セルフメディケーション税制は注意点がいくつもあります。
これまで医療費控除の確定申告で恩恵を受けてきた身には、今回のセルフメディケーション税制は手間がかかる割には見返りが少ないと感じています。
サイト記載内容に誤りがありましたので削除し、変わりにエクセルでセルフメディケーション税制の明細書を作成しました。あまり必要がないのかと思っていましたが、要望がありましたので急遽作成しました。
◆ セルフメディケーション税制の明細書です。
エクセルデータのダウンロードはこちらです。
(印刷すると記号などでズレが発生します。込み入ったセル結合をしていますので、調整しながらご利用ください。本データをダウンロードされる場合、自己責任でお願いします。)
◆ セルフメディケーション税制ではドラッグストアのレシートを集めて5年間保管。
医療費の領収書は病院や処方箋薬局ごとに、また治療を受けた人ごとのにすっきりしていて他の要素が入らないのでわかりやすいのです。
ところがセルフメディケーション税制で集める薬局やドラッグストアの領収書は細かくて見にくいし、無関係の要素が多いのでわかりにくいところが難点です。ドラッグストアでも毎週通うとレシートはすごい枚数になり、多くの場合、感熱紙に印字されていますから、時間の経過とともに印字があせてきます。安い商品を求めてドラッグストアのはしごをするセルフメディケーション税制の節約派はさらに大変です。
◆ セルフメディケーション税制は時限立法。
セルフメディケーション税制は2017年1月1日~2021年12月31日までの期限付き医療費控除の特例となっています。
もう2017年は終わっていますので、セルフメディケーション税制をこれから活用される方は後4年間、毎年せっせと領収書を集めて確定申告をして下さい。念のため申し上げておきますと、領収書さえ残っていれば還付申告は5年遡って可能です。
とは言え5年間の領収書保管とは、実際とても面倒なことです。買い物をするのは町のドラッグストアですから、対象の医薬品が日用品などと混在するので集計が大変です。セルフメディケーション税制はまだまだ知らない人が多いので、ほとんどの人は領収書を捨てているでしょうからはっきり言ってセルフメディケーション税制の本格活用は来年からですね。
◆ セルフメディケーション税制は手間の割に還付される金額が小さいし勘違いが多い。
医療費控除もセルフメディケーション税制も医療費がまるまる戻るわけではないのです。基本的に源泉徴収された所得税の還付と翌年の住民税の減税です。税率によっても還付金は異なります。また住宅ローン減税を利用していると減税が目一杯で所得税は払っていない場合申告しても当然還付はありません。
◆ セルフメディケーション税制のスイッチOTC医薬品とは。
セルフメディケーション税制で指定している対象医薬品、いわゆるスイッチOTC医薬品とは要するに処方箋医薬品から転じた市販薬です。
現在1676品目以上あるそうです。著名な医薬品メーカーの風邪薬や胃薬、花粉症の点鼻薬など普通に売られているお薬です。OTCとはオーバーザカウンターの英語の略です。売り場で買える家庭薬ですね。
念のため、健康食品は見た目には薬に見えますが、医薬品ではないのでいくら高額でもセルフメディケーション税制の対象品には該当しません。ドラッグストアの売り場でこれまで意識してこなかったと思いますが、パッケージに下記のようなマークが印刷されています。
よく見るとレシートにも目印が印字されてます。
◆ 医療費控除でもスイッチOTC医薬品が使えます。
これまで知らなかったことは医療費控除でもスイッチOTC医薬品が含まれることです。これまで知らなかたのは自己責任ですが、かなり損をした感じです。スイッチOTC医薬品はセルフメディケーション税制だけのものではなかったのです。
控除されるのは実際に払った価格とその分の消費税です。割引があれば割引後の価格です。インターネットでも医薬品が一部売られてますが、自分でプリントアウトした領収書は認められません。
◆ セルフメディケーション税制では、健康診断などの申告のための資格要件の証明が必要です。。
セルフメディケーション税制の資格要件として健康診断や予防接種などの証明が必要となります。普通のサラリーマンなら会社で健康診断があるでしょうし、インフルエンザの予防接種もされているでしょうから、証明書に困る事はありません。健康診断の領収書はないと思いますので、診断結果のやばいところだけ黒塗りでコピーを提出してもOKです。
セルフメディケーション税制の証明資料となる健康診断や予防接種などの費用は対象外です。
だいたい月1,000円以上で年間12,000円になりますから、控除額に達する可能性は結構あります。少額で面倒ですが、ここは細かく領収書を集めて保管しておいてください。
医療費の領収書は受診者の名前が明記されますから制限があります。妙なアドバイスになりますが、セルフメディケーション税制では拾った領収書でも区別がつきません。
◆ セルフメディケーション税制、共稼ぎの裏ワザ。
医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制とはいいますが、家族の中に収入があり所得税を払っている人が他にいればそれはそれで適用可能です。共稼ぎでご主人は医療費控除、奥さんはセルフメディケーション税制でも使えます。実は裏ワザでもってなんでありません。国税庁のQAに差し支えありませんと明記してあります。
厚生労働省セルフメディケーション税制Q&A
Q5 同一世帯の中に、従来の医療費控除により申告する人と、この税制により申告する人がいて構いませんか。
A それぞれが所得控除を申告することができます。
◆ 私がやっている、簡易な申告手順。
e-taxは便利ですが、ハードルが高いのが実情です。ICカードリーダーを用意してマイナンバーカードを読み込ませないとできません。
またe-Taxの開始届出書を提出し利用者識別番号を入手しないとe-taxは使えません。下手をすると還付金よりコストと手間がかかります。サラリーマンなどの確定申告初心者には全く向いていません。医療費控除もセルフメディケーション税制もなるべく手間をかけないことが重要です。
医療費控除もセルフメディケーション税制の申告もe-taxを使用しない方が間違いなく便利で早いです。
必要な書類をあげておきます。
マイナンバー通知書(マイナンバー通知書には顔写真がついていませんがマイナンバーカードを取得すると写真入りの身分証明となります。)しかなくてICカードリーダーも持ち合わせていないなら申告書をプリントアウトして郵送することです。
(郵送の場合本人確認ため免許証とマイナンバー通知書のコピー添付が必要ですが、実際手軽にできます。税務署には休日投函用のポストがありますから、お近くなら郵送料もかかりませんし投函しておく方が確実です。)
セルフメディケーション税制をうまく活用されて、少しでも払いすぎた税金が還付されるようお祈りいたします。
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