相続税の起源は戦費調達、高すぎる日本の相続税。

相続税の起源は戦費調達、高すぎる日本の相続税。

日本での生命保険の起源は福沢諭吉の相互扶助の考え方が今日の生命保険の始まりになりました。それでは相続税の始まりはいつ頃なのでしょうか。

そもそも相続税や贈与税のような資産税はそんなにすんなり受け入れられたのでしょうか。

異常な高率で課せられる相続税や贈与税は日常的に意識することはありませんが、他国の事情を知ることも参考になります。相続税の始まりと海外の他の国ではどうなっているのでしょうか。どこの国でも相続税があるものと思っていたら、実はそうではないということを記事にまとめました。

■生命保険はビジネスか相互扶助かに結論を出すと。

◆ 相続と相続税の始まりについて。

相続という言葉の語源をググルと、それは仏教用語から来てという説が正しいようです。訓でよめば「あいつづく」となります。「相」は人の姿という意味があるそうですが、親の人となりそれまで築いてきた評判や信用も含まれて次の世代へ引き継ぐ、決して財産を引き継ぐだけの意味ではなかったと思うのですが、今や相続といえば親の財産をもらうことと定義できそうです。

本来の意味合いからすると相続は親の財産を引き継ぐだけではなく、無形の資産も引き継ぎます。言ってみれば親ののれんも引き継ぎます。かつての家制度の時代には家督相続があたり前であり、長男が財産も地位ものれんも引き継ぎました。家督相続の考え方は江戸時代よりもっと古い時代に発祥を求めることができます。戦国時代の時代劇を見ていても後継ぎとしての男の子が何より重視されていることでもわかります。長く続いた家督相続の習慣も、第二次大戦後の民主化の流れの中で民法の改正により、長男相続制度は廃止され、配偶者や子にも平等に相続権を持つことが規定されました。今でも田舎の農家では長男が中心になり親の面倒をみつつ、親族を取り仕切る傾向が残っています。

ということは、家督相続で相続税は制度として矛盾がありますから、相続税の導入は最近の話になります。最近といっても明治時代なのです。家督相続の続いている中であえて相続税を導入した背景は、日露戦争の戦費調達が目的だったそうです。明治38年に国民の貧富の格差を是正するという名目で相続税が導入されたというわけです。

その相続税が根を下ろして、昭和、平成と続き平成27年の税制改正でさらに相続税の基礎控除が引き下げられ網が広くかけられました。大きな資産家でなくても地価の高騰で相続税がかかる人が増加したのです。確かに相続税は貧富の差をなくすには有効な税制でした。しかし、キャッシュも持たないのに住んいる家屋敷の評価が高くなり相続税を納税する羽目になるのは、資産家意識のない「にわか小金成金庶民」には重い税になりました。

◆ 相続税のない国がある、ということは贈与税もない。

聞くところによると、相続税は普遍的な税制ではなく海外では相続税がない国があります。スイス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンなどでは相続税を納税する必要がありません。親の財産は減らさずに引き継げるのです。事業承継も後継者の問題はありますが、今よりははるかにスムーズにいくでしょう。

相続税が納得しがたい理由には所得税を納税したのちの個人資産にまた課税するという二重課税に問題があるからです。これではいくら儲けてもばかばかしくなる気持ちがわかります。相続税を払うくらいなら使ってしまえとばかり年に何度も最高級クラスで世界一周クルージングに参加したり、信心する宗教に大金を寄付したりする資産家もいます。

相続税がなくなれば、事業承継は円滑に進むと思いますが、資産の集中は解消されません。資産家は遺産を子に引き継ぎさらに拡大することができます。貧富の差はさらに拡大するでしょう。

民主的な国家であれば多数派が有利になることが基本です。多数派とは相続税がかからないサラリーマン庶民です。そういう理屈からすればやはり相続税は続いていくことになりそうです。

◆ 相続と相続税、まとめ。

相続は人が生まれて死にゆく運命を負っている限り、必然的に家族内で起こります。核家族化して親の歴史や家の祭祀を引き継がなくなっても、親がこの世に残した資産と負債は血のつながった子に避けがたい相続としてかかってきます。

相続税は過酷な税率ですから3代で税金が資産を食いつぶすと言われています。かと言って相続税を逃れて生前に財産を贈与できれば、相続税は意味がなくなりますから税を徴収する側としては贈与税を甘くすることはできないわけですね。そういうわけで相続税と贈与税は資産税としてセットでないと機能しませんから、贈与にも厳格な枠がはめられています。

相続税が戦費調達として始まったとすれば、戦争が終結すればやめればよさそうなものですが、一度手にした税収源はそう簡単に手放せないということでしょうか。税収が国家予算に充てられるものであれば、今も自衛隊などの国防費に充てられているとも言えるわけですから、やはり戦費調達のための相続税という構図は変わっていないように思います。

相続税や贈与税は感覚的に理不尽な税金だと感じますが、相続税をなくすなら消費税を増税しないと帳尻が合わないでしょう。そもそも相続税もかからないような貧乏庶民には、残念ながら関係がありませんが。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です