養老保険ハーフタックスプランの功罪について、デメリットより本質メリットを見るべきです。
このスキームはずいぶん昔から活用されてきた養老保険の半分損金プランです。
全損のがん保険がなくなった今となっては人気復活というのもうなずけるところです。社員全員に養老保険をかけます。
養老保険は期間限定の終身保険のようなものですから払った保険料の分だけはきっちり満期保険金が受け取れます。
基本的には養老保険ですから全額資産計上ですが全員付保の条件を満たせば半損が認められます。
条件として契約者:会社、被保険者:従業員、死亡保険金受取人:遺族、満期保険金:会社、解約返戻金:会社、となることが損金参入の条件になります。
経営者にとれば節税をしつつ解約返戻金が会社受け取りというところがミソです。要するに福利厚生の体裁はしていますが社長にすれば全部自分の金です。
会社万が一の資金需要には即座に解約して換金可能なとこがありがたいところです。
この仕組みのネックは死亡保険金は遺族受取りというところです。長年会社に貢献してくれた社員が不幸にも亡くなった場合には死亡退職金として支給するのに何のためらいも起こりませんが、入社半年で仕事もろくに覚えていないのに交通事故で亡くなっても同じく死亡保険金が保険会社から本人の遺族に支払われるということです。
経営者からしてみればそんなアホなことがあるかいなと思う話です。死亡の原因は多々ありますが会社にさんざん迷惑をかけたあげくに事故死と言う例もありました。その遺族も飲んだくれの親父が独りという有り様です。保険金はたちどころに酒代に化けることはわかっていますがこればかりはどうしようもありません。
本人が家族に会社契約で養老保険に入っていることを言っていなければ保険会社は被保険者の死亡を知ることはありませんから、解約すれば解約返戻金を会社に払います。
これは道義的に禍根が残りますから、さてどうしますか。もめにもめて遺族に保険金が支払われた事例を知っていますが、全く人間の汚い部分が脂のように浮き出た話になり、会社の評判もはかばかしくありません。
養老保険のハーフタックスに福利厚生で加入したなら保険金事故が発生したらジタバタせずにルールに従いビジネスライクに処理することです。そこをキチンと理解しないと欲得の争いになります。
普通に考えればルールに従い払ってしまえばよさそうなものですがそれを納得できないと払いたくないのがオーナー経営者というもののようです。
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