの車もワゴンタイプの高級車です。見直すのは保険ばかりでなく生活のステイタスということもありそうですがね。

中小企業は複数の生命保険代理店と取引。

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