保険証券を紛失したらどうなるか、解決策と整理法まとめ。

お保険証券を紛失したらどうなるか、解決策と整理法まとめ。

相続で保険証券が見つからないとどうなるか、保険証券を紛失していても結論的に言えば何とかなります。

ただし、そういう保険契約があることを理解していることが条件です。主に生命保険を想定していますが、損害保険でも基本的には同じことです。

どちらも契約の証として保険証券や契約内容の明細が書いてある書面があると思います。それが紛失してあり、見つからないと相続のときなどに困ることがあります。

保険証券を紛失したときの対処法と、そうならないための整理法をまとめました。

■生命保険の非課税枠500万が使えない、まさかのケースに注意。

◆ 保険契約を整理するコツを伝授。

誰でも生命保険契約は、何本かあると思います。相続税対策が必要な方はとくに契約本数も多く、内容も複雑になっていることが考えられます。よほど整理上手な方でも保険証券をわかりやすく整理できている方は見かけません。

何もかも一緒にファイルに入れてあれば、まだましな方です。契約内容のお知らせやら、関係ない提案資料が混じり込んでいると思います。これらを区別して整理するのは大変ですが、根気よくまとめれば何とかなります。

しかし保険証券が分散していると、これはわかりにくいことになります。よくあるのが会社の金庫に名義変更したまま保管していたり、大事にしすぎて貸金庫に入れてあったりすることがあります。最近では保険証券を発行しない保険会社があり、様々です。

■みなし相続財産としての生命保険の区別をわかりやすく。

◆ 保険契約はエクセルで一覧表に。

時期を見てエクセルで一覧表を作成しておくと、わかりやすくて便利です。整理するためには、ある程度生命保険の基礎知識が必要です。下記をご参照いただければ大体の見当がつくと思います。ひと手間かかりますが、一覧性に優れ全体像が分かります。

■生命保険の残す書類といらない書類、整理と保管期間まとめ。

何事もそうですがマス割りをして、縦横の項目を揃えたマトリックスにしてエクセルシート一枚にしてしまいます。これで漏れなく管理することが可能になります。

・元気なうちに一覧表を作成。

保険証券が紛失しており、所在がわからないと整理はできません。しかし契約者として被相続人が生きているうちなら、たどることも出来ます。親が元気なうちに一覧表にしてしまいます。思い立ったら、直近に送られてくる「ご契約内容のお知らせ」を捨てないことです。

保険会社としても忘れられると困るのです。しかるべき手続きを取っていただき、支払うべき保険金をきちんと支払いたいのです。

エクセルはどうもと言うなら、棚卸のコツを参考に手書きの紙でもよいので縦横を項目毎に揃えてお書きください。これだけのことで保険契約は手の内に入ります。親ができなければ、子に任せてください。ただし管理を任せると保険金の受取人を内緒にできませんのでご注意ください。

災害などで手がかりがないとか、縁遠くなっていて状況がわからない場合には、生命保険契約者照会制度が役に立つかもしれません。あまり使いやすいとは言えませんが、どうしようもないときには手掛かりとなります。

■フツーに利用できない生命保険契約照会制度。

◆ 保険証券を紛失すると、まとめ。

保険証券は見つからなければ、契約内容のお知らせがあれば十分です。分厚い立派な紙に印字してありますが、なければ再発行も可能ですから、それほど重要に考える必要はありません。保険契約の存在を、相続人にわかるようにしておけば事足ります。

保険金を受け取るとか解約返戻金を受け取るときには、実印と印鑑証明・本人確認を求められます。それさえあれば、保険証券がなくても問題にはなりません。

保険証券が見つからなくても、契約の存在を知りえる資料があれば、保険会社のカスタマーサポートに問い合わせればすぐにわかります。

その際、保険証券番号が必要です。なければ、契約者名、生年月日、住所、電話番号などを確認されますが、正しく伝えられれば教えてくれます。

ただ保険証券がなくても大丈夫とは申し上げました。しかし生命保険契約の整理する上では、やはり保険契約を明確にする生命保険証券と初期の提案書がわかりやすいです。それらの資料をインデックス付きで、ファイリンスすることが賢明です。

法定相続情報証明制度のデメリットと意味ないケース。

相続税がかからなくても相続税の申告は必要。

相続税がかからなくても相続税の申告は必要です。

もちろん相続税がかかるところをあの手この手で、かからないようにいろんな仕組みを使うと、という意味です。

相続税の基礎控除の引き下げでにわかに相続税の対象になった方が4%から6%に増えるという予想があります。

相続税基礎控除は5000万+1000万×相続人の数→基礎控除3000万+600万×相続人の数

実際、課税対象者5万人から7万人に増加すると言われていますから、まさに5割り増しと言うことになります。多いか少ないか見方は人それぞれですが、ボーダーラインにいらっしゃる方には人ごとではありません。

法定相続情報証明制度と生命保険。

■ 相続税を納税しないためには資産評価を減額

しかし資産が5000万あったからと言ってなにも手を打たずに相続税を納税する人はいません。(配偶者と子供2人で4800万の基礎控除、200万が相続税の対象になります。)

言うなれば6%の7万人は資産の評価を縮小したり暦年贈与を使ったりとあの手この手で減額して相続税を納めなくてもよいようにした人を除いて、それでも相続税を納税するほかない方の割合です。

cimg2506実は関西ではこのケースはどうも少ないように感じています。多分関東圏では地価が高くなりつつありますからそういうケースはよくあるのでしょう。

どれくらいの率になるのか予測の域をでませんが、資産具合が下がるほど裾野は広くなりますからかなりの方が相続税は納税しないが相続税の確定申告は必要となると予想できます。

にわかに相続税の対象になった小金持ちの方にとって自分の資産を守りつつ相続税を免れるためには申告などの手間がかかるのです。

相続は皆に訪れるが相続対策は実行する人にしか成果がない

■ 相続税対策は早ければ早いほど効果が高い。

財産があまりなくても自宅などの不動産がある場合は、しかるべき早い時期に専門家に相談し評価額を確認されることが肝要です。それも現在の評価ではなくいつか来る相続の時点での評価を予測しないといけません。

とすれば4年後の東京オリンピックの後に地価が下落する予想するなら長生きはしなくてはいけません。旅立つ時期もなかなか難しいものです。

相続税対策は早ければ早い程良いし、素人判断しないことです。

あらゆる相続税対策は時間がかかります。時間をかけることが出来ればその分効果が高くなると思ってください。相続対策で生命保険をかけるにしても健康でなければかけられません。また生命保険は時間をかけて保険料を贈与するのが基本です。

■相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

とにかく相続税がかからなければ相続税の申告は不要ですからなにもしなくてよいのですが、基礎控除を越えるため相続税を免除してもらうほとんどの制度は申告を必要とします。

税務署はあなたが相続税を払うべき資産を所有しているかどうか把握していると考えて間違いありません。勝手解釈で相続人たる子供たちが困ることがないように配慮するのが被相続人たる親の務めというものです。

■ まとめ

相続税がもともとかからない方は申告しなくてもよいのですが相続対策(争族)が必要であり、相続税がかかるけれどいろいろな制度で相続税がかからなくなる人は相続税対策と相続税の申告が必要になるということです。

ボーダーラインにいらっしゃる方は早めの相続税対策が効果を上げますから、たとえ日ごろから縁がなくても税理士さんなどの専門家に相談をすることです。

相続税・贈与税は資産税を専門とする税理士に相談しないとヤバイ。

生前贈与を非課税に|何から始めてよいかわからない方へ。

生前贈与といっても何から始めてよいかわからない方へ、もちろん贈与税は非課税で。

親も子もそこそこのお年になると何かのきっかけで生前贈与を考えるようになります。

親は老後資金のやりくり算段が見えてきたら、相続税や相続のもめ事が心配になり、子の方は子供の学費やら家のローン負担が重い時期になってきます。

双方の事情がかみ合って機が熟する頃になると「生前贈与」と言うことが見え始めてきます。

ところが生前贈与には税金の知識がからんできます。非課税で贈与するテクニックが必要になります。

これまでサラリーマン一本でやってきた方や主婦業の相続人にとれば所得税は理解できても贈与税は理解できません。贈与税はもらった人にかかります。お金がないから親の援助を受けているのです。贈与税が払える訳がないのです。贈与税なんて非課税が当たり前、これが普通の庶民感覚です。

cimg2505古臭い言い方で失礼しますが、娘を嫁にやるときは花嫁道具一式揃えて持参金付きで送り出しました。次男に新屋を持たせるとき土地家丸ごと建てて住まわせました。誰も贈与税などとは言いませんでした。

贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

また困っている子供や親族に資金援助もありました。それほど世知辛くなく人のつながりと血縁が重視された時代のことです。もちろん贈与税など知りもしませんでした。家の存続が最重要事項で相続争いもそれほど目立つこともなかった時代です。非課税にする方法すら考える必要がなかったわけです。

そもそも身内にお金を渡すことが、贈与税の対象になるなど思いもしません。だから頭から非課税だと思っていますから税理士さんに相談することもありません。サラリーマンや小金持ちには税理士さんは必要ないのが普通です。

■生前贈与のツボ

この辺の庶民感覚と税法上のギャップが生前贈与のハードルを高くしています。

贈与税の対象にならないものは生活必要経費、子供の学費と贈与税の基礎控除110万、税務署が補足できない少額の現金贈与などです。

贈与税の対象とされるのは多額の現金、生活費以外の資金援助、不動産、株式、生命保険契約などの資産の贈与です。もちろん生命保険の名義変更も贈与税の対象です。生命保険の契約という多額の資産の所有権を譲渡するわけですから非課税などということはありません。

子供の海外留学費用やフェラーリを買い与えたら贈与税はかかるかなど線引きの難しいケースもありますが、相続税がかからない貧乏人たる庶民は高額な贈与はしたくても、もともとできません。ローン返済の資金援助とか住宅取得資金援助、生命保険の名義変更、あるいはまとまった現金贈与の時に考えればよいレベルです。

ただ相続税がかかるようなまとまった財産をお持ちの方は計画的な生前贈与により相続財産を減らしていくことが重要です。

まるまる贈与税を払うのではなく贈与税がかからない範囲でこまめに贈与するとか、税制の仕組みをうまく利用して少額の贈与税で生前贈与を実行するなど様々な手法があります。詳細は以下のページに詳しいのでここでは触れません。

■贈与税がかからない生前贈与まとめ

■生前贈与はもめないが死因贈与はもめる元

■親不孝、この子にはあげたくない贈与。

結論です。

生前贈与の難しさは上記に書きました。何の対策もせずに相続に突入すれば迷惑をこうむるのは子や孫たちです。相続税がかかるか、かからないかにかかわらず生前贈与は有効な相続対策(相続税対策)です。適切な生前贈与で争続を未然に防ぐことも人の親たる被相続人の務めです。財産というお金がからむと人は別人になります。くどいようですがこれは人間として仕方がない性(サガ)というものです。無用の争い事を身内に引き起こさないよう、よくよくお考えの上、慎重にということが結論になります。

暦年贈与のおいしい使い方3項目を伝授。

逓増定期保険の間違いやすい経理処理を時系列でわかりやすく。

逓増定期保険の間違いやすい経理処理を時系列でわかりやすく。

逓増定期保険とは、保険期間の経過により、保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険です。保険料は平準保険料として、毎年同じ額となり、保険期間の一定時期まで前払い保険料が含まれます。

そのため途中解約の場合、解約返戻率が高率となる場合があります。

逓増定期保険の保険料を支払った場合、どのような経理処理が正しいかは、保険の専門家でも即答できないややこしさがあります。

逓増定期保険は、基本的には定期保険ですので保険料は損金に落とすことができます。ただ前払い分の保険料がありますので、契約時期によってまた契約内容によって損金で落とせる範囲に制限があります。

さらに幾度かの国税庁の通達により、規制の網がかかり損金割合は縮小してきた経緯があります。

複雑化した逓増定期保険ですが、規制は既契約に遡及しないとされているために契約時期によって経理処理のルールが異なり、契約内容が混在しわかりにくくなっています。

■逓増定期保険の名義変更、ホワイトデーショックまとめ。

◆ 逓増定期の契約時期と契約内容により損金割合の推移。

できるだけ、契約時期と契約内容により正しい経理処理を確認いただけるよう、順に並べて整理しました。

いろんなサイトで説明されていますが、わかりにくい原因は国税庁の言い回しをそのまま引用するからです。契約者側の立場で、理解しやすいように言い換えてみました。

1)契約日が平成8年9月1日(1996年)より以前の契約は、定期保険として全期間において全額損金可能。

2)契約日が平成8年9月1日以降の契約~平成20年2月27日(2008年)までの逓増期保険契約の税務では、条件付きで全額損金可能。

契約年齢が60歳未満あるいは、契約年齢+保険期間の2倍が90歳以下の場合、条件の範囲であれば全額損金が可能です。契約年齢が60歳超であれば、下記例外条件で1/2損金にすることが多いと思います。

詳しく説明すると、例外の条件として、条件①保険期間満了時の被保険者年齢が60歳超、かつ条件②被保険者の契約年齢+保険期間の2倍が90歳超から105歳までの範囲は1/2損金となります。

例:契約年齢50歳、保険期間20年で逓増定期保険を契約するとどうなるかという事例で説明します。

保険期間満了時の被保険者年齢は、50歳+保険期間20年=70歳→条件①に該当します。

しかし、

契約年齢50歳+40(保険期間20年の2倍)=90歳(90歳以下)→条件②非該当です。

事例では、条件①に該当しますが、条件②は90歳以下で該当しないので全額損金扱いとなります。

保険設計では、できるだけ全額損金となるよう保険期間を調整します。ただし被保険者の年齢が高い場合や保険期間を長くとる必要がある場合は、1/2損金で設計していると思います。全額損金の逓増定期保険はとっくに解約されいないと一大事です。継続していることはないと思いますが、1/2損金の逓増定期保険はまだ継続している可能性があります。この辺は経理処理の落とし穴かもしれません。

3)平成20年2月28日(2008年)以降~令和元年7月7日(201年)までに契約した逓増定期保険契約の税務では、

条件①保険期間満了時の被保険者年齢が45歳超70歳以下かつ条件②契約年齢+保険期間の2倍が95歳以下の範囲まで1/2損金となります。

契約年齢が、45歳以下の場合は全額損金可能です。45歳以上であれば、条件付きですが、ほぼ1/2損金時代です。

例:契約年齢50歳、保険期間20年で逓増定期保険を契約するとどうなるか事例で説明します。

保険期間満了時の被保険者年齢は50歳+保険期間20年=70歳(70歳以下)→条件①に該当します。

契約年齢50歳+40(保険期間20年の2倍)=90歳(95歳以下)→条件②該当します。

事例では、条件①条件②ともに該当するので、1/2損金扱いとなります。ほぼこの形の契約になっているかと思います。

経理処理の条件が、厳しくなりまりた。全額損金がほぼ設計できなくなりました。1/2損金で設計できる範囲での提案が中心となっています。

4)令和元年7月8日以降に契約した逓増定期保険契約の税務は、法人税基本通達9-3-5の2に従います。

バレンタインショック後の国税庁の通達により、最高解約返戻率による損金算入割合の制限規制がかけられました。

最高解約返戻率が85%超の場合、資産計上ルールが厳しくなり、9割資産計上、1割損金が限界となりました。全額損金でかけられる新規の逓増定期保険は完全になくなりました。

5)平成31年7月8日(2019年) 以後に契約した逓増定期保険は、法人税基本通達9-3-5の2(バレンタインショック通達)に従います。対象となったのは、定期保険と第三分野の保険です。

解約返戻率が50%以上となる商品についての課税方法を見直し、最高解約返戻金の比率によって損金割合が4区分になりました。

保険の支払保険料について、損金割合の仕方を4区分をシンプルに書くと、

最高解約返戻率      損金割合

①50%以下        全額損金

②50%超~70%以下    6割損金

③70%超~85%以下    4割損金

④85%超         1割損金(保険期間開始から10年は9割)以降は3割損金

ただし、年間の保険料が30万円以下の場合は、従来通り全額損金、養老保険についてはバレンタインショックの税制改正の対象外となりました。

◆ 逓増定期保険の保険料、全額損金条件整理。

前項の説明文でわからないという方のために、できるだけシンプルに箇条書きに期間と損金処理の条件をまとめました。契約時期がいつなのか、契約時の被保険者年齢と保険期間を確認した上で下記のどれにあてはまるか確認してください。

<契約時期>H8.9.1以前まで:定期保険として全額損金時代

<契約時期>H27.2.27まで:ほぼ全損時代

全額損金の条件:下記の①または②のどちらかの条件を満たすこと

①保険期間満了時の被保険者年齢が60歳以下

②被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が90歳以下

1/2損金の条件:下記の③および④の両方を満たすこと

③保険期間満了時の被保険者年齢が60歳超から70歳以下

④被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が105歳以下

1/3損金の条件:下記の5⑤および⑥の両方を満たすこと

⑤保険期間満了時の被保険者年齢が70歳超から80歳以下

⑥被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が120歳以下

1/4損金の条件:下記の5⑦および⑧の両方を満たすこと

⑦保険期間満了時の被保険者年齢が70歳超から80歳超

⑧被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が120歳超

<契約時期>H27.2.28以降:ほぼ1/2損金時代

全額損金の条件:下記⑨の条件を満たすこと

⑨保険期間満了時の被保険者年齢が45歳以下

1/2損金の条件:下記の⑩および⑪の両方を満たすこと

⑩保険期間満了時の被保険者年齢が45歳超から70歳以下

⑪被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が95歳以下

1/3損金の条件:下記の⑫および⑬の両方を満たすこと

⑫保険期間満了時の被保険者年齢が70歳長から80歳以下

⑬被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が120歳以下

1/4損金の条件:下記の⑭および⑮の両方を満たすこと

⑭保険期間満了時の被保険者年齢が80歳超

⑮被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が120歳超

<契約時期>H31.7.8以降:損金割合が大きく縮小、節税効果制限

最高解約返戻率        損金割合

①50%以下          全額損金

②50%超~70%以下      6割損金

③70%超~85%以下      4割損金

④85%超           1割損金

※過去の逓増定期保険に係る損金割合制限の遷移をまとめています。

◆ 経理処理の複雑化が間違いの原因。

逓増定期保険は契約時期と契約内容(被保険者の契約時年齢・保険期間)で損金算入割合が変わります。また、前期期間が終わると損金算入割合が変わり保険積立金の取り崩しが始まります。ここを押さえておくことが正しい経理処理につながります。

ただ、逓増定期保険は解約返戻率がピークのときに解約することを前提としています。ピークを過ぎているにもかかわらず、同じ経理処理をしてはいけません。さらにはピークを過ぎても解約していないなら、大きな見落としがあるかもしれません。

これで困るのは逓増定期保険を契約する時期によって、経理処理が異なるというようなことになりました。わかっている人は当たり前なのですが、保険に明るくない経理担当や税理士さんは混乱します。

以前に法人契約のガン保険でも同様の取り扱いの変更があり、全損と半損が混在する経理処理を区別しなくてはならなくなりました。あちらこちらで経理処理の間違いがあったように聞きます。

◆ 逓増定期保険は役員退職金準備がメインの役割。

もともとこの逓増定期保険はイメージ的に、退職前のそこそこのお年の経営者が短期的に役員退職金を簿外に蓄積するという目的があります。逓増定期保険の特色は保険料が伸びる、多額の損金が可能というところに魅力がありましたから、若い被保険者では保険料が伸びないのであまり使わないという傾向がありました。

◆ それでも逓増定期保険は自己責任。

注意すべきは、逓増定期保険の特色として、解約返戻金のピークを過ぎると解約返戻率は急降下します。それゆえ解約を忘れたり、出口対策を怠ると一大事になります。この辺は短期勝負の逓増定期保険ですから、法人保険としてもリスクがあるところです。

解約時期を忘れて損をしても、誰も責任は取ってくれませんし、売り込んだ銀行の担当者は、転勤していることがあります。このサイトでは至る所で申し上げておりますが、逓増定期保険はとにかく自己責任であることをご理解いただく必要があります。

◆ 逓増定期保険の間違いやすい経理処理、まとめ。

実際に逓増定期保険の経理処理を間違えていたケースがありました。ピーク時期を過ぎても同じ経理処理を続けるという二重の間違いです。一つは逓増定期は解約返戻率が最も高い時期に解約するか、失効させて適切な時期に解約しなければいけません。

そのピーク時を見逃し、解約返戻率が下がり始めて2年目に誤りに気が付いています。また。保険期間の6割が過ぎていれば、保険料は全額損金に代わり、さらにこれまでの保険積立金を取り崩、し残りの4割の期間で均等に取り崩すことになります。

誰も責任を負わないとこのような事態になり、二重の誤りにもかかわらず、何が問題なのかすらわかっていなのです。

幸いにして契約日が平成18年4月であり、被保険者年齢は60歳、保険期間は22年でした。

1/2損金の条件:下記の③および④の両方を満たすこと

③保険期間満了時の被保険者年齢が60歳超から70歳以下

④被保険者の契約時年齢+保険期間の2倍が105歳以下

60歳+22年×2倍=104歳

上記条件で1/2損金処理の逓増定期保険です。ピーク時期が比較的なだらかで解約返戻率の低下が2%程度でしたのでまだ大きな傷になりませんでした。さらにその間違いに気が付いた年は利益が予想より出ており、経理処理の訂正(全額損金と保険積立金取り崩し2年分)が費用化して利益を圧縮する効果が高くなりました。ケガの功名のような節税効果ですが、すぐさま口座振替を振込に変更して失効させました。

この先、3年以内に復活させるか、解約して雑収入を受取る必要があります。2年間分は全額損金で処理していますから、雑収入が増加しています。貴重な経験ですが、解約時期を忘れるリスクはとても大きいのです。解約返戻金が1億なら2%の損は200万にもなります。誠に責任重大なのです。

解約時期を誤るとどうなるか、一番複雑なケースで紹介しました。参考になれば幸甚です。たぶん上記の事例のリスクについて、意味が分かる方は少ないのではないかと思います。とにかく経理処理は専門家にきちんと確認し、さらに裏を取り、間違いないように適切な時期に妥当な手法で処理しないと半端でない損失を被ることになりかねないという警鐘です。