事業承継の失敗事例は、経営権の移譲ができない意外な理由。
経営権と後継者の嫁ということが、事業承継での思いがけないリスクになることがあります。オーナー経営者は、我々が思いもよらない心配をします。
■経営権移譲の難しさ、アドバイスと口出しの違いがわからない経営者。
◆ 事業承継の壁は人間不信。
思いがけないことが原因で、事業承継が進まないばかりか、果ては失敗事例になってしまうことがあります。息子を後継者にする以外に選択肢はないのですが、なかなか事業承継・相続設計が進まないケースがあります。
さっさと対策して株を渡せばよいものを、何を悩んでいるかと思いきや、先行きの心配が半端じゃありません。
権限の移譲ができないだけではなく、人間不信が根底にあることがあります。まさかと思うような後継者の嫁リスクは、実際の悲劇の事例として経験があります。
◆ 後継者の嫁リスクの真実。
息子、すなわち後継者の万が一を恐れているのです。
後継者がいなくなることをではなく、会社の経営権を息子の嫁やその家族に取られることを危惧しているのです。
そりゃ後継者万が一のとき、その配偶者が相続するのは当たり前です。しかしそれでは、経営の実権を失うことになる現経営者は、たまらないというわけです。
もしもそうなったとき、息子の嫁から会社の株を返してもらうには、多額の資金がいります。かといって縁が切れたからといって、他に売りさばかれても困るわけです。
だから最後まで、評価の高い自社株を過半数以上は手放さなくなるのです。孫でもいれば、多少事情は変わるかもしれませんが、経営権という点では同じリスクになります。
これが事業承継設計のときに当たる意外な壁です。ある経営者などは、息子がつきあっている彼女の一族を興信所で調べ上げて、寝てもさめても心配していました。資産があるということは、その分だけ悩みも多く、心配も尽きないということです。
■事業承継のまさかと後継者の力量不足が会社を揺るがすリスク。
◆ 事業承継の失敗事例、意外な理由、まとめ。
事業承継をすすめようとすると、想定外の障害が立ちはだかることがあります。その多くは妄想であり取り越し苦労ですが、どうすることもできない思い込みなのです。
そういうときは、誰が何を言おうと、経営者は聞く耳をもちません。考えてみれば、それも一つの定めの内なのかもしれません。
人は皆、あることないことに妄想を抱きます。そのほとんどは杞憂に終わるのですが、当人は至ってまじめに考え、真剣に心配します。その結果、自分の体力や気力の衰えを棚に上げて、経営権の移譲にしても、まだまだ無理だと考えてしまいます。
自分だって、何もわからず経営を始めた時期があることを考えれば、同じことです。後継者には後継者の運命があります。先行き短い身の上では、それについて回ることはできません。
会社をつぶすか発展させるか、それはその後の後継者の人生のなかで、巡りくる選択の結果です。一人の人格をもった後継者のたどる道です。他者が介入しえない運命であり、どうすることもできないものなのです。
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