
生前贈与のつぎにくるのが相続です。生きている間に贈与する相続税対策、あるいは相続対策として生前贈与にはいくつかの方法があります。
基本的には「贈与税がかからない生前贈与まとめ」にリスト化しました。
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◆ 生前贈与の障害になる心情。

まとめたのは生前贈与の方法論です。実際の場面では、それぞれの思いや経済事情があり、関係者の内には心情論が渦巻きます。
あえて「生前贈与でもめずに節税できるはずがない。」と申しあげたのはそういう事情こそが生前贈与の障害になると考えているからです。
どこのサイトも公平に贈与することを当然のように勧めています。しかし経験的に申し上げれば、生前贈与は不公平が当たり前と考えています。
兄弟姉妹は元々他人の始まりと言うではありませんか、お互いが譲り合うということは相続の場面では無理があるのです。親としても自分が子として育ててきた兄弟姉妹といえども公平なつもりでも好き嫌いが出てくるものです。
兄弟姉妹それぞれこれまでかかった養育費は異なります。家庭の経済事情も変わっていて当然です。ましてやそれに嫁でも絡もうならさらに激しくなるのはいずこも同じこと。
◆ 公平か秘密か、相続税がかからなくても熾烈な争い。

親がいくら公平に思って配慮しようが、子に取れば公平などということはありえません。どの子にも納得させる方法はそれぞれの贈与を秘密にすることです。
そしてこっそりあげることが本人の自己満足につながります。すべてのケースにあてはまるとまでは申し上げませんが、知らぬが仏ということもあります。
相続税がたっぷりかかる方は怠りなく生前贈与を活用して節税してください。そして遺言書を書いてもめることがないよう執行人も指定してください。
しかし相続税がかかりもしない人ほど、お金には汚くて争いは熾烈になるのは例をあげるまでもありません。それだけに被相続人たる親は自分が生きている間に生前贈与を活用して好きな子に財産譲っておくことです。何と言われようと自分の財産ですから自分が決めればよいのです。
◆贈与税がかからない生前贈与まとめ
① 暦年贈与
暦年贈与は、相続財産への持ち戻しが3年から7年に延長されました。使い勝手が悪くなりましたので、相続時精算課税制度を使った暦年贈与を検討してください。
最も基本的な方法はご承知の通り年間110万円の基礎控除を使う暦年贈与です。相続税がかかるなら贈与契約書と贈与税の申告、時々の納税と通帳・印鑑はもらった子が管理ということが条件です。
でも相続税がかかりもしない貧乏人が、贈与契約書や贈与税の申告するほどアホらしいことはありません。とてもそんな手間をかける気にならないのが普通の神経です。
子に贈与するときは現金、それもあまり大きな金額にしないで、多めのおこずかいの範囲で何度もあげてください。ただし習慣化しないようくれぐれもご注意を。もらうのが当たり前になると副作用が出てきますから。
②相続時精算課税制度
この制度は相続税がかかる方にはお勧めしていませんでした。しかし贈与税の改正により、相続時精算課税制度に別枠で贈与の基礎控除(110万)が創設されました。しかも持ち戻し期間が7年に延長された暦年贈与と違い、相続税への持ち戻しがありません。
そのうえ、暦年贈与と併用できます。合わせて220万が非課税で贈与できます。
生前贈与は、まさに相続時精算課税制度一択になったといえます。
どちらにしてもコツコツと暦年贈与を繰り返し、相続財産を減額していくのが基本的な節税になります。
相続時精算課税制度は、相続税がかからないサラリーマンが、親からローン返済の支援を受けるときはご検討ください。親からといえども、また相続税がかからなくても贈与税は逃れられないものと思ってください。
唯一相続時精算課税制度を活用すれば、非課税で2,500万まで資金援助を受けることができます。
相続時精算課税制度はいろいろルールがあり申告が必要ですが、相続税がかからないレベルならあとはそれほど手間はかかりません。
③教育資金の一括贈与
庶民には意味不明の制度ですが、資産家の方は早めにお孫さんに教育資金をまとめて渡すことで相続財産を減らすことができます。
相続税がかからないほどほどの資産家の方には、孫が喜ぶ顔見たさに無理してあげたいでしょうがやめておくことです。孫の教育費をあげるならその都度必要なだけあげればよいことです。もちろんそれで非課税に決まっています。その方がよほど感謝されます。
もともと課税されない教育費や養育費を1,500万まで非課税にする制度は金融機関のためにあるようなものです。それより老後資金が不足することがないようしっかり管理することが大事です。
なお、時限立法です。どこで打ち切られるかはわかりませんが延長を繰り返しています。年々制約が加わり、使いにくい制度になっています。
④相続時精算課税選択の特例と住宅取得等資金の非課税の特例
これは使えます。住宅取得等資金の非課税の特例は平成28年から金額の枠が少なくなりましたがまだまだ使えます。相続時精算課税選択の特例とは住宅取得等資金の場合、親の年齢制限なしで2,500万の贈与税の非課税枠が使える制度です。平成28年6月時点で最大3,700万まで非課税で贈与が可能です。かなりの物件が入手可能になります。
相続税がかからなければ精算することはないのでこの制度は使い得ですが、考えてみれば普通に親から3700万もらえるような人は相続税がかかるような気がします。値上がり確実な都心のマンションなら価値を固定する意味で価値がありますが、そうでないなら別の節税対策を検討することも必要になりますね。
その後改正がはいりました。以下にAIにまとめさせました。
1) 住宅取得等資金の贈与の非課税の特例(贈与税の非課税)
■ 現状(最新の適用期間)
・現在は 令和6年(2024年)1月1日?令和8年(2026年)12月31日 の間に行われ
た 贈与が対象です(期限付きの時限措置)。
・この特例を使うと、父母・祖父母など直系尊属から住宅取得費用(自己居住用)
のために資金を受けた場合、以下の範囲まで贈与税が非課税になります。
省エネ等住宅(一定の省エネ・耐震・バリアフリー性能住宅):最大 1,000万円
・一般住宅(上記基準以外):最大 500万円
※ 受贈者の所得など要件あり。通常の年間基礎控除(110万円)と合算して活用可能です。
■ 適用期限(時限立法)
本特例は 令和8年(2026年)12月31日までの贈与に限り適用(期限付きの特例)
です。今後の税制改正で再延長される可能性はありますが、現状は期限付きです。
■ 創設当時と最近の変遷(主な変更点)
制度自体は平成21年頃からありましたが、ここ数年で主な変化は以下の通りです:
・非課税枠の縮小
以前は最大 1,500万円 まで非課税となる枠がありましたが、令和4年度改正で
省エネ等住宅 1,000万円/一般 500万円 に縮小されました。
・適用期限の延長
もともと令和3年末までの期限とされていましたが、複数回の延長が行われ、現
行では 令和8年12月末 までとなっています。
・要件の明確化・見直し
省エネ等住宅の要件、住宅性能証明の扱い、受贈者年齢(18歳以上への引下げ)
などが改められています。
2) 住宅取得等資金の贈与に係る「相続時精算課税選択の特例」
■ 概要
本特例は、「住宅取得等資金の贈与」を受けた場合に通常の相続時精算課税制度
より柔軟に 相続時精算課税を選択できる制度です。通常の相続時精算課税は贈
与者が60歳以上(受贈者は18歳以上)に限定されますが、この特例を使うと 贈
与者が60歳未満でも選択可能 になります。
■ 現状・適用期限
・この「選択の特例」も、 住宅取得等資金の非課税の特例と同様に令和8年
(2026年)12月31日までの贈与を対象 としています。
?・適用要件は、住宅取得等資金の非課税特例を受けた後で 非課税枠を超えた部
分について相続時精算課税を選択する場合 に限られます(つまり「併用要件あ
り」)。
■ 創設当時と変遷
この特例は比較的新しく、従来の相続時精算課税の厳格な要件を融通するために設けられました。
制度趣旨は 住宅取得を契機とした資金移転を柔軟に行いやすくする ことです。
※ 相続時精算課税そのものは平成15年に創設されていますが、住宅取得資金に
ついてこの選択適用の特例は後発の措置です。
⑤贈与税の配偶者控除
使える範囲が狭いので若い人向きではありません。婚姻期間が20年以上の夫婦の間という大前提があります。居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合ということがハードルになります。居住用の不動産に限るわけです。
うまくすれば配偶者控除2000万と贈与税の基礎控除110万は非課税になりますが、要するに家を贈与ずるか買う資金を贈与せねばなりません。とりあえず住むところがあれば使いようがないのです。普通の熟年夫婦なら二人仲良く今の家に住んでいるでしょうし、仮に建て替えるにしても家内に贈与して建て替える意味はないように思います。
他のページでも触れましたが家内に遺産が入ってもそれを贈与税の配偶者控除としては、主人名義のローン返済には使えないのです。ローン返済は居住用不動産を取得するための金銭ではないですから。で、やむなく家内に借金してローン返済を終えて、毎月家内に返済を続ける羽目になったのが他ならぬ私の事例です。贈与税の配偶者控除は贈与税の申告を必要としますから、普通はめんどくさいことになります。
◆ まとめ。

生前贈与について勝手ながらの私見を述べてきました。しゃくし定規にはいかないのが贈与です。うわべは平静を装いつつも貰うほうは心中穏やかではないのです。
とはいうものの親にしてみれば自分の死後、子供たちがわずかばかりの財産を巡って醜い争いをするようなことは、自分の目の黒いうちになくしておきたいものです。
遺言書を書くほどの財産も器量もないなら不公平だろうが何と言われようが自分の思うように生前に贈与しておくのがよろしいようです。
ただし生命保険の名義変更は慎重にと申し上げておきます。
するならば生命保険は受取人変更にしておくことです。相続税がかからなければ何事も起こらず生命保険受取人固有の財産になりますから確実な死因贈与と同じです。
生前贈与の仕組みを5項目紹介しました。概ね網羅できていると思います。ここでは生前贈与の概要と私見を披露していますので、具体的な情報は当ブログ内の他のページを検索してご確認くださいませ。

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