贈与税は高すぎるという誤解、あおり商法のカモにならないために。

贈与税は高すぎるという誤解、あおり商法のカモにならないために。

贈与税は高すぎると思い込んでいませんか?

相続税対策のセミナーなどに参加すると、相続税と贈与税の税率表を大伸ばしで見せられます。

どこが主宰するセミナーであろうと、だれが執筆した書籍であろうと、目的は顧客誘引でありビジネスです。真実から離れた、あおり商法がまかり通っています。無料でありながら公平に情報提供してくれるセミナーは、限られていると思います。

逆の意味で、正直一辺倒のセミナーではおもしろくもないです。ビジネスとしてお金も動きません。ただこれは買う側からすれば、無料セミナーは大きな嘘の構図が隠れています。気を付けなくてはならないところです。

■贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

◆ 贈与税の税率話法には大きな嘘。

贈与税は、相続税の補完的な役割があります。贈与税がなければ相続税は成り立ちません。なぜなら生前に財産すべてをあげてしまえば、相続税は意味がなくなりますから。

相続税を機能させるため、相続税より厳しい税率の贈与税があるのです。生前にまとまったお金を贈与するときは、相続税より厳しく課税しますよ、ということです。

ただし贈与税にも少額の場合の緩和措置として、110万の基礎控除がもうけてあります。少額の贈与を毎年繰り返し、110万の基礎控除を有効につかうのが暦年贈与です。

贈与税の税率も相続税の税率と同じで、税率表だけを見るとバカ高い税率が目立ちます。仕組みは超過累進課税という、一定の金額を超えた部分だけに上の枠の税率が課せられるのです。

贈与した金額に、まるまる贈与税率表の税率がかかるわけではありません。
贈与税の税率に関する勘違いがここから始まります。

贈与税の計算を実際にしてみると、基礎控除もありますからそれほど高い
税率になるわけではないのです。

・具体的な計算例。

例を挙げていえば、基礎控除の110万を引いた残りの課税金額が400万円だった場合は400万円全体に対して20%の贈与税率がかかるわけではありません。400万円のうち200万円に対して10%、100万円に対して15%、残りの100万円に対して20%かかるようになります。

この計算を簡単にするために、速算表があり税額の控除額があります。

別々に計算して合算した税額と、速算表で400万に税率をかけて控除額を引いた答えが同じになります。自分で電卓を叩いてみてください。

この場合基礎控除を含めて510万贈与して、贈与税は55万です。実質の贈与税率にして10.78%になります。

悪名高き贈与税の税率でも、実際はそれほどでもない税率であることがわかると思います。

■生前贈与の注意点とデメリット、相続税対策の失敗と老後の後悔。

◆ 贈与税率、あおり話法の具体例。

たとえばある書籍には『単純に現金を生前贈与しようものなら、金額が増えれば増えるほど、その税金は驚くほど高額になります。贈与税の最高税率も相続税と同じように55%まで上がっており、贈与額が3,000万を超えた段階で、受贈者の手取りはほぼ半分以下になってしまうのです。』とあります。

知らない人が読めば、大変なことの様に思ってしまいます。完全なあおり話法です。確かに3,000万円超の贈与税率は贈与税率表で55%になっています。しかし超過累進課税という仕組みですから、枠を超えた分だけに高い税率が課せられるのです。

税額を調整するために、税額控除も設けてあります。110万円の基礎控除もあります。正しくは3,000万円の贈与税は、一般の贈与で計算すれば39.83%です。

さらに20歳以上の直系卑属への贈与であれば34.52%となります。一度計算してみてください。この贈与税率が高すぎると思うか、それほどでもないと感じるかは、人それぞれです。でも手取りが半分以下になるというのは、明らかな嘘と言えると思います。

それよりも3,000万円も一度に贈与するなんてことは、誰もしません。暦年贈与で分割する訳ですから、あり得ない税率であおっているとしか思えないところです。

たとえば多めの贈与をする場合でも500万の場合、一般贈与で贈与税率10.6%、20歳以上の直系卑属への贈与であれば贈与税率9.7%にすぎません。

◆ 税率表の解説。

(平成27年1月1日施行、一般的な贈与例であり親または祖父母から20才以上の子へ贈与する場合は贈与税の税率が変わります。)

贈与額から(一般贈与財産の速算表)
110万円を引いた額    税率    控除額
200万円以下      10%    なし
300万円以下      15%  10万円
400万円以下      20%  25万円
600万円以下      30%  65万円
1000万円以下     40% 125万円
1500万円以下     45% 175万円
3000万円以下     50% 250万円
3000万円超      55% 400万円

贈与額から(特例贈与財産の速算表・直系20歳以上)
110万円を引いた額    税率    控除額
200万円以下      10%    なし
400万円以下      15%  10万円
600万円以下      20%  30万円
1000万円以下     30%  90万円
1500万円以下     40%    190万円
3000万円以下     45% 265万円
4500万円以下     50% 415万円
4500万円超      55% 640万円

贈与税がかかっても、税率を下げるためには、少額をこまめに贈与する価値が出てくるのです。手間と時間はかかりますが、一番確実で贈与税率を抑制することができます。

贈与税の税率表では、いかにも400万を越えれば一気に税率が10%も上がるように見えますがうまくできています。実際に計算すると、400万の税額より435万の税額のほうがお安くなったりしますのでお得な金額のラインを選ぶようになります。決して急な階段のような形にはなっていません。

贈与税は基礎控除もあり、超過累進課税により思いのほか税率表で見るような高い税率にはならないのです。

■ローンの援助と生命保険の名義変更はみなし贈与、贈与税が。

◆贈与税の税率は高すぎるという誤解、まとめ。

実はこのあおり話法が、あふれかえっているのです。贈与税や相続税の税率表で超過累進課税の仕組みを説明せずに、税率部分だけを強調することがまかり通っています。セミナー受講者は、最高税率だけを強調されて不安心理をあおられます。

知り合いの社長は、数十億の資産家です。相続税に怯えつつ、あの手この手に手出しをしていました。税理士法人の専門家に相続税を計算してもらっているにもかかわらず、自分の相続税は55%かかると信じています。財産の半分以上を税金にもっていかれると思い込んでいるのです。

相続税を計算しても、頭の中には相続税や贈与税の最高税率が印象として残ってしまうようです。それで相続税の節税対策で不動産投資をして、評価減に走ろうとします。

・節税対策より納税資金対策。

この社長に、一次相続と二次相続の配偶者控除と基礎控除、生命保険控除などをきちんと説明します。そして相続税にかかる本当の相続税率を説明すると、自分の所得税よりはるかに安い税率であることに気が付き、安堵するといった有様です。

何度も聞いていても、分かっていないのです。「これやったら相続税を納税したほうが得やがな!」その通り、節税対策より納税資金対策です。そこまで言わないと真実が見えないと言った現実の例もあります。

贈与税率が高くないと言っても、贈与税はかかります。それゆえどしどし暦年贈与をして節税を図るべきです。贈与税の税率が高すぎると思い込まずに、実際の贈与税率を見て比較検討するようにしてください。

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