相続税改正でも1億3700万までなら相続税を0円にする簡単な手順があります。
平成27年1月1日から相続税の基礎控除が変わりました。同時に直系卑属(20歳以上)への贈与税の税率が緩和されています。基本的に増税となり、この結果多くの方が思いがけない相続税対策に取り組んでおられることと思います。
相続税改正がわかっている元からの資産家は早くから節税対策を怠りなく進めておられる方が多いですから、あわてることは少ないと思います。
しかし基礎控除が下がることで、にわかに相続税の対象に組み入れられた新参者の少額資産家は何をどうすればよいかわからないどころか、そもそも自分に相続税がかかるのかかからないのかすらわからないのが現実ではないかと思います。
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1)効果的な相続税の節税対策は自分で遣い減らすこと。
一番効果的かつ確実安全な節税対策は自分で遣うことです。残すことばかり考えずに老後の生活を豊かにすることに投資して下さい。
時々は子や孫におこずかいをあげて喜ばれつつ世界一周旅行でも世界遺産巡りでもして優雅に暮らしてください。それが一番の節税ですね。
2)自分で管理できない難しい相続税対策に手を出さないこと。
リスクの高い金融商品や不動産に手を出さないこと。相続税対策用の低解約返戻金型生命保険に手を出さないこと。
資産の評価を下げる対策は資産価値を失うリスクがあります。素人はたとえ忘れても安全な対策に限ることです。人任せの相続税対策は失敗の元です。
3)万が一の相続税の納税資金を生命保険で用意すること。
先のことはわからないのが人生、相続税がかからないところまで対策をしても、地価の高騰や景気の変動、宝くじに当たる(あまり確率は高くないですが)等で資産が当初の想定より増加することもあり得ます。
相続税がかかるようになってもキチンと納税できるだけのキャッシュを生命保険で準備することです。
4)贈与したお金で普通の終身保険に入ること。
贈与税の基礎控除の範囲で毎年110万円程度、子である相続人候補に贈与し、被相続人である自分を被保険者とし、子を契約者かつ受取人にした生命保険契約に加入します。
二次相続用にも死亡保険金非課税枠の相続人二人分の1000万枠が使えるように妻を被保険者とし子を契約者かつ受取人にした生命保険契約にも加入しておきます。
相続対策では保険の種類は死亡保険金が約束されている終身保険がベストです。
相続税対策としての保険契約は他の対策とは比較にならないほど安全確実・手間いらずでかつ金額が確定します。
5)妻・子2人で一次相続、二次相続合わせて1億3700万まで相続税0円です。
改正後の相続税で試算すると、シンプル対策だけで1億3700万まで相続税が非課税となります。
この範囲ならあわてず騒がず素人向きに簡単手順で相続税を0円にする対策完了です。
モデルケースとして夫(一次相続・被相続人)妻(一次相続相続人/二次相続・被相続人)子2人(相続人)とし暦年贈与を子2人に対して基礎控除110万の範囲で10年続けたと仮定します。
◆ 一次相続
基礎控除 3,000万
妻・子2人(600万×3人) 1,800万
死亡保険金控除(500万×3人) 1,500万
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①一次相続控除額 6,300万
◆ 二次相続
基礎控除 3,000万
子・2人 1,200万
死亡保険金控除(500万×2人) 1,000万
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②二次相続控除額 5,200万
◆ 暦年贈与(子・2人に10年間)
贈与税基礎控除110万・子・2人 2,200万
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③一次・二次控除額合計 13,700万
単純計算ですが、暦年贈与を10年間(もち戻しがあるので13年間)続けられたとします。これで2200万相続財産を減らせます。
もちろんこの受贈分で 4)で説明した終身保険に加入します。一次相続では①一次相続控除額6300万以外は妻が相続し二次相続に送ります。
二次相続では②二次相続控除額5200万以下のはずですから、これで相続税はかからなくなりそうです。
一次相続と二次相続合わせて資産トータル1億3700万までは簡単手順で相続税0円です。
しかし早期に相続が発生した時は暦年贈与がまだ目標に届いていないので、相続税が発生する可能性があります。
しかし暦年贈与されたお金で契約した生命保険金がその分を埋めてくれることになりますから、マイナスになる事はありません。
相続税改正にあわてたにわか被相続人候補はあちこちのセミナーで聞いてきた相続税対策に手出しをせずにシンプルに簡単手順で対策をしてください。
相続が発生した時もあとに残された新米相続人が処理に困るようなややこしい仕組みに手出しをしないことが大事です。
簡単手順とは申し上げましたが、実際は配偶者に先に相続が発生したり、小規模宅地の評価減が使えなくなったり、資産のほとんどが換金性に乏しい不動産だったりしますから絵に描いたようにはいかないのです。
予定がぶれた時は生命保険は強い味方となります。
暦年贈与と生命保険の単純手順で1億3700万までなら相続税が0円になる事をシンプルな事例でご案内しましたが、実際はこれほど単純なケースはありません。
また考え方によれば相続税は超過累進課税という仕組みですから無理に相続税を0円にしなくても低いほうの税率を適用することが安全な場合もあります。