保険はどれに入るかより誰に入るか、商品ではなく人で選ぶ不思議。
保険商品は比較購買といっておきながら、支離滅裂な話になります。商品の善し悪しはもちろん選択基準ではありますが、保険を選ぶとき本当の選択基準は商品で選んでいると言うよりは人で選んでいると言うことが多いのです。
そんなことはないとお考えの方もいらっしゃるでしょうが、胸にてを当ててじっくりお考えください。
保険に限らず商売は商品ではなく人で選ぶ、不思議ですがそういうものなのです。
◆ 経営者向けのサイトです。
閑話休題のようなタイトルになりました。本サイトはオーナー経営者向けに法人保険の活用を表ウラ併せて解説するスタンスをとってきました。まさに経営者向けのサイトのつもりでしたが、どうも保険関係の売る側の方に多く読んでいただているようです。
それはそれでありがたいことですから、お礼を申し上げたいところなのですが、営業という職種、特に保険営業に関わる方々には辛口の面もありますから、何をこの野郎とお思いのことと思います。
このサイトで述べてきたことは私見ではありますが、不愉快なお気持ちになられる方にはお詫び申し上げます。
◆ 長年の営業経験は不思議な結論。
保険営業は見たところは保険会社に所属しサラリーマンに見えると思いますが、実際は貧しいながら個人事業主です。保険業界を選んだ以上は甘い了見は捨てて一旗揚げるくらいの意気込みだろうと思います。
しかし最初の数年は成果が安定しないので、締め切りに追われ必死の日々です。過去に縁のあった人や名刺交換をした方などクソの役にもたたないのです。(品のない表現で失礼します。)目先の結果を求めて無駄足を繰り返します。そういう日々からは自分の選択と戦略が正しいかどうかもわからなくなります。
業界の外に出るとなんと愚かなことをしていたのかと忸怩(じくじ)たるものがありますが、なかにいると見えないものが、外に出ると見えてくるのです。もはやこういう追い詰められた営業は足もとを見られてしまいます。
◆ 売る側から買う側に回ると見えてくる人で選ぶ不思議。
申し上げておきますが、売る側から買う側に回ったから気が楽になるというものでもありません。ガム一枚もらわないと豪語しておきながら、冷徹に徹することは難しいと言わざるを得ません。悲しいことですが、相手する保険営業の事情と手の内と締め切りが透けて見えるのです。
そういうものですから、厳しい選択眼で保険を比較し選んでいるように見えても、よくよく考えると人で選んでいるのです。商品のメリットはあとでまことしやかに理由をこじつけるようになります。
保険のメリットメリットなど視点を変えれば真逆になります。商品で選ぶのではなく誰に入るかという心理が選択の本質なのです。私情を挟まないhokenfpにしてそうなのですから、経営者に至っては頭から人で選ぶのです。その結果、理由は後付です。不思議なことですが、それが形のない保険の選択の現場です。
◆ 保険を選ぶ本当の理由。
多くの場合提案書や説明を聞きながら保険商品を比較していますが、実のところ選ぶ理由を探しています。どの保険にも開発のコンセプトがあり、よい面とそうで内面が共存しています。
FPが保険のランキングを発表していますが、保険は何を目的とするか、本人の価値感により選ぶものが大きく変わります。
たとえば法人保険では全損タイプの保険がよいのか、半損タイプの保険がよいのかどちらも考え方により正解であり不正解なのです。
単純返戻率がよくてもピーク時期やピーク期間が合わないこともあります。返戻率がよければ初期低解約型の特則がついていたりします。
初期低解約型の保険はピークになるまでの解約返戻率がかなり低いのです。途中で解約せざるを得ないようなことになると元本割れの損が出て、意味のない保険になります。
企業でも個人でも山あり谷ありが人生です。企業ではいつ資金繰りに行き詰まるかわかったものではありません。時代の潮目が変わるとあっという間に落ち目になります。そんなときやむを得ない事情で保険を解約することがあります。こういうとき初期低解約型の保険は大損します。
保険選択の基準は選ぶ人の経験と知識、価値観に大きく左右されます。
◆ AIが進化しても営業は変わりができない。
RPA(Robotic Process Automation)の導入が進んでいます。保険会社でも事務作業はRPAに置き換わるでしょう。そこにさらにAIが加わると多くの業務が合理化されて人の関わる仕事が減少します。しかし営業という職種はそうはいかないところがあります。
営業が機械化されれば競争はなくなり集中が起こります。AIが進化しても営業という職種は人間がビジネスをやる以上なくなることはないと思います。
営業が窓口になることで販売する商品に付加価値がついたり、評価が増減することが起こります。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。」といいますが、営業の根本的な本質は好きか嫌いかによります。
保険営業のように形のないもの扱うほどAI化は難しいと言えるのではないかと思います。
◆ 保険を選ぶ理由、人で選ぶ不思議のまとめ。
保険に入るいきさつはいろいろあるでしょう。GMP(義理人情プレゼントの略)でも人柄でも好き嫌いでもいいのです。そういうしがらみがあればこそ加入動機の後押しをします。そうして加入した保険が後になって会社を助け、経営者を助けるのです。
保険選択の理由も加入動機や経緯もすぐに忘れます。保険契約だけが残ります。良し悪しなんぞ神様しかわからないというか。保険とはそのときまで価値がわからないようにできているのです。
保険を選ぶ理由は実にあいまいです。保険加入を人で選ぶとは不思議極まりないと思われるかもしれませんが、多くの商売の本質はそんなところにあるのです。すべからく人は好きな人からしか買いたくないのです。好きな人とは単純接触回数が多くても嫌われない人ですね。
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