保険営業は成果報酬のフロー型ビジネスか?

保険営業は成果報酬のフロー型、保険会社はストック型ビジネスか?

保険営業は成果報酬のフロー型ビジネスと言えると思います。どうしても成果報酬の宿命として、収入が安定せず苦労します。

その反面、保険会社はストック型ビジネスと言えると思います。

保険営業の本質がフロー型のビジネスなのか、実はストック型なのかを解明します。

保険会社は、保険営業が獲得してきた契約から、毎年支払われる保険料を保険料等収入として積み上げています。保険料を預り金とはせず、売り上げとすることができます。

保険会社はコロナ禍で新規契約の年間保険料が半分になってもつぶれない、ストック型の仕組みがあります。保険会社が言う営業自粛だとかリモート営業だとかを真に受けないでください。保険会社の使い捨てにならない保険営業の考え方が必要です。

なぜなら新規契約が取れなければ保険営業は、続かないのですから。

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◆ フロー型とストック型の違い。

フロー」とはflow、流れという意味で流動的なことを意味します。「ストック」とはstock、ダムに水がためられるように蓄えられたものということを意味します。

組織に属していても営業の形態では、成果と報酬が連動していれば収入が安定せず流動的になります。固定給で働く人は年功序列で、まじめに勤務を続けていれば昇格・昇給します。過去の蓄積の上に成果が積み重なりますからストック型と言えるのではないかと思います。

税理士の先生方にも同様の事例があります。定期的な顧問契約を締結し毎月会計報告会に出席しアドバイスをするような、いわゆる決算税理士はストック型ビジネスに近いです。しかし資産税を専門とされる税理士は、相続発生時に仕事があり、収入が集中しやすくなります。資産税専門税理士の言葉をかりると、収入はジェットコースターにたとえられるそうです。まさにフロー型に近いビジネス形態です。

どちらが良いかは一概に言えませんが、ビジネスの基盤ができていない段階ではフロー型はより厳しく感じることでしょう。安定的な顧客層が形成されるまで、保険営業が苦労する理由がここにあります。

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◆ 保険営業がフロー型である理由。

保険業界の収入構造は食えない程度の基本給に、契約の取れ高に応じて成果給が支給される仕組みになっているのが普通です。(一部の銀行系の保険代理店は固定給があります。)

保険営業をやっているとわかりますが、安定的に成果を上げることはそもそも難しい世界です。

資格が上がり収入が増えても、その資格を維持するために、あと一件に泣くことがあります。そういう意味において保険営業はフロー型のビジネスに近いところがあります。

わかりやすく言うと締め切りまでに契約が取れなければ、資格降格と薄給が待っているわけです。保険営業とは、まったくその日暮らしの不安定なビジネスという側面があります。

しかしそれでは保険営業が早々に行き詰り定着しません。それで成果報酬型と言えども工夫を凝らして、成果給を分割して支払う仕組みを導入している保険会社もあります。

収入の波を少しでもなだらかにして、営業職員の収入を安定させることが目的です。そいう仕組みがあっても所詮はフロー型のビジネスです。損保は契約更新ごとにコミッションが発生しますが、生保コミッションは初回契約時の1回だけですから、そこにフロー型ビジネスになる根本原因があります。

保険営業は数ある営業の中でもひと際厳しく、生き残ることが難しい世界です。それだけに、是が非でも結果を出すしか道がないフロー型の成果報酬が、適していると言えると思います。言いかえれば、保険営業は固定給で成果が出るほど甘くはないということです。(hokenfpは経験者です。)

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◆ 保険会社はストック型、保険営業はフロー型ビジネス。

保険会社の財務状況を見てみると保険料等収入を言う項目が注目されます。これは一般企業の売り上げに相当すると言われますが、少しばかり意味が違います。

保険料等収入は既契約からの保険証収入と新契約の保険料収入を合わせたものです。このため新規の売上(保険料収入)が大きく落ち込んでもストック型のビジネスである保険会社の特性として、既契約から毎年支払われる保険料を含めて保険料等収入として売上計上できます。ですから当期の新規契約で獲得した保険料が仮に0円でも全体の落ち込みは大きく見えません。

保険料は解約されない限り毎年売上として入金は継続されますから、まさにストック型です。保険会社は、保険営業の苦境を尻目に、自動的に太り続ける仕組みができています。

新規売上が激減すれば、普通の会社なら完璧に破産しているところですが、過去の契約を囲い込んでおければ問題点が隠れてしまいます。これは保険会社がストック型ビジネスであるゆえんでしょう。

一般の企業なら新規の売り上げが5割まで落ち込めば財務は一気に苦境になり破綻が見えてきますが、保険会社の新規契約の年間保険料の落ち込みが半分でも、既契約の保険料収入がありますから十分やっていけるのです。

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◆ 保険営業は成果報酬のフロー型ビジネス、まとめ。

保険営業は収入面で見ればフロー型ビジネスです。しかし保険営業はストック型の側面も持ち合わせています。

というのは保険の顧客は、保険を売れば売るほど蓄積され縁が広がり紹介も得やすくなります。そもそも転勤がない個人事業主の側面がありますから、顧客との関係は積み重なるストック型です。ただそこまでたどり着くまでに、失意のうちに転職となる保険営業の挫折のなんと多いことか。

保険営業は、フロー型ビジネスと申し上げました。毎年毎年、新規契約が取れなければ、資格を失い退社するほかありません。フロー型ビジネスの辛いところは、売上に波があり収入が安定しないところにあります。

コロナ禍と言えども言い訳は通用しないのが保険営業です。新規契約が取れなければいずれにしても終わり、蛍の光でサヨナラです。

保険業界、特に生保営業にアドバイスすることは収入面ではフロー型であり苦労すると思いますが、顧客との関係はストック型であるということです。

いかに人間関係のストックを蓄積するかが問われます。保険契約はタイミングです。成果を上げるには単純接触回数をあげてチャンスの入り口を拡大するしかありません。

軌道に乗るまでの数年間、妄想に耐えながら、コロナ禍に負けずに顧客訪問を前向きに続けられるかどうかです。

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保険営業経費は自分持ち、金はかかるがケチればジリ貧。

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