医療費控除が年末調整できない理由。

サラリーマンの税金は源泉徴収という徴税システムになっています。会社が給料から天引きして納税していますから、税金を納めているという自覚がありません。

さらに年末調整という仕組みがあり、自分で確定申告をするようなことがありません。配偶者控除や生命保険料控除まで会社が処理してくれますから納税者としての自覚が育たないのです。

サラリーマンで副業収入がないにもかかわらず確定申告をするような場合は、医療費控除かふるさと納税ぐらいになります。せっかく年末調整で処理されて確定申告の必要がないにもかかわらず、医療費控除の手続きをする場合だけは自分で申告しなければなりません。

なぜ一緒に会社で済ませてしまえないのでしょうか。

■医療費控除とは、わかりやすく超簡単に!基本のキまとめ。

◆ 医療費控除が年末調整でできない理由は3つ。

1)給与支払いと医療費集計のタイミングが合わない。

年末調整は12月の給料の支払いに合わせて、サラリーマンには11月末ごろから年末調整用紙が配布されます。そして配偶者控除や生命保険料控除などを集計し、総務や経理の担当者が還付すべき金額を割り出し給料に加算して清算してくれます。

毎月の給料から天引きされていた所得税から、払い過ぎた分が戻ってくる仕組みが年末調整と言われるものです。必要な資料や証明書を提出すれば、会社が計算し取り過ぎた所得税を12月の給料に上乗せして返してくれます。確定申告の代わりを会社がやってくれているようなものです。

ということは、医療費控除の対象となる期間(1月1日~12月31日)の医療費の集計は、12月の給料までには間に合わないということになります。まして健康保険組合などから送られてくる医療費の通知書は、翌年の1月~2月です。そもそも年末にはまるで間に合わないわけです。

医療費控除が年末調整できない理由は、給与支払いと医療費集計の締めのタイミングが合わないことだけではありません。しかしこれが大きな理由の一つだと考えられます。

2)医療費控除の対象が複雑で会社では判断しきれいない。

もう一つの医療費控除が年末調整できない理由があります。医療費控除の対象となる治療費や医療機関までの交通費などの判断が難しい費用がとても多いため、会社の総務や経理担当者では判断しきれない場合が起こります。

年末調整の配偶者控除や生命保険料控除は、ルールが明確なので人によって判断が異なるということがほぼありません。しかし医療費控除では、ケースによっては微妙な判断になることがあります。同じ社内の人間であると恣意的な判断が入りやすく、公平性を欠くことにもなります。

また医療費控除は会社で確認作業をするとなると事務作業が大きくなりすぎるので対応できないということもあるかもしれません。あくまでも自己責任で申告し、税務署の判断を仰ぐという形が医療費控除の確定申告なのですね。

3)医療記録などの秘匿すべき個人情報が多い。

もう一つの大きな理由は、医療費の領収書などはかなりレベルの高い個人情報が含まれているということです。

医療費の金額が大きいから、医療費控除の確定申告で所得税の還付を受けるわけです。

そのため自分を含めた家族のなかに、知られたくない大病をした人がいることが知れてしまいます。

税務署の職員は、何の関係もない赤の他人です。仕事として怪しい領収書を機械的に見つけるだけで、知らない人の病気や治療内容に興味はもたないと思います。でも知っている人には、知られたくないこともあります。

医療費の領収書にはやはり秘匿すべき個人情報が多いと思います。ですので会社に提出したり、確認されたりするのはうれしくないというか、いやですよね。

◆ 医療費控除が年末調整できない理由、まとめ。

医療費控除が年末調整できない理由をまとめてみました。わかっているようで、引っかかっていた疑問点がいくばくかでも晴れましたでしょうか。

やはり医療費控除の確定申告は、ご自分で情報収集されることです。領収書を整理し、医療費控除の明細書を作成し、e-Taxで申告されるのがよろしいようです。

税務署からのお尋ねが来ても間に会社が入りませんので、説明するにしてもすっきりできますし、自己主張もやりやすいと思います。

年末調整はその字の通り年末に会社が行う所得税還付の調整です。医療費控除は年明けから自己責任で行う所得税還付目的の確定申告ということで、すっきり区別ができたのではないでしょうか。

 

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年末調整がわからない原因はこれ!所得、控除、配偶者特別控除。

医療費控除、10万円ちょっとでは意味ない理由。

検索されるキーワードを見ていると「医療費控除で10万円ちょっとでは意味ない。」というのがあり結構な数、検索されているのです。

言い方は人それぞれだと思います。しかし10万円を越えた部分にかかっている所得税が還付されるとすれば、せいぜいその1割程度(人によって税率が異なります。)です。

たとえば1,000円超えたなら100円と言うわけですから、10万円ちょっとでは意味ないという気もちはよくわかります。

■医療費控除とは、わかりやすく超簡単に!基本のキまとめ。

◆ 医療費控除の確定申告も費用対効果を考える。

サラリーマンのように年末調整で済んでいるような場合、医療費控除の確定申告は結構余計な手間がかかります。それに見合うだけの還付金がゲットできなければ、取り組んでみようという気にならないと思います。

医療費の領収書を合計してみたところ10万円はかろうじて越えるような場合があります。

大した金額でない場合は、費用対効果がよろしくないので医療費控除の確定申告は見送るという選択もあると思います。

いくらからなら意味があるかは、人それぞれによって違います。11万円ならダメでも12万円ならお昼ご飯の足しになる程度なので、やる気が起こるかもしれません。

医療費控除の確定申告に取り組むかどうかの線引きは、費用対効果を考えるべきと申しあげています。しかしそれだけではなく知らないことにチャレンジすることは、還付される金額以上に学びが多いということは言えると思います。

医療費控除とは、やり方、確定申告の外せない15の注意点を総まとめ。

◆ 税金を取り戻すという意義と気概が大事。

本来、支払わなくてもよい税金はきっちりと取り戻すという気概が大事ではないかと思います。

税金というのは、還付の場合自己責任で、それなりに手間がかかります。でも徴収する方は、厳しく取り立てる仕組みになっています。

サラリーマンなどは断りもなしに、有無を言わさず給料から天引きされます。事業者などは指定の期限までに自主的に申告し納税しなければ、延滞税などのペナルティーが加算されます。

ところが取り過ぎた税金は、納税者が気付いて還付申告をしない限り放置され、取り込まれてしまいます。

さらに還付するお金には、取り込んだ期間に応じた利子がつかないのです。本来払わなくてよい税金、還付されるべき金額は国全体で見れば、膨大になっていることでしょう。

納税は国民の責務です。しかし納めすぎた税金は一円たりとも取り戻すことに意義があり、庶民の気概と言うべきかと思います。

還付金は金額の多寡にかかわらず、妙にうれしくて、してやったりの感があり、家族に自慢したくなります。

◆ 抜けがないか見直し、関連費用を積み上げる。

医療費を集計してみたところ10万円ちょっとでは意味ないとお考えの方へ、いくつかのアドバイスが可能です。

医療費控除というのは、結構奥が深く、見落としや間違いがたくさんあると推定されます。

医療費控除についてはかなり深く調べ、関連記事を10以上書いていても知らないことや見落としが出てきます。それだけに以下のアドバイスをご参考にされて、上積みできる経費がないか、別の仕組みは使えないか再度検証されることがおススメです。

その1)医療費の明細書(医療費のお知らせ)に頼らない。

健康保険組合などから送られてくる医療費の明細(医療費のお知らせ)以外に治療として支払った費用はないか確認することが先決になります。

あん摩、鍼灸、柔整、整骨などの自費診療はないか見直してください。予防接種、健康診断は対象外です。通院のための交通費も整理して、医療費控除の明細書を作成しておくととてもわかりやすくなります。

■医療費控除で自費診療が使える理由。

その2)医療費の領収書から交通費などの関連費用を類推する。

医療費の領収書を頼りに、医療機関までの交通費を割り出して加算してください。薬局までの交通費も含めて下さい。マイカーのガソリン代や駐車場代は対象外です。メモ書きでもよいのですが公共交通機関に限ります。

■医療費控除で交通費はどこまで、還付留保と真実。

その3)ドラッグストアの領収書は残しておく。

治療目的の医薬品は、医療費控除に使えます。治療又は療養に必要な医薬品の購入ということで考えれば、市販の風邪薬や下痢止め薬、頭痛薬などの痛み止めは医師の処方や指示がなくても医療費控除の対象となります。

もっと事例をあげれば、虫刺されでもかゆみ止めでも治療です。ただし一般的支出される水準を著しく越えない部分の金額という条件付きです。ここではスイッチOTC医薬品という制限はついていません。

■医療費控除で医療費通知書が役に立たない理由。

その4)セルフメディケーション税制が使えないか検討する。

そもそも10万円に遠く足りない方は、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)を検討してください。

令和8年12月31日までの期限付き税制で12,000円以上から88,000円までの範囲となります。健康診断を受けているなどの条件付きで、スイッチOTC医薬品の出費に限定されます。しょぼい税制ですが、意味ないとも言えません。

■セルフメディケーション税制の注意事項。

◆ 医療費控除は10万円ちょっとでも意味がある、まとめ。

医療費控除で意味があると思うことは、自分が支払っている所得税や住民税を意識することができることです。

また社会的な医療保険制度などの仕組みの理解も必要ですから、自分や家族が病気をしたときの助けになります。

それ以外にも確定申告や年末調整の仕組みと限界を知ることができ、少しは知恵を絞り節約志向が身につきます。

また、日々進歩するマイナンバーカードやe-Taxなどの新しい仕組み、いわゆるDXにチャレンジすることで学びが広がります。老後に備えてライフプラン、キャッシュフロー管理のテクニックが身につくと思います。

医療費控除には10万円というバーがあります。ちょいとばかり金額的に越えても意味がないとお考えの方に、少しばかりのテクニックと医療費控除の意義をお伝えするために書きました。

一番良いのは家族が元気で、医療費控除など考えなくてもよいのが理想なのです。そうは言っても、誰でも寄る年波にはあがらえないもので、大病はしないまでも、いくつかの医院にかかります。毎日朝晩サプリメントと何種類かの薬を服用せざるを得なくなります。そうなると、医療費控除という仕組みのありがたさを感じることになります。

医療費控除、保険金がばれるのは支払調書。

医療費控除で保険金がマイナスされる本当の理由。

医療費控除で自費診療が使える理由。

自費診療とは自由診療とも言われますが、健康保険が使えない治療です。

健康保険が使えない治療であっても、病気や体の不調などの治療を目的としていれば医療費控除の対象になります。

自費診療は健康保険が使えないので金額が大きくなりがちで、医療費控除にはまれば大きな節税になります。

自費診療でも美容整形のように治療目的とは言えない場合は、医療費控除に含めることはできません。この辺の線引きは微妙な部分もあります。判断に迷うことや、納得できないケースも見かけます。

■医療費控除とは、わかりやすく超簡単に!基本のキまとめ。

◆ 医療費控除では、保険適用外でも治療であれば対象。

自費診療は保険適用外と言い換えることができます。保険適用外とは健康保険が使えない治療で、かかった費用は全額個人が負担します。3割負担とかにならないので、残りの7割の支払も発生します。言い換えれば全額自費診療となります。

たとえば、インプラントや鍼灸などで治療を受ければ、普通の病院のように健康保険証は使えません。でもその領収書を残しておけば、医療費控除に加算できます。確定申告をすれば、その金額に対応する所得税が還付されます。

インプラント治療では場合によっては数十万~百万以上かかることも珍しくありませんから、還付金も相当な額になります。自費診療は医療控除として申告しない手はないわけです。

■医療費控除でいくら戻るか、還付金を事例で紹介。

◆ 自費診療でも治療かどうか、迷うところです。

自費診療でもagaと呼ばれる男性型脱毛症は対象外となります。

ご本人にとれば治療が必要な場合でも、医療とは見られない理不尽もあります。

そうかと思えば、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師による施術の対価は対象となります。

この辺は微妙なケースが多いですが、基本自己申告ですから、治療にすれば問題となることはありません。

歯医者さんではインプラントを含め治療目的の矯正、虫歯治療などほとんどが治療と認められます。インプラントのように自費診療でも内容的には治療ですから、医療費控除の対象になるのですね。

また悩むところですが、妊婦の定期検診や不妊治療は医療費控除の対象となっています。ピルは避妊目的であれば治療とは言えませんから対象外ですが、医師が処方する治療目的の場合は対象となります。

皮膚科の場合、美容目的では当然対象外です。しかしほくろやシミは判断が微妙ですので医師の判断と確認が必要な場合が出てきます。

何はともあれ、見解の相違が多い医療費控除の対象判断です。原則的には治療と言えるかどうかで判断することになります。

老婆心までに付け加えると、予防接種健康診断は治療ではありません。医療費のような領収書をくれますが、これはすぐにばれてしまいますので医療費に加算しないでください。ただし健康診断で病気が見つかれば対象になります。ややこしいですね。

◆ 自費診療は領収書をなくさないでください。

自費診療は、保険適用外になりますから通院のための交通費と同じ扱いになります。

健康保険組合などから送られてくる「医療費のお知らせ」には掲載されません。

ご自分で領収書を管理して医療費控除の明細書を作成する必要があります。

自費治療の領収書を紛失してしまうと、再発行してもらえなければ、医療費控除の申告ができなくなりますのでご注意ください。医療機関が再発行できないという場合は、支払証明書などができないか聞いてみましょう。

それもダメな場合、お薬手帳やメモなどの傍証をそろえて税務署でごねてみてください。心証がよければ、認めてもらえる場合もあります。

そうならないためにも、自費診療の領収書は重要な証拠物件ですから、決まった場所に医療費の領収書を保存する習慣をつけてください。家族の医療費の領収書もまとめて一カ所に入れておくと安心です。

■医療費控除で医療費通知書が役に立たない理由。

■医療費控除で交通費はどこまで、還付留保と真実。

◆ 医療費控除で自費診療が使える理由、まとめ。

数々の医療費控除に関する記事を書いてきました。その中で感じたことは、結構判断が難しい費用があり、医療機関までの交通費なども記録に残す手間が面倒でついつい漏れてしまいます。

実際の場面では見落としが多いのが、実態ではないかと思います。

医療費を集計するときは、医療費の通知書(医療費のお知らせ)だけで判断せず、日々の記録や家計簿、日記などの記録を見ながら抜け漏れがないか確認された方がよさそうです。

細かいことで言えば治療目的で風邪薬を薬局で買ってもその費用、またその薬局まで公共交通機関で行けば交通費も加算できるのですから、見直せばいろいろ出てくるはずです。

■医療費控除の適用範囲について体系的に解説したページ
医療費控除と介護・高齢者|使える・使えないの境界線。

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