変額保険にだまされない方法とは言いましたが、変額保険が悪い商品だと言っているわけではありません。
変額保険は生命保険とは言いながら投資型の金融商品に分類すべきところです。変額保険には大きく分けて養老保険のように満期がある有期型と終身型があります。
先日は証券会社が年金型の変額保険を提案してきましたがいろいろあるにはあります。
法人で変額の終身保険を契約しても完全に塩漬け状態になります。払込満了になっても保険積立金はそのままで放置されており一体いくらの評価になっているのか興味すらわかないのです。
こういう場合は変額保険のリスクは気にする必要もないのです。最低保障された死亡保険金だけを万が一の事業保障と考えておけばよいだけです。変額とはいえ生命保険という頭があれば運用管理をしようとはしなくなるのは法人でも個人でも同じことです。
変額保険も生命保険と思えばそのまま塩漬けになると言うことです。
変額保険はリスクも大きいのですが、主なものは早期解約リスクでしょうか。特に有期型の変額保険の場合、元本割れのリスクは覚悟しなければなりません。資産運用と考えれば解約返戻金は保証されませんからハイリスク・ハイリターンです。
当然ながら運用先は投資信託ですから景気の影響も為替の影響もあります。昨今の株の乱高下や為替の不安定化は運用成績を不安定にします。相続対策としては運用次第で評価減が可能ですから名義変更するときは有利に働きます。しかし相続税の納税資金としてはやはり不適格と言うべきでしょう。運用管理を考えるなら投資の素人には無理があります。
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もともと変額保険に加入するときどれだけの人が投資の自覚があるでしょうか。
7%の運用実績があると言われれば「絶対値上がりしますよ。」と言われて株を買うのと同じことです。投資ですから損する可能性もあるのです。何事も逆目に振れたら火傷をするようなら手出しをしないことです。
変額保険程度ではかっての為替のオプションのような経営を揺るがすような損失にはなりませんが資産運用と考えるならリスクは侮れません。
かつてのバブル前に予定利率のよい終身保険から欲ボケで変額保険にシフトして泣きを見た方の話は今でも耳にします。あくまでも変額保険は自己責任、一般勘定とは異なり特別勘定で運用されその結果が報告書で届きます。
当然、生命保険契約者保護機構の保障の対象外でもあります。やるならば子を被保険者にして親が契約者、保険金受取人にしてください。若くて健康な被保険者の方リスクが低いですから有利に働くはずです。
変額保険を販売するには変額保険募集人資格が別に必要です。保険代理店にとって変額保険のリスクとデメリットをきちんと説明しフォローできているケースはまれなのではないかと思います。
生命保険会社の募集人は取扱商品のデメリットのついてはほとんどお茶を濁す程度です。
デメリットの説明もしますがメリットの強調に時間を割くのはビジネスですから仕方ありません。ただ金融商品取引法に規制される説明責任を果たすことは必須です。
投資のど素人に対してどこまで真摯に説明責任を果たす気があるかと言うことは問われて当然です。今後老後資金を活用する目的で変額保険という選択肢も出てくるでしょうが、どうも一抹の危惧を感じているのは私だけでしょうか。
カタカナ生命保険会社がカタカナ名前で変額保険を扱っていたりしますが、資産運用がお得意でなければ、変額終身保険の死亡保障を買うつもり以外はおすすめしません。