相続で親の本音は秘密主義、親の公平は子の不公平。

相続で親の本音は秘密主義、親の公平は子の不公平。

相続では、親の気持ちは相続財産を知られたくない秘密主義が本音と言えるでしょう。

これまでご相談をお受けしたケースでは、相続財産に関しては、ほとんどの方が秘密主義です。相続税がかかってもかからなくても親の気持ちはいずこも同じです。

自分の資産状況はわが子と言えども、なるべく相続人にギリギリまで隠しておきたいところです。誰に秘密かというと家族にということですが、実際は相談している税理士にもすべてを話さないこともあるのです。

何もかも秘密というわけではなく、言わないところがいくつか残るのです。

無意識か意図的かは定かではありませんが、手の内はすべて明かさないという不思議な心理が働きます。

聞かれてものらりくらりと、相続財産の全体像が分からないように言いつくろいます。被相続人のこの心理がわかれば、相続設計士一人前です。

■相続財産を教えてくれない親の本音と秘密主義。

◆相続秘密主義はなるほど。

なぜかと言えば推定相続人たる子供たちが、親の遺産をあてにすると何かと不都合が起こります。親子関係がぎくしゃくしたり、争いの種になったりと、不和の原因を作ると困るからです。その親の気持ちと心配は、よくわかります。

当てにするのは子供らの勝手ですが、親の財産に対して権利もないのにとやかく言い出すという鬱陶しさがあります。

世間の相続本では家族でよく話し合っておくことが重要です、などと書いてあります。しかしそんなに相続財産をオープンに話し合うことは、実際の場面では少ないのかなと言うのが実感です。

資産家でも、節税するほどの財産がなくても、親は子にきちんと財産を説明しないことが多いのです。

子どもたちがお盆に集まって相続について話し合おうとしても、親がはぐらかすことが普通にあります。特に兄弟姉妹が二人以上いる場合に抵抗感があるようです。

■相続での争いは譲れない人間の本性をさらけ出す深い理由。

◆ 争続の原因はできるだけ作りたくない親心。

子は相続税の節税アドバイスのような顔をして、生前贈与を言い出します。金に困っている子がいれば、この要求はもっと熾烈になります。わが子とは言え、親切面して金欲しやが見え見えです。息子なら背後に嫁の意志が絡みついているのが丸見えになります。

というのは、子どもたちが親の財産状況を知ると相続税対策と称して生前贈与を提案してきます。孫に金がかかり、マンションのローン負担が過重になっている世代の子は、親の財産をあてにしだすということがよくあります。

子どもだけではなくその配偶者までからんで、まるで生前贈与を権利のように主張しだすばかりか、果ては兄弟姉妹の争いにまで発展します。

相続が発生する前から争続とは情けない話ですが、財産が少ないほど厳しい争いが起こります。ゆえに親は自分の遺産の扱いには慎重になり、わが子と言えどもほどほどの話でお茶を濁すのです。

そういう状況になると親御さんにしてみれば、俺の財産や、誰にも渡さんと頑なになる気持ちも分からないこともありません。

■相続争いはお金の奪い合い、生前から争族とは悲しい現実。

◆ 親の本音と相続財産。

しかし親の本音はそれだけの理由でもないのです。

親にすれば、自分の子供たちにはきちんと相続税対策をして遺言書で受取を指定しようとします。しかし皆さんそうとは限りませんが、子の配偶者に相続財産の全容を知られるのを嫌がる傾向があります。

我が子にも相続財産を知らせたくない心理と、我が子の嫁に相続財産を知られたくない心理は重なり合って被相続人の相続財産に対する秘密主義が生まれます。

子にすれば、相続税などは払いたくないですから、相続税の節税対策一本で言い寄ってきます。でも親にすれば相続税を払うのは自分ではない、それより手持ちの金を生前に贈与して減らすのは心配です。

後々の生活資金や病気入院や家の改築、老人ホームの費用など、どこでどんな大金がいるかもしれません。少しでも多く手持ち資金を残しておきたい本音があります。

・金の切れ目は縁の切れ目、最後にものを言うのは金。

また、金の切れ目は縁の切れ目、これは親子でも他人でも同じことです。財産さえ手許に残しておけば、たとえ相続財産目当てでも、盆暮れには孫を連れて土産の一つもぶら下げて顔を見せるというものです。

実のところを言えば節税など被相続人には本質的に死後のことです。自分がこの世に存在しないのに、税金のことを気にしても仕方がないのです。あの世には意味をなさないお金のことなど考えても、自分の思うとおりになるとも限らないのです。

それよりも相続はまだまだ先のこと、それよりも自分の老後資金はしっかり確保したいと考えます。自分の自由になるお金がなければ、老後というものは惨めなものです。

生きている間は、すべてこの世は金次第、死んだらおしまいです。子が親のことを気にしてくれるのはお金があるからです。分ける金がなければ世話するどころか、年に一度も来るものですか。

人の世の薄情は常ですから恨みもしません。この世のルールに縛られて手持ちの金を手放さないことが賢い立ち回りと言えるでしょう。

知恵は生きている内にみずみずしく使わねばなりません。

■介護は不公平、相続は公平では納得できない相続人の不公平。

◆ 相続で親の本音、まとめ。

相続財産は相続人たる子供たちすれば、思いがけない一時の不労所得と言えるでしょう。

世知辛い世の中で汗水たらして生きている子供たちに、財産をあてにするなと言うほうが無理なのはよくわかります。しかし、指折り数えて相続を待たれるのも気持ちの良いものではありません。

時折は生前贈与のまねごとをして、手持ち資金が痛まない程度に10万でも20万でも現金を公平にあげてください。

ただし、大いに喜ばれますが、これの効果は長続きしません。次も同様の期待をされるうっとうしさは残りますが、たとえばお盆の間だけは円満です。

子らの争いを憂うなら財産の多寡にかかわらず、相続税がかかろうがそうでなかろうができることは二つあります。生命保険の受取人で遺産の行方を指定しつつ、有効な遺言書を書くことです。それができないというなら、残した遺産の行方に対して、天国で神様の裁きを見ているほかありません。

相続はもともと不公平、兄弟でもめるとあの世で親が涙。

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