大腸ポリープの病理診断で「がんかもしれない」と言われた日|上皮内がん体験と保険の現実。

がん保険、上皮内がんはあきらめなさい。

生きることをあきらめなさいと言っているのではありません。
保険金を手にすることをあきらめなさいと申しあげているのです。

この話は、上皮内がんの医学的な解説ではありません。

実際に病理検査を受け、「がんかもしれない」と言われたとき、
人はどのような気持ちになるのか。そして、上皮内がんと診断された
後に保険の契約内容を確認して愕然とした体験について書いています。

保険営業を長く経験していても、自分が当事者になると話は別でした。

◆ がんかもしれないと言われたときの恐怖。

上皮内がんと悪性新生物の違いを正確に理解している人は、
それほど多くありません。
人間ドックで精密検査を勧められた段階では、まだどこか他人事です。

私の場合、人間ドックで便潜血を指摘され、大腸内視鏡検査を受けました。

検査中にポリープが見つかり、入院して切除することになりました。
ポリープがある程度の大きさだったり、切り取りにくい型だったりすると
入院して切除になります。

退院する日には、「病理検査の結果が出るまで断定できないが、がんの可能性も
ある」と説明を受けました。
保険営業として数多くの契約を扱ってきた私でも、その言葉にはやはり動揺しま
した。

病理検査のために組織を採取すると話が変わります。

結果が出るまでの間は、インターネットを検索し続け、AIに質問し、
さらに本屋で医学書を立ち読みし、人の話にまで耳を傾けるようになります。

例えば、「大腸ポリープ がん」「上皮内がん 再発」「大腸がん 生存率」
そんな言葉ばかりを追いかけていました。

自分では平静を装っていても、頭の中はそのことばかりになります。

そして「がん」という言葉が現実味を帯びてきた瞬間、目の前が暗くなるのです。

自分のケースでは、前がん状態という判定でした。まだ細胞の異形は認められる
が、まだがんとは診断できない状態だそうです。

再度、内視鏡でポリープの下部組織を採取し、病理検査の結果大丈夫と
いう診断になりました。

◆ がんになると人生の見え方が変わる。

検査結果でがんと言われると、人は急に現実的なことを考え始めます。

家族のことや子どもの将来のこと、さらにまだまだ残っている住宅ローンのこと
が気になりだします。そして団体信用生命保険のことを思い出します。

これまで当たり前だった日常が急に不安定なものに思えてきます。
世の中の景色まで変わったように感じるのです。

保険営業として数多くのお客様に保険の説明をしてきましたが、
自分が当事者になると冷静ではいられませんでした。

どれだけ知識があっても、「自分ががんかもしれない」という恐怖は別物なのです。

◆ 上皮内がんとわかって少しだけ安心。

幸いにも早期発見ですので、内視鏡による切除で対応できる状態でした。

正確には、「上皮内がん」ではなく「前がん病変(腺腫・異形成)」の可能性が高い
と思いますが、気分は同じでした。

上皮内がんとは、がん細胞が上皮の中にとどまり、周囲へ浸潤していない段階の病変です。

再発リスクも比較的低いと説明を受けました。
もちろん不安が完全になくなるわけではありません。

それでも悪性新生物ではなかったということで、ようやく気持ちが落ち着いてきます。

ところが今度は別の問題が気になり始めます。

それは、自分が契約している保険です。
例えば、がん保険はどうなっていたか。
そして診断給付金は出るのか、また入院給付金は対象になるのか。
そんなことが知りたくなります。

契約して間もないなら90日免責は大丈夫かということもあります。

提案書や約款を引っ張り出して読み始めることになります。
そして、多くの人がそこで初めて「上皮内がんは保障対象外」という
条件を見つけるのです。

■告知義務違反のリスクと知っておきたい告知のさじ加減。

◆ 上皮内がんは保険では保障されないことがある。

上皮内がんは、上皮内新生物とも呼ばれます。
一般的には早期発見の段階で見つかることが多く、
保険商品によっては悪性新生物と区別して扱われます。

そのため、昔のがん保険では、上皮内がんの診断給付金を支払わない商品や、
給付額を減額する商品が少なくありませんでした。

最近では上皮内がんでも給付対象となる商品がありますが、
古い契約では診断給付金が支払われないケースがあります。

医学的には「がん」と説明されても、保険では「給付対象外」
ということが起こるのです。

これが多くの人にとって理解しにくいところです。

■がん保険は採算割れ、それでも不要と言えない3つの深刻な理由。

◆ 医学的にはがん、保険では給付対象外。

本人からすれば、すでに十分ながん患者の気分を味わっています。
病理検査の結果を待つ不安も経験しています。
家族の将来を心配し、眠れない夜も過ごしています。

それなのに保険では給付対象外と言われる。
感情的には納得しにくいものがあります。

もちろん契約内容に従えば正しい処理なのですが、
契約者の感覚と保険会社の考え方には大きな隔たりがあります。

ここが保険という商品の難しいところです。

◆ あきらめきれない上皮内がん、まとめ。

この経験をすると、保険嫌いになる人もいます。
逆に保険の仕組みを徹底的に勉強する人もいます。

どちらにしても、自分が当事者になったことで初めて見える景色があります。

保険は契約する時には他人事です。
しかし病気になると、約款の一行一行が急に重みを持ち始めます。

上皮内がんは比較的早期に発見されることが多く、治療成績も良好です。
それでも「がんかもしれない」と言われたときの恐怖は、
本当に経験した人でなければわかりません。

保険営業として長年仕事をしてきましたが、
そのことだけは身をもって知ることになりました。

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