生保の営業部長がエラクない理由。

「エラクない」とは権限が大きいという意味ではなく、
実際には中間管理職として板挟みになる立場を指しています。

別に生保の営業部長に恨みがあると言うわけではありません。

生命保険を売るという仕事は、人の人生にかかわる重い仕事です。
一つの契約で救われるかもしれない家族がいます。

それを前線に立ち、指揮する仕事が営業部長です。
そういう意味で営業部長は、営業職員よりはるか責任が重くつらい仕事なのです。

保険営業への転職、踏み出す前に、売る側と買う側を経験した私の結論。

◆ 生保の営業部長は支部長。

ここで言う生保の営業部長は、要するに支部長(保険会社によります。)です。
某国内生保では何とか営業部というのが、一つの支部単位ですから、
その責任者は営業部長というわけです。

立場上大変なのは、組織的な板挟みとノルマに追われているからです。
実際は上に支社長という上司がいて、現場の中間管理職です。
上司と営業職員に挟まれて、成果を出していかなくてはなりません。
現場で見ていると、その負担の大きさを感じることが少なくありませんでした。

全国に支社があり、営業部がありますから、数年で各地へ転勤になります。
子供が大きくなると家族連れで転勤はできないですから、
知る限りほぼ単身赴任です。

今はどうか知りませんが、当時の営業部長は休みの日にも支部に出勤し
飾りつけや書類の整理、グラフ作成などをされていました。
体調不良になってもなかなか医者に行けないと
嘆いているのを聞いたこともあります。

営業職員を叱咤激励するために飲みに連れて行けば、
ほぼ営業部長持ちで、出費も相当なものでした。

締切が近づいて、数字が未達であれば支社に呼び出されます。
そうなると翌朝の朝礼が長引きます。リーダーの打ち合わせが始まります。

肩書は営業部長であり、一般的には「部長」という肩書から大きな権限を持つ
管理職をイメージしがちですが、生命保険会社では営業現場を預かる
中間管理職という位置付けです。

ある銀行では調査役とか支店長代理とか、役職も意味不明を含めて色々です。
商売では、肩書きがものを言うこともありますから営業部長に意味がないことも
ないわけです。

◆ クロージングに肩書効果。

日本人は概して権威に弱い面がありますから、営業現場では肩書が安心感や
信頼感につながることがあります。そういう意味で営業部長の肩書きはクロージ
ングに効果を発揮します。

わざわざ部長さんにお越し頂いたという負い目ができ、何となく入らんと悪いよ
うな気がするという心理です。

お世話になった訳でもなく、直に転勤になる営業部長ですが、わざわざ
来ていただいたという負い目が顧客の側にできるのですね。

◆ 生保の営業部長、まとめ。

現場の直接の管理者が、生保の営業部長です。
しんどい仕事であるという理由があります。

生保の世界は営業職員の定着率2割以下という実状です。
コロナ禍を経て改善されたとは聞きますが、やめる人と新規採用の
バランスを取りながら、組織をまとめる難しさは想像を超えていると思います。

保険を売ることが目的ではありますが、成果報酬に特化した過酷な業界です。

その組織をまとめ上げ、尻を叩いて成果を出させなくてはならない仕事が
営業部長です。甘いことだけで結果は出ませんが、厳しくしすぎると
今や社会問題にまでなります。

保険営業の成果は営業職員個人の努力だけで決まるものではありません。
その背後には、組織を支える営業部長や管理職の存在があります。
現場を経験した立場から見ると、
その苦労は決して小さなものではありませんでした。

生保の営業部長という立場は、今後さらに難しくなるように思います。
しかし営業職員をギリギリまで追い込んでくれる営業部長がいなければ、
生命保険のように難しい商品が簡単に売れるはずがないということです。

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