役員退職金は保険で準備すると節税できる理由。

役員退職金は保険で準備すると節税できる理由。

中小企業のオーナー経営者は、社長を長年続けるケースが多いと思います。20年30年はよくありますが、中には40年間経営の指揮をとり続けている方も見かけます。

このくらいのベテラン経営者になると、会社の中のことはすべてお見通しです。どこそこの支店で鉛筆が一本倒れてもわかると豪語されます。

役員の退職慰労金計算は、最終報酬月額に在職年数をかけます。それゆえ長きにわたり経営者であれば、当然退職金も高額になります。

役員退職金といっても老後資金と言うよりは、多くの場合相続税の納税資金になります。それだけに企業の継続ということからみても、それなりの額が必要になります。

■役員退職金の功績倍率は課税当局が決める。

◆ 役員退職金の計算例。

在任年数が30年、最終報酬月額が500万円、社長の功績倍率が3倍、さらに役員退職金規定には、創業者などの功労社長には功労金加算3割の支給が規定されているケースで計算例を作成しました。

(参考例)

役員退職金=(退職時の役員報酬月額×役員在任年数×功績倍率)+功労金加算
(例:役員報酬5,000千円、在任年数30年、功績倍率3倍、功労金3割加算)

役員退職金基本額:5,000千円×30年×3倍=450,000千円
功労金加算3割=135,000千円

役員退職金支給合計=585,000千円①

この退職金を会社の利益剰余金から支払うのは、いかにももったいない気がします。企業の利益剰余金は、税金を払った後での蓄積です。

退職金税制は緩やかにできていますが、その後にくる相続税はご承知の通り厳しい税率です。税金の二重払いと言えるでしょう。ここに役員の退職金準備に生命保険活用の価値があります。

■役員退職金否認、最新判例。

◆ 退職金にかかる所得税は、激安、計算例。

退職所得控除額:(20年超) 700千円 ×(勤続年数 – 20年)+ 8,000千円
退職所得控除額合計:700千円×(30年-20年)+8,000千円=15,000千円②

退職金課税=(退職金①-退職所得控除額②)÷2×税率(分離課税)
(585,000千円-15,000千円)÷2=285,000千円
退職金課税は退職所得控除を引いた残りに1/2課税、かつ分離課税という有利さです。

◆ 役員退職金の準備は生命保険が最適。

生命保険を活用すれば、解約返戻金という形で必要なときに現金化できます。それまでの間は、保険料として一部を費用化できるのです。

国税通達により損金算入割合が規制され、解約返戻率を高めると損金割合が少なくなります。長期平準定期などで退職金を準備するときは、最高解約返戻率が85%以下になるよう設計します。そうすることでどうにか保険料の4割を損金処理
することが認められています。

これにより損金部分の税負担は押さえることができます。また簿外に解約返戻金というキャッシュを積み立てることができます。

法人保険には事業保障という役割がありますから、よほどのキャッシュのピンチでもない限り解約はしないものです。どうしても緊急のキャッシュが必要な場合は、契約者貸付という仕組みを利用することもできます。

もともと自社のお金ですから、審査も手間もなく短期でキャッシュを都合できます。利息が高いので早めに返さないと損をしますのでご注意ください。

■役員退職金を否認されない、あたりまえの極意。

◆ 役員退職金は保険で準備して節税、まとめ。

法人税基本通達9-3-5の2(いわゆる法人保険の損金算入ルールの見直し)により保険料の損金算入ルールが規制され以前のような簿外資金を積み立てることが難しくなりました。それでも保険料の4割を費用化できる定期保険があります。

節税効果は、以前より期待できなくなりました。しかし保険料という形で退職金を準備すれば、確実に原資を蓄積することができます。

生命保険の解約返戻金は、出口対策ができていなければ繰り延べだけで終わってしまいます。解約返戻金は、単なる雑収入でしかなく課税対象になります。

しかしこれを役員退職金にあてれば、雑収入を費用かできますから節税できています。現金で銀行に残しておいても、退職金支給の時期まで残るものではありません。生命保険ならでは、のうまい仕組みだと言えるでしょう。

ただしこの生命保険設計は、複数の保険会社の商品を扱うそれなりのプロに依頼してください。その上で買う側の責任として契約内容をしっかり理解し、定期的に見直すようにしてください。

死亡退職金が所得税なしでも有利だとは言えない理由。

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