年末調整がわからない原因はこれ!所得、控除、配偶者特別控除。

知りたいことがわからないとイライラします。年末調整の手順やくわしい説明を書いたサイトは山のようにありますが、年末調整は毎年誰もが初心者です。

そもそも言葉の意味がわからないのが普通です。似たような意味不明の単語「所得」「控除」「配偶者特別控除」などのオンパレード。

もっとわかりやすい日本語でシンプルに説明してくれない?と思われるのも無理ありません。

hokenfpは一応ファイナンシャルプランナーですから、どう説明すれば年末調整が一発でわかりやすくできるか考えてみました。ターゲットをサラリーマンの標準家庭(年収600万)に絞り、細かい説明やわかりくい部分はバッサリ省略(他のくわしいサイトにゆずります。)して自分が理解するときに戸惑った部分だけにして、絞ってできるだけコンパクトに解説しました。

◆ 給与収入と所得控除との関係がわからない??

・そもそも控除とは?

控除とは給与収入から一定の金額を差し引くことです。残った金額が税金の対象となります。給与収入から基礎控除や配偶者控除などのように金額を控除してもらえると、給与所得が少なくなるので所得税などの税金が少なくなりお得なわけです。

・給与収入とは?

何も足さない、何も引かない会社からもらった給与額面そのままです。給与収入とは、会社から支払われる源泉徴収する前の給与と賞与を全て合計した額面の金額です。

・給与所得控除(所得控除)とは?

サラリーマンの必要経費を控除する仕組みです。サラリーマンだって経費がかかっていますから全員が控除されます。これまで最低額が65万でしたが、2020年から少なくなり55万になりました。給与収入の額により税金の負担率が増加するようになっています。

例えば、給与収入が600万円だと給与所得控除は600万円×20%+44万円=164万円、差し引き税金の対象となる給与所得額は、600万円-164万円=436万円となります。164万が給与収入から控除されましたから、課税対象額が436万と少なくなり税金もその分少なくなります。

この表は参考までに。

(令和2年分以降の給与所得控除額)給与収入から控除(マイナス)できる金額の計算式です。

・給与年収が180万円以下:収入金額×40%-10万円/55万円に満たない場合は55万円

・給与年収が180万円超~360万円以下:収入金額×30%+8万円

・給与年収が360万円超~660万円以下:収入金額×20%+44万円

・給与年収が660万円超~850万円以下:収入金額×10%+110万円

・給与年収が850万円超:195万円(上限)

(給与所得控除額の上限が220万円から195万円へと変更)

・給与所得 給与収入から給与所得控除額を引いた額。

令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書の裏面には下記のような表があります。(令和2年分以降の給与所得額)給与収入から給与所得控除額をマイナスした残りの金額です。給与所得と言います。上の表の反対計算式です。わかりやすくするため計算後の給与所得額、所得控除額、基礎控除を横に並べてみました。

原則は

給与収入-所得控除額=給与所得額 となります。

給与所得額-基礎控除(48万)=課税対象の所得額 です。

・基礎控除とは?

上記の給与所得額に加えて基礎控除がマイナスできます。給与収入が900万以下なら全員が48万控除されます。これまで38万でしたが、2020年から48万になりました。

◆ 所得控除と基礎控除の違いがわからない??

給与収入だけのサラリーマンは所得控除を給与所得控除と読み替えてください。サラリーマンにも一定額の経費を認めてくれるものです。前項にあるように給与収入の額に応じて給与所得控除が決まります。

給与所得控除後に残る金額があなたの所得、労働の対価としていわゆる純然たるもうけの部分です。そのもうけに丸々所得税をかけるのは気の毒なので、皆さんに基礎控除の枠が48万(昨年までは38万)あります。またまた控除ですが、ご自分のもうけ部分である所得から48万引いた残りの金額に対して税金をかけるということになります。その分税金が安くなりますから助かるわけです。

ここまで給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに基礎控除を差し引きました。所得控除は給与収入から引くもの、基礎控除は給与所得から引くもの、二段階になっているのですね。図をみれば仕組みが理解できると思います。

これがわからないと年末調整は書いてはみたものの、合っているかどうか自信がないということになります。

◆ 配偶者控除と配偶者特別控除の違いがわからない??

配偶者の収入がゼロの場合配偶者控除は38万、配偶者の収入が103万円を越えると配偶者特別控除になります。配偶者に収入があり配偶者控除の適用が受けられない方への救済措置が配偶者特別控除です。奥様の収入があるかなしでどちらかになります。両方はありません。

給与所得控除(55万)と基礎控除(48万)でなんと103万、これが所得税の壁ですね。これより収入が多くなると控除しきれなくなり、越えた分の金額に所得税がかかります。

給与所得控除の最低額が改正されましたが、増税にならないように基礎控除で配慮されたのですね。

65万+38万=55万+48万=103万
(変更前=変更後=所得税の壁)

◆ 保険料控除の仕組がわからない??

給与所得者が一年間に払う保険料は一定の控除を受けることができます。保険業界のひも付きかどうかはさておき、わずかですが所得税や住民税が少なくなります。めんどうがらずにこまめに記入するようお願いします。

保険料控除は昨年から変わっていませんが、すでに旧型と新型がありコロナのように十分複雑になっていますので、よく読んで保険料の控除証明書の金額を記入し、原本を添えてください。のりで貼り付けて出す会社と貼らずに出す会社があります。どこかに提出するわけではなく、確認が済んだら会社で保管するだけですから指示通りにすればよいと思います。

生命保険料控除には新契約に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除があります。そして旧契約に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除があります。生命保険料控除証明書に新契約か旧契約か書いてありますので確認してください。

地震保険料も控除されますので漏れないように確認してください。

◆ 所得金額調整控除がわからない??

ほとんどの方が関係ないと思いますが、年収が850万超の条件に当てはまる方は提出してください。

◆ 住宅借入金等特別控除がわからない??

住宅を購入された方は、初年度はご自分で確定申告をして2年目から年末調整で提出することになります。この減税は大きいですから忘れる人はいないと思います。詳細は他のサイトにゆずります。

◆ 社会保険料控除がわからない??

生計を共にしている家族の社会保険料を支払った場合などに受け取ることができる所得控除です。あまり見かけないです。

◆ 小規模企業共済等掛金控除がわからない??

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金など、直接支払った「共済契約」や「個人型年金」、「心身障害者不要共済制度」の掛金を支払った場合に受けることができる控除です。せっかく税金がかからない制度ですから、これは忘れる人はまずないと思います。

◆ 年末調整がわからない原因、まとめ。

裏面の説明は文字が小さくて読めないし書いてあることは意味不明。税務署がくれる説明書では読んでもまるでわからない、漢字ばかりで単語の意味が全然理解できないので読む気にもならない。

書き方を見てもどうも理解できない、関係書類がどこにあるかわからない、ネットで検索しても書き方がよくわからない、会社は年末調整についていつものこととばかり説明をしてくれない、昨年のコピーを保存してない、昨年と用紙の仕様が変わったので書き方がわからない。そもそも年末調整の意味が分かっていない。

昨年もギリギリに提出して、会社からの問合せに適当に答えて済ませた。

という方が多いと拝察します。

書いてあることの意味が解らないと、読む気が起こりません。テキトーに書いても会社が何とかしてくれるということもあるでしょう。細部はわからなくても、サラリーマンの税制はそもそもどうなっているかという大枠は理解しておきたいものです。特に基本的な部分を中心に、理解を妨げる漢字で登場する単語をわかりやすくすることを目指して書いてきました。少しはお役に立てればうれしく思います。ハンコをなくすとかデジタル庁とかいう前にわかりにくい単語の解説を考えた方がよいのではないかと思った次第です。

何事もわかってしまえば簡単なことで、なぜわからなかったかがわからないくらいになるものですが、とっつきはいくら真剣に読んでも頭に入ってきません。悲しいのは七夕と同じで、せっかく理解しても3日で忘れて、来年の年末調整でリセットすることになります。

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