変額保険のデメリットは長期塩漬けリスクと早期解約リスク。

変額保険のデメリットは長期塩漬けリスクと早期解約リスク。

変額保険のデメリットについてまとめましたが、変額保険が悪い商品だと言っているわけではありません。

生命保険とは言いながら変額保険は、投資型の金融商品に分類すべきところです。変額保険には大きく分けて、養老保険のように満期がある有期型と終身型があります。

先日は証券会社が年金型の変額保険を提案してきましたが、いろいろあります。

■法人保険の間違いやすい経理処理、注意点まとめ。

◆ 変額保険の仕組みと種類。

生命保険は、大きく分けると定額保険と変額保険になります。多くは定額保険で、契約時点で保険金額や解約返戻金額が決まっています。景気や金利の変動に影響されない、保障内容が約束された保険です。

一方の変額保険は、資産運用という側面があります。運用実績に応じて、保険金額や解約返戻金額が変動する保険です。株式や公社債、外国株式などによって運用されます。定額保険の一般勘定とは違い、特別勘定で積極的に運用します。

・変額保険の有期型と終身型。

変額保険には、有期型と終身型があり、有期型は満期保険金額や解約返戻金額の最低保証はありません。終身型は解約返戻金額の最低保証がありません。どちらも基本保険金額を死亡・高度障害保険金額として最低保証があります。

有期型では、養老保険のような感じで満期金があります。運用がマイナスで推移した場合でも死亡・高度障害保険金額は払込保険料累計額を上回ります。しかし満期保険金額は保証されません。

終身型では、終身払いの終身保険の変額のような感じです。死亡・高度障害保険金額を払込保険料累計が越えてくるのが、平均寿命の89歳前後になります。終身型ですから、保険金は確保できています。でも長生きすれば保険としてのレバレッジが小さくなり、最後には逆転する可能性があります。

ただ、変額保険は運用次第で死亡・高度障害保険金額や解約返戻金額はかなり大きくなることが期待できます。長い目で資産運用を考えるのであれば、ほぼ右肩上がりですのでメリットはあります。しかし、社会情勢によっては運用損というリスクに一時的に見舞われる可能性はあります。資産運用の鉄則である「長期」「分散」ということは、変額保険にも当てはまりそうです。

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◆ 変額保険は、インフレリスクの備えに有効。

すでに、物価上昇がいろいろな分野に拡大しています。どこへ行っても、何を買っても値上げラッシュです。インフレになると、モノやサービスの価格が上昇し、より多くのお金を払うことになります。お金の価値が下がってしまうのがインフレです。

定額保険では、保険金額や解約返戻金は保証されます。しかしインフレに合わせて増加することはありません。インフレがすすめば、定額保険はその価値が徐々に下がっていくことになります。

変額保険の強みというかメリットは、インフレに合わせて価値が上がることです。景気がよいときは株式などで運用するので、運用成果も上がります。その結果、保険金額や解約返戻金額は増えていきます。変額なるが故にインフレに強いという特性があります。

◆ 変額保険の塩漬けリスク。

個人で変額保険を契約しても、運用成績にそれほど気がまわることはないと思います。

法人では、変額の終身保険を契約しても、完全に塩漬け状態になります。払込満了になっても、保険積立金はそのままで放置されていることが多く、一体いくらの評価になっているのか興味すらわかないのです。

こういう場合、変額保険のリスクは、気にする必要もないのです。最低保障された死亡保険金だけを、万が一の事業保障と考えておけばよいだけです。変額とはいえ生命保険という頭があれば、運用管理をしようとはしなくなるのは法人でも個人でも同じことです。

とくに法人で契約した場合、変額保険も生命保険と思えば、そのまま塩漬けになることが往々にしてあると言うことです。

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◆ 変額保険の早期解約リスク。

変額保険はリスクも大きいのですが、主なものは早期解約リスクでしょうか。10年以内に解約しなければならないような場合、元本割れのリスクは覚悟しなければなりません。

長期的にも資産運用と考えれば、解約返戻金は保証されません。やはりハイリスク・ハイリターンと言えると思います。

当然ながら運用先は株式や投資信託ですから、景気の影響があります。昨今の株の乱高下や為替の不安定化は、運用成績を不安定にします。相続対策としては運用次第で評価減が可能ですから名義変更するときは有利に働きます。

しかし相続税の納税資金としてはやはり、計算ができないという点では不適格と言うべきでしょう。

・変額保険は逆目のリスク。

投資先の選定など、変額保険独特の知識と判断が必要になります。運用管理を考えるなら、やはり投資の素人には無理があるように思います。

もともと変額保険に加入するとき、どれだけの人が投資の自覚があるでしょうか。

7%の運用実績があると言われれば「絶対値上がりしますよ。」と言われて株を買うのと同じことです。投資ですから損する可能性もあるのです。何事も逆目に振れて火傷をするのが怖いようなら手出しをしないことです。

変額保険程度では、かつての為替のオプションのような経営を揺るがすような損失にはなりません。でも資産運用と考えるならリスクは侮れません。

かつてのバブル前に予定利率のよい終身保険から、欲ボケで変額保険にシフトして泣きを見た方の話は今でも耳にします。あくまでも変額保険は自己責任です。一般勘定とは異なり、特別勘定で運用されその結果が報告書で届きます。

◆ 変額保険募集人資格が必要。

変額保険を販売するには、変額保険募集人資格が別に必要です。保険代理店にとって変額保険のリスクとデメリットをきちんと説明し、フォローできているケースはまれなのではないかと思います。

生命保険会社の募集人は、取扱商品のデメリットのついてはほとんどお茶を濁す程度です。

デメリットの説明もしますが、メリットの強調に時間を割くのはビジネスですから仕方ありません。ただ金融商品取引法に規制される説明責任を果たすことは必須です。

◆ 変額保険のデメリット、まとめ。

投資のど素人に対して、どこまで真摯に説明責任を果たす気があるかと言うことは問われて当然です。今後老後資金を活用する目的で変額保険という選択肢も出てくるでしょう。どうも一抹の危惧を感じているのは私だけでしょうか。

カタカナ生命保険会社がカタカナ名前で変額保険を扱っていたりします。しかし資産運用がお得意でなければ、変額終身保険の死亡保障を買うつもり以外はおすすめしません。

また、変額保険は、生命保険契約者保護機構の保証の対象外です。これは定額保険と区別して、リスク管理しますから当然です。

リスクを取って資産運用をするなら、変額保険より投資効率がよい株式や投資信託を検討するということもありそうです。あくまでも資産運用と保障の両方を考えている場合に、変額保険は意味があると思います。

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