医療費控除の確定申告、e-TaxのID・パスワード方式全手順まとめ。
これまで毎年、医療費控除の確定申告のお世話になってきました。それだけ医療費がかかっているということですから、決して喜ばしいことではありません。しかし医療費控除の確定申告で、納めすぎた所得税が返ってくると多寡(たか)にかかわらず嬉しいものです。
医療費控除の確定申告の変遷については、下記のサイトにまとめています。庶民の年一回の医療費控除には使いものにならなかったe-Taxが、簡便化されID・パスワード方式が導入されてからとても便利になりました。自宅にいながらPC上で医療費控除の確定申告が完結してしまいます。最近ではスマホにも対応しておりさらに使い勝手がよくなっています。
医療費控除とe-Taxに関しては、分かりやすく解説してきたつもりです。でも実際の国税庁の確定申告のサイトで入力する手順については、やはり詳細な解説の必要性を感じていました。まだ税務署の申告書の受付は始まっていませんが、医療費控除の確定申告は1月から提出可能です。先駆けてe-Taxで申告を済ませてしまいましたので、その流れをWeb画面のキャプチャーをとり、順を追って整理しまとめました。画像加工技術が未熟ですので解説で補っております。ご容赦くださいませ。
これまでの医療費控除とe-Tax簡便間までの流れを各ページで解説しています。
クリックできる目次
- 1 ◆ 国税庁のe-Tax。
- 2 ◆ 医療費控除の確定申告をする人の条件。
- 3 ◆ 医療費控除e-Tax(ID・パスワード方式)全手順の解説。
- 3.1 1)確定申告書作成開始。
- 3.2 2)ID・パスワード方式選択。
- 3.3 3)推奨環境と次へ進むボタン。
- 3.4 4)利用者識別番号(ID)とパスワード入力。
- 3.5 5)検索完了→OK。
- 3.6 6)登録情報確認→申告書を作成する。
- 3.7 7)申告年度を選択。
- 3.8 8)所得税選択。
- 3.9 9)給与・年金作成開始。
- 3.10 10)事前準備書類。
- 3.11 11)e-Tax税務署提出。
- 3.12 12)給与のみ選択。
- 3.13 13)医療費控除選択。
- 3.14 14)源泉徴収票入力選択。
- 3.15 15)源泉徴収票の入力画面。
- 3.16 16)給与所得の入力確認。
- 3.17 17)収入金額の入力確認。
- 3.18 18)所得控除の入力→する。
- 3.19 19)医療費控除適用選択。
- 3.20 20)医療費領収書から明細書選択。
- 3.21 21)医療費の入力。
- 3.22 22)医療費の入力、つづけてもう一件。
- 3.23 23)計算結果の確認-入力訂正画面。
- 3.24 24)医療費控除証明書。
- 3.25 25)医療費控除の金額確認。
- 3.26 26)還付される金額-計算結果の確認(申告書)。
- 3.27 27)住民税関連入力。
- 3.28 28)還付金受取方法選択。
- 3.29 29)マイナンバー入力。
- 3.30 ここでマイナンバーを慎重に間違わないよう入力してください。
- 3.31 30)確認する帳票の選択。
- 3.32 31)送信準備。
- 3.33 32)e-Tax利用可能時間。
- 3.34 33)カレンダーの見本。
- 3.35 34)暗証番号再入力。
- 3.36 35)送信結果の確認-受付記録の確認。
- 3.37 36)印刷設定。
- 3.38 37)入力データ保存。
- 4 ◆ 医療費控除e-Tax全手順まとめ。
◆ 国税庁のe-Tax。
お世話になるのは国税庁の「確定申告書等作成コーナー」です。以前のようなわかりにくいサイトではなく、いくつものページに詳細にイラスト入りで解説されています。
なんと医療費控除の確定申告の手順を確認できる、動画まで用意されています。とても分かりやすくなってはいますが、それでも単語の意味が分からないとか、パソコンが苦手な方にはハードルが高いと思います。年に1回だけ慣れない方がスムーズにできる手順とはとても言えません。ようやくわかりかけたところに終わるというか、かゆいところに手が届くまでにはなっていません。
できるだけわかりやすくを心がけましたが、初心の方は何がわからないかがわからないという気分だと思います。できればパスしてしまいたいところを思いとどまっていただいて、還付金をゲットいただければ誠に嬉しいことです。
医療費控除の準備編はこちら。
ここが申告書作成の入り口です。
◆ 医療費控除の確定申告をする人の条件。
確定申告をされる方は事業主が多いと思いますが、サラリーマンも医療費控除などの確定申告をすることで納めすぎた所得税が戻ってきます。
様々な条件の方がいらっしゃいますので、わかりやすくシンプルに解説するために条件を絞っています。もちろんそのほかの条件の方も画面遷移では枝分かれしますが、おおむねの手順としては同じです。
医療費控除の確定申告をされる方の条件
1)サラリーマン(一か所からの給与所得者、年金受給者)
2)毎年(1月1日~12月31日)の家族の医療費合計が10万円以上
3)税務署からID(利用者識別番号)パスワードを受けている方
◆ 医療費控除e-Tax(ID・パスワード方式)全手順の解説。
各場面を切り出し、入力したり選択したりするポイントを赤枠で囲んであります。書いてある内容をしっかり読んで必要事項を入力したりチェックを入れたり、ボタンを押したりすることで次へ進めます。
1)確定申告書作成開始。
国税庁の確定申告書等作成コーナー入り口です。新規の作成開始をクリックします。
2)ID・パスワード方式選択。
今回は税務署で事前に発行を受けたID・パスワードをお持ちの方がe-Taxで申告書を提出されることを前提に解説しています。利用者識別番号と呼ばれるIDとパスワードをお持ちであればマイナンバーカードもICカードリーダライタも不要です。
3)推奨環境と次へ進むボタン。
e-Taxの事前確認としてOS(PCの基本ソフト)やブラウザのバージョンを確認しています。PDFの閲覧が必要ですのでAdobe Acrobat Reader DC(アドビ・アクロバットリーダーというソフトウェア)がインストールされている必要があります。いまどきのほとんどのPCなら問題はないはずです。
4)利用者識別番号(ID)とパスワード入力。
ここで利用者識別番号、いわゆる税務署で発行されたIDとパスワードを入力します。IDは半角数字で16桁です。暗証番号が正しく入力できたかどうか自信がないときは暗証番号の入力値を表示するにチェックを入れるとパスワードを確認することができます。
5)検索完了→OK。
IDとパスワードで本人確認をします。受付システムが「検索完了」となれば本人であることがシステム的に確認できたことになりますので次へ進めます。
6)登録情報確認→申告書を作成する。
先ほどの検索完了の画面で「OK」をクリックすると個人の登録情報が表示されます。間違いなければ「申告書を作成する。」ボタンをクリックします。
7)申告年度を選択。
令和元年分の医療費控除の申告をしますから、「令和元年分の申告書の作成」をクリックします。
8)所得税選択。
令和元年分の申告書の作成に進みますが、医療費控除の対象は所得税ですので、
「所得税」をクリックします。
9)給与・年金作成開始。
今回はサラリーマンの方の医療費控除を対象として解説していますので「給与・年金の方(給与・年金専用)」の「⇒作成開始」をクリックします。
10)事前準備書類。
申告書の作成に必要な書類を案内しています。お手元に揃えておきましょう。サラリーマンの方で、会社で年末調整をしていれば源泉徴収票と医療費の領収書が必要になります。医療費の領収書は家族の人ごとに、医療機関ごとに集計しておくと作業がスムーズに進みます。
医療費控除には10万円というバーがあります。ほとんどの方が還付の可能性があるかどうか確認するために、医療費の明細書を作成し事前に集計されているものと思います。
給与以外の収入、株式の配当などの所得がある方は隣の「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)に戻っていただく必要があります。
11)e-Tax税務署提出。
提出方法はe-Taxにより税務署へ提出を選びます。確定申告書を印刷して税務署へ提出することもできます。表示された生年月日を確認してください。
12)給与のみ選択。
サラリーマンの方の医療費控除ですから「給与のみ」をチェックします。
13)医療費控除選択。
適用を受ける控除の選択画面では「医療費控除」にチェックを入れてください。
14)源泉徴収票入力選択。
給与所得を源泉徴収票から入力します。「入力する」をクリックしてください。
15)源泉徴収票の入力画面。
ポップアップ画面が立ち上がり源泉徴収票の画像の番号に合わせて「①支払金額」「③所得控除の額の合計」「④源泉徴収額」を入力して下さい。注意としては、ここでは「②給与所得控除後の金額」は入力しないで下さい。
あとは給与の支払者情報等を源泉徴収票からそのまま入力して下さい。
16)給与所得の入力確認。
給与所得の入力の画面で源泉徴収票から入力した内容を確認して下さい。
17)収入金額の入力確認。
収入・所得金額の入力の画面では源泉徴収票から入力した内容を確認して下さい。ここでは所得金額が表示されます。
18)所得控除の入力→する。
所得控除の入力画面では「医療費控除」の「入力する」ボタンをクリックして下さい。医療費控除の詳細入力に進みます。
19)医療費控除適用選択。
今回はセルフメディケーション税制ではなく医療費控除の適用が目的ですので「医療費控除を適用する」をクリックしてください。
セルフメディケーション税制が有利か医療費控除かどちらが有利かわからない方には控除額を試算する仕組みもあります。
20)医療費領収書から明細書選択。
「医療費の領収書から入力して明細書を作成する」を選択してください。「次へ進む」をクリックします。
21)医療費の入力。
「入力する」をクリックするとポップアップ画面で医療費の入力ができます。
22)医療費の入力、つづけてもう一件。
医療を受けた人ごと、医療機関ごとのに支払った医療費の額を入力します。生保険や社会保険等で補填される金額があれば入力します。先に作成しておいた医療費の明細書があればスムーズです。医療を受けた人ごと、医療機関ごとに集計表が出ますので、間違いがあれば修正します。
23)計算結果の確認-入力訂正画面。
医療費控除の集計後、計算結果が表示され、医療費控除額となる金額が表示されます。
24)医療費控除証明書。
普通はあまりないと思いますが、医療費控除にかかる証明書等があれば入力します。補聴器や眼鏡など医療機関の証明がないと医療費控除の扱いにならないものがあります。
25)医療費控除の金額確認。
医療費控除の金額が表示されますので確認します。
26)還付される金額-計算結果の確認(申告書)。
還付される金額が表示されます。ここまでの努力の結晶です。
27)住民税関連入力。
ここはあまり関係がありません。会社で住民税を天引きしているときはさわらないでください。16歳未満の扶養親族の有無、別居の控除対象配偶者・控除対象扶養親族の有無は「あり・なし」を選択し必要事項を入力します。
28)還付金受取方法選択。
還付金の受取方法を指定します。金融機関の情報や納税地情報、提出先税務署などを確認して下さい。整理番号は入力しなくてもかまいません。提出日を入力して下さい。指名等を確認し、足りないところは入力して下さい。
ここで一旦入力データを保存して、後日再開することもできます。
29)マイナンバー入力。
ここでマイナンバーを慎重に間違わないよう入力してください。
30)確認する帳票の選択。
必要な帳票を指定してください。最初から全部チェックが入っていますから、
そのままでよいと思います。
確認のため印刷できるところまで来ましたが、まだ提出は完了していません。
ここで確認の印刷をすると最終版の印刷と重複します。念のため。
31)送信準備。
送信準備の画面では利用者識別番号の確認やいろいろ聞いてきますが、基本的には「いいえ」です。
32)e-Tax利用可能時間。
e-Taxは365日24時間対応ではありません。ここまで来て何を言い出すのかと驚いてしまいます。ただ1月は幅ひろく対応しているようですが、時間により制限があるということを念頭に段取りを考えてください。困った場合は一時保存で対応してください。
33)カレンダーの見本。
これは令和5年9月のe-Tax対応カレンダーです。各年度ごとにご確認いただき、日曜日の深夜から月曜日の早朝がネックですのでご注意ください。
34)暗証番号再入力。
最後にe-Taxのパスワードを再度入力して「送信する」をクリックすればやれやれ、完了です。お疲れ様としか言いようがありません。
35)送信結果の確認-受付記録の確認。
送信結果が表示されます。「送信が成功しました。」とあれば大丈夫です。受付番号と受付日時は念のため印刷して保存しておいてください。
36)印刷設定。
最終データとして、申告書が印刷できます。プリントアウトして残しておけば確実です。
37)入力データ保存。
e-Taxのデータはダウンロードして残しておくことができます。中身は見えませんが、来年読み込めば入力項目が省略できて役に立つそうです。
■e-Tax、ID・パスワード方式の有効期限を税務署に確認。
◆ 医療費控除e-Tax全手順まとめ。
本項では、医療費控除の確定申告を目指される方に、もっともシンプルでわかりやすい方法として、ID・パスワード方式を推奨しています。実際にたどって申告した手順をできる限り詳しく紹介しました。
医療費控除とe-Taxの手順で迷うところ、わかりにくいところを徹底解説したつもりです。それでも慣れない方は迷われると思います。そもそも意味が分からない単語もあると思います。またなぜ自分が保険料を払った医療保険から給付金がでたらその分を医療費から控除しなければならないか理解できないと思います。
e-Taxでどうにか最後までいっても本当にこれで大丈夫なのか頼りない感じは付きまといます。しかし「国税還付金振込通知書」が届くと無事に医療費控除の確定申告ができていたことが確認できます。
このときはホッとすると同時に、わずかな金額でも納めすぎた所得税を取り戻したという実感がわいてきます。戻ってきたお金で家族と食事にでもいければ報われるというものです。
念のため、マイナンバーカード方式がダメだと申し上げているわけでは決してありません。簡便化が進んで、今ではスマホでマイナンバーカードを数回読み込めば本人認証ができるよう改善されています。自信のある方は、是非ともチャレンジ嫌だ期待と思います。
ただ、サラリーマンなどのように、年末調整が会社で終わっており、源泉徴収票が会社から出るようなケースでは、マイナポータル連携の恩恵は、まだまだ少ないと思います。
まだ不備な部分が多々あろうかと思いますが、ご指摘により徐々に修正してまいります。少しでも迷われている方のお力になれれば誠に光栄です。
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