保険営業はオンライン化でなくなるのか?AI時代にも対面営業が残る理由。

インターネットによる保険比較サイト、オンライン相談、AIによる情報提供など、
保険を取り巻く環境は大きく変化しています。

かつては保険営業からしか得られなかった情報も、今ではスマートフォンひとつ
で調べられる時代です。

そのため、「保険営業は将来なくなるのではないか」
という意見を耳にすることがあります。

しかし、長年法人保険の現場に関わってきた経験から言えば、
保険営業の仕事がすべてオンラインに置き換わるとは考えていません。

むしろデジタル化が進むほど、人が担うべき役割がより
明確になっているように感じます。

この記事では、保険営業とデジタル化の関係について考えてみます。

◆ 保険商品の情報は簡単に手に入る時代。

昔は保険の情報を得る手段が限られていました。
保険会社のパンフレットを読むか、営業担当者から説明を受けるしかありません。

しかし現在は状況が大きく違います。保険比較サイトやYouTube、SNS、
AIチャットサービスさらに保険会社のホームページなどから、
ある程度の情報を入手できます。

保険料の比較だけであれば、営業担当者に会わなくても調べることが可能です。

商品説明そのものの価値は、以前より低下していると言えるでしょう。

◆ それでも保険営業が必要とされる理由。

一方で、保険加入を検討する人が本当に知りたいのは、
商品説明だけではありません。

多くの人は、保険を考えるときの本質的な部分について知りたいのです。
たとえば、自分に保険が必要なのか、どの程度の保障が必要なのか、
あるいは今加入すべきなのかそして本当にこの判断でよいのか
という不安を抱えています。

保険は形のある商品ではありません。
加入した瞬間に便利さを実感できるものでもありません。

だからこそ、最終的には誰かに相談しながら判断したいという心理が働きます。

◆ AIは情報を提供できても責任は取れない。

近年はAIの進歩によって、保険に関する質問にも、
かなり正確な回答が得られるようになりました。

しかしAIは判断材料を提示することはできても、
最終的な責任を負うことはできません。

例えば、「この保障額で本当に大丈夫でしょうか」
という質問に対して、AIは一般論を説明できます。

しかし、その人の家族構成や会社の状況、将来の計画まで踏まえたうえで、
「私はこう考えます」と責任を持って助言することはできません。

先のことは誰にもわからないですから、その選択が正解かどうかは
提案時点では判断できません。
しかし、契約者は経験値としてのアドバスを求めます。

それゆえ、この部分は今後も人の役割として残ると考えられます。

◆ オンライン商談の限界。

ZoomやTeamsなどの普及によって、保険相談もオンラインで行えるようになりました。実際、既契約者との打ち合わせや契約内容の確認であれば、オンラインは非常に便利です。移動時間も不要ですし、遠方のお客様とも面談できます。

しかし新規のお客様との関係づくりとなると話は別です。

人は相手を判断するとき、相手の表情や声の調子、立ち居振る舞いを見ています。
さらには、清潔感や雰囲気から多くの情報を無意識に受け取っています。

オンラインではこうした情報がどうしても限定されます。

保険営業では商品そのものよりも、営業担当者への信頼が重要になる
場面が少なくありません。

そのため、初対面では対面営業が有利なケースが今でも多いのです。

◆ デジタル化で消える仕事と残る仕事。

保険業界でもデジタル化によって不要になる業務があります。

例えば、資料送付・契約内容照会・保全手続き・保険料試算
などは今後さらにAIによる自動化が進むでしょう。

一方で、顧客の悩みを聞いたり、本音を引き出したりは人間の仕事です。
顧客の不安を整理するとか、意思決定を支援するといった仕事は
簡単には置き換えられないと思います。

保険営業の役割の一つは、顧客に見えていないリスクに気づかせることです。
それにはAIによる標準的な解説より、経験にもとずく親身なアドバイス
効果を上げます。

保険営業が担う価値は、商品説明から相談支援へと移行しているのです。

◆ 保険営業の本質は変わらない。

コミュニケーションの技術は、刻々と変わります。営業手法も変わります。

しかし保険営業の本質は大きく変わっていません。
保険契約は最終的に人が決断するものです。
その決断には安心感や信頼感が大きく影響します。

私はこれまで、「保険はどれに入るかより誰から入るか」という場面を
数多く見てきました。

もちろん商品内容は重要です。しかし同じような商品で迷ったとき、
最後に選ばれる理由は営業担当者への信頼であることが少なくありません。

◆ AI時代にも対面営業が残る理由、まとめ。

保険業界ではデジタル化が進み、情報収集や手続きの多くが
オンラインで完結するようになりました。

今後もAIやシステムによる効率化は進むでしょう。
しかし保険営業の役割がすべてなくなるとは考えにくいと思います。

なぜなら保険営業の本質は商品説明ではなく、人の不安や迷いに向き合い、
意思決定を支援することにあるからです。

オンラインは便利な手段ですが、それだけで人間関係や信頼関係まで
代替できるわけではありません。

デジタル化が進む時代だからこそ、保険営業にはこれまで以上に
「人として信頼される力」が求められるのではないでしょうか。

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