保険営業は自由に営業できない|SNS・独自資料・情報発信が制限される理由。

保険営業というと、自分の裁量で自由に営業できる仕事というイメージを持つ人
がいます。しかし実際に保険会社へ入ると、その印象は大きく変わります。

私は保険会社に所属していた経験がありますが、
営業活動には想像以上に厳しいルールがありました。

独自資料の作成は禁止です。またSNSやブログなどの情報発信も制限されます。
顧客向けメールの内容にも注意必要です。(保険会社によっては検閲があります。)

営業なのですから、自分なりの工夫で顧客に提案したいと思うものです。
しかし保険業界では、それが簡単には許されません。

保険営業への転職を考えている人に向けて、保険会社の営業現場で感じた
自由のなさ」と、その理由について経験をもとに解説します。

■保険営業はやめた方がいい?向いている人・向いていない人を元営業が解説。

◆ 保険会社の営業は、独自資料が不可。

保険会社に所属すると、顧客へ提示する資料は基本的に
会社が承認したものだけになります。

前職でExcelやPowerPointを使って提案資料を作っていた人ほど、
この実態に驚くかもしれません。
保険会社では独自比較表や独自提案書の作成は禁止されていることが一般的です。

営業としては、「この図の方がわかりやすい」「この比較表の方が説明しやすい」
と思うことが少なくありません。
保険営業に転職して驚いたのは、営業テクニックにおける自由のなさでした。
保険営業は、持ち前の企画力が活かせないという点に十分な注意が必要です。

しかし保険商品は金融商品です。

営業担当者が独自に資料を作ると、意図せず誤解を招く説明になる可能性があり
ます。そのため提案資料は本社のコンプライアンス部門が確認したものしか使用
できないケースがほとんどです。

営業の立場からすると非常にもどかしいのですが、契約者保護という観点ではや
むを得ない面もあります。

◆ なぜ保険営業は自由に営業できないのか。

保険会社が営業活動を厳しく管理する背景には、保険業法があります。

保険商品は金融商品であり、顧客保護の観点から募集行為には
厳しいルールが設けられています。

とくに保険業法第300条では、虚偽説明、・誇大説明、誤解を招く比較説明
などが禁止されています。

そのため保険会社は営業職員による独自資料や独自比較表の利用に慎重です。

◆ SNSやブログによる情報発信も制限。

保険営業に転職して驚いたことの一つが情報発信の制限です。

現在はSNSが営業活動に活用される時代です。
しかし保険会社では、
・ブログ
・X(旧Twitter)
・Facebook
・YouTube
・その他SNS
などについて細かなルールがあります。
場合によっては事前承認が必要になります。

保険営業としての情報発信は、当然規制対象です。

保険商品について誤った説明を発信した場合、
会社だけでなく顧客にも影響を与えるからです。

そのため前職でWebマーケティングや情報発信を得意としていた人ほど
窮屈さを感じるかもしれません。

私自身も、「これくらい発信しても問題ないのでは」
と思うような内容でも制限を受けることがありました。

しかし内容に保険に関する情報があれば、
削除か退職かという選択まで追い詰められる場合があります。

◆ メールや提案内容もコンプライアンス対象。

保険営業は顧客とのやり取りが多い仕事です。
しかしメールや文書についても自由に書けるわけではありません。

保険商品は法律上の説明義務があり、不適切な表現が問題になることがあります。
営業担当者としては善意で説明したつもりでも、誤認を与える表現、断定的な表現、誇大な表現と受け取られる可能性があります。

そのため保険会社ではコンプライアンス教育が非常に重視されています。

営業力だけではなく、ルールを守りながら営業する能力も求められるのです。

◆ 保険代理店は比較的自由度が高い。

一方で保険代理店は複数の保険会社の商品を扱います。
そのため比較資料を作成したり、独自の提案スタイルを
採用したりするケースがあります。

保険会社所属の営業と比べれば自由度は高いと言えるでしょう。

ただし代理店も保険募集人であることに変わりはありません。
当然ながら保険業法や各種ガイドラインの対象です。

比較資料を作る場合でも、顧客に誤解を与える内容であれば問題になります。

つまり、「保険会社=不自由」「代理店=何でも自由」
という単純な話ではありません。

自由度に差はありますが、どちらもコンプライアンスの制約を受けながら
営業活動を行っています。

◆ 保険営業へ転職する前に知っておきたい現実。

保険営業に必要なのは営業力だけではありません。

むしろ保険業界では、ルールを守る力や・継続して顧客と関係を築く力
そして地道な活動を続ける力が重要になります。

自分で資料を作り込みたい人や、SNSを活用して自由に集客したい人は、
入社後にギャップを感じるかもしれません。

また、前提として知っておくべきこととして、保険会社に所属する保険外交員は、
自分が所属する保険会社以外の商品を売ることはできません。
もともと別の保険会社の商品と比較購買を提案することはできません。

それに対して保険代理店は複数の保険会社をあつかうことができますから、
比較購買することが可能です。

保険会社に所属する以上、営業活動は会社のルールの中で行う必要があります。
営業の自由度だけを求めるなら、保険会社よりも代理店や他業界の方が向いてい
る場合もあります。

◆ 保険営業は自由に営業できない、まとめ。

保険営業は成果主義の世界です。
しかし営業手法については意外なほど厳しく管理されています。

独自資料の作成、SNS発信、メールでの説明など、多くの場面でコンプライアン
スが求められます。

保険会社に在籍していた頃は、「もっと自由に営業できればよいのに」
と思ったことが何度もありました。

保険会社に入る前の私は、営業とは工夫と企画力で勝負する仕事だと思っていま
した。しかし保険会社では、まずルールを守ることが優先されます。

自由に飛べると思って入社したら、実は見えない柵の中で走る競技だったというのが率直な感想です。

ただ保険は顧客の人生に大きな影響を与える金融商品です。
だからこそ営業の自由よりも、契約者保護が優先されるのでしょう。

保険営業に転職したら自由に営業できると思っていたら大間違いだったと
言うようなことにならないよう、慎重に考えることが大事です。

保険営業への転職を考えている方は、高収入や成果主義だけでなく、
このような営業現場の現実も理解した上で判断することをおすすめします。

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