二次相続対策が手薄になる複雑心理、驚きの本音で語ると。

二次相続対策が手薄になる複雑心理、驚きの本音で語ると。

二次相続の心理は複雑です。相続税がかかる資産家にとっても、二次相続の対策はどうしても手薄になりがちです。何件かの二次相続対策に生命保険を活用する案件に関わりましたが、一次相続とは違う難しさがあります。

一次相続の被相続人は自分のこととして、一生懸命勉強し対策を講じます。しかし二次相続対策では、被相続人はどうしても関心が低く、我がこととして理解が進まないケースが多くなります。

■配偶者を生命保険の受取人にすると二次相続がヤバいことに。

◆ 二次相続対策の本音は複雑。

二次相続対策の当事者に本音を聞けば気持ちは分かります。二次相続対策の当事者とは、一次相続の被相続人の配偶者です。次の被相続人となる方です。

この配偶者という立場は相続税で優遇されており、そもそもいくら相続しようがほとんどのケースで相続税を払うことがありません。まして二次相続では、配偶者は相続税を払う立場ではありませんから、さらに相続税には関心が薄くなるようです。

「会社なんて今は儲かっているけど、この先いつ左前になるかわからない。自分の老後に十分な資金をもっておきたい。子供も嫁も金の切れ目が縁の切れ目、あわてて金を渡すことはない。自分が死んだら好きなように分けたらよい。二次相続で相続税がいくらかかろうが難しいことは知らないので後に残ったものが考えればよい。対策なんていらないし手持ちの金は放したくない。」

とまあこんな感じです。考えてみれば10万程度でも子や孫に小遣いとして与えようものなら、喜んでくれて肩の一つももんでくれるかもしれません。

でも暦年贈与で110万円生命保険料として振り込んでやっても、自分が生きているうちにお礼の一つも言われることはない訳です。目先にことを考えれば、相続税対策などと言って持ち金を減らす方が、つまらんと言えばつまらん気持ちもなるほどです。

ここが二次相続の対策における、配偶者の意識の壁です。

■相続争いはお金の奪い合い、生前から争族とは悲しい現実。

◆ 二次相続対策の切り口を考えると。

一次相続ではあれこれ考えて、相続税の納税対策や生前贈与などで節税対策を検討し生命保険契約につなげています。

しかし二次相続対策となると、反応が鈍いというか、乗り気にならない配偶者がいます。このままでは対策が手薄になるので、事情と本音を確認して、二次相続対策の切り口を見つける必要があります。

まだ一次相続が発生しているわけではないですから、配偶者の手持ち資金程度では節税意識という方が無理かもしれません。

この壁を崩すには、相手の気持ちをくんであげることが大事です。そして子や孫の将来を案じる親心を頼みにするしかありません。この辺が二次相続対策の難しさです。

二次相続対策で納税資金が枯渇して、困ることがないよう、人の機微を斟酌した相談相手になることが肝要です。

二次相続対策に絡んでみて思うことは、人間模様は複雑で奥が深いのです。

◆ 二次相続対策が手薄になるもう一つの要因。

今一つ付け加えると、二次相続対策は身近で面倒を見たり指導したりする人が少なくなる傾向があることです。一次相続のときには社長やその取り巻き、お付き合いの税理士が一生懸命アドバイスし準備もするのです。

しかし二次相続ともなると、距離ができてしまいどうしても対策が手薄になります。相続に明るい専門家がいればラッキーですが、そうでない場合は早めに資産税得意の専門家を探してお付き合いをしておくことです。

相続は二次相続の対策の方が大変とは、よく言われることです。それは二次相続対策では配偶者控除が使えないからです。

母親と別居していれば、相続税の小規模宅地等の特例が受けられない場合があります。また相続人自身が住むマンションがあれば、小規模宅地の評価減の適用は無理になります。

いろんな不利な条件が重なり、二次相続の納税資金は思うように節税できない場合がありあります。

二次相続の対策ではとくに保険でも、その他の対策でも早めの対策が功を奏します。

◆ 二次相続対策が手薄に、まとめ。

何と言ってもお金と人間、思うようにはなりません。先々に送り二次相続を棚上げにして対策を怠ると、あとでつけが回ってきます。気がついたときには、生命保険には入れないということもあり得ます。

良かれと思って一次相続で母親に多くの財産を渡していると、二次相続が発生したときに納税資金に困ることもあります。

早くに換金しやすい立地の不動産に買い換えておけば助かるのですが、母親に遠慮していると地価が上がって思惑が外れます。何かと人情がらみの二次相続対策は、一筋縄ではいかないのです。

老後の相続対策は相続税がかからなくても必要な理由。

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