相続登記で改製原戸籍がいる理由がわからない。

相続登記で改製原戸籍がいる理由がわからない。

相続登記を自分でやるときに、一番疑問に思ったことがあります。

被相続人の出生が記載されている戸籍謄本があるにもかかわらず、なぜわざわざ原戸籍(改製原戸籍/かいせいはらこせき・かいせいげんこせき)を遡(さかのぼ)らなければなないのかということです。

素人登記では、そもそも原戸籍とは何ぞやです。

相続登記に必要な書類と手順を、実際にやった素人がわかりやすく。

◆  相続登記で原戸籍が必要な理由。

改製原戸籍は現在の戸籍謄本と連続していないということが、そもそもの原因です。

それなら改製するなよと言いたいところですが、戸籍が改製される前と後とで、内容に違いがある可能性が残るため、改正前の原戸籍まですべてを調べて、被相続人に隠れた相続人がいないかどうか確認する必要があるそうです。身に覚えがなくても調べるそうです。

このため相続登記では、被相続人が登場する改製原戸籍はすべて上げなくてはならないのです。その理由は戸籍の改製前に死亡されたり、結婚されて除籍になったり、離婚、養子縁組や認知をなどの記録は、改製後の戸籍に引き継がないからだそうです。

それでは何のための戸籍かという議論はさておき、改製後の新しい戸籍に引き継がれない内容がある以上、原戸籍を確認する必要があるというわけです。

◆  改製原戸籍の連続性を確認する見方。

相続登記の場合では、被相続人に子が生じる可能性がある15歳ころまでさかのぼって、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改正原戸籍)をすべて提出して、相続人を確定する必要があります。

実際は被相続人が記載されている過去の戸籍は改製原戸籍を含めてすべて揃えます。

まったく素人にはここがややこしいところです。戸籍が改製されたときと婚姻などにより戸籍が独立したときに新たな戸籍が編成されますが、この戸籍の連続性をたどります。その結果何通もの原戸籍をとることになります。

戸籍の改製の歴史を見ると、以下のようになっています。

・大正4年式戸籍、戸主を中心とした家単位の戸籍

(この間の戸籍は昭和改製原戸籍)

・昭和23年式戸籍、戸主を廃止し筆頭者、夫婦・子単位の戸籍

(この間の戸籍は平成改製原戸籍)

・平成6年式戸籍、戸籍のコンピューター化

(現在のコンピューター横書き戸籍)

たとえば、昭和23年以前に生まれた方なら現在のコンピューター化された戸籍、コンピューター化される前の平成改製原戸籍、婚姻により独立する以前の昭和改正原戸籍、家単位の大正4年式戸籍までさかのぼる必要があります。大正4年式の戸籍には、江戸時代の高祖祖父にあたるご先祖様も出てきますが、それには被相続人が孫として記載されているのです。

これは一回説明を聞いてもわかりませんから、原戸籍を管理している役場の窓口で相続登記という利用目的を説明します。そうすれば、必要な戸籍を用意してくれます。

考えてみると怖い話ですが、改製原戸籍を確認したら自分の父親に隠し子があったとか、離婚歴があり異母兄弟がいるなどということも赤裸々になります。そうなると相続問題は混とんとし、未だ見ぬ相続人探しから始めるしかありません。

■自分でやる相続登記の抜け漏れ想定外。

◆  相続登記で改製原戸籍がいる理由、まとめ。

相続登記を終えると、ご先祖様を含めた家系図が書けるようになります。

勉強になるというのは登記手続きだけでなく相続に関する知識も身につくからです。相続という機会がないと相続人は自分のルーツに興味をもつことがそもそもありません。

ルーツを知らなくても、仏壇にご先祖様の位牌がなくてもこの世は生きていけますが、やはり人として自分がこの世に生まれた流れ、ご先祖様と目に見えない細い糸でつながる偶然を知ることも意味があると思うところです。

改製原戸籍は行政実務の改革から起こった遺物ではありますが、当分廃棄することはできない重要な戸籍資料です。昔の役人が筆で書いたような戸籍も出てきます。達筆で読めない文字もあります。これが歴史なのだと思ったことでした。

相続登記を無事に終えると新しい所有者に固定資産税通知書が届くことになります。不動産を所有すると税金だけでなく管理上の手間やコストも発生します。境界確認の立ち合いなどという雑務も発生するかもしれません。相続登記とは不動産管理の責任の相続なのかもしれません。

■相続登記はどこで?登記簿は全国、登記申請は地元の法務局。

住民票の除票と戸籍附票の除票とは、わかりやすく。

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