遺言書の誤解、遺書の無力、記事のまとめ。

遺書の間に「言」の一字が入るだけで遺言書は意味も役割も機能も全く異なります。
関連記事を検索しても専門家以外のサイトでは完全に混同が見られます。誤解の多くは遺言書も遺書扱いで最後に言い残す言葉になっています。
世間一般では遺言書が家庭裁判所の検認を必要とする厳格な法律文書であるという認識がありません。故人の思いを伝える私的な手紙と区別ができていないのです。
考えてみれば遺言書にかかわる専門家でもないと、エンディングノートと同じで単に最後に書き残す家族への手紙としか考えないと思います。
Wikipediaには遺言のことを「日常用語としては形式や内容にかかわらず広く故人が自らの死後のために遺した言葉や文章をいう。」とあります。民法で言う遺言と日常用語としての用途が混同を招いているようです。
世間には無理解からくる遺言書の誤解があります。手順を踏んだ遺言書には法的な拘束力がありますが、遺書は遺産分割において個人の気持ちは伝えられますが、ほぼ無力です。
遺書と遺言書の区別がつかないと遺言書を遺書のように死ぬ間際に書くものと思いがちです。遺書は病気で先が長くない人や自ら死を選択する人が思いを書くものです。遺言書は民法に定められた遺産の分割を指定することができる法律文書です。
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◆ 遺言書記事のまとめ
今回は過去に書いた遺言書に関する記事のまとめになります。読みかえしてみると重複する部分もありますし、誤字脱字も見かけますが、我ながらよく切り口を変えて書いてきたものです。
その中で主張していることは、遺言書が世間にいかに理解されていないか、いかに有効に利用されていないか、そして遺言書が手遅れになるケースがなんと多いことか、ということです。興味がある記事があればご一読ください。







遺言書と遺産分割協議の優先度を検証しました。遺言でも遺産分割協議でも争いさえなければどちらが優先でも誰も文句は言わないのですが、骨肉の争族になるなら遺言書が優先になり法律文書としての力を発揮します。
■遺言書、書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

遺言書が絶対必要なのにどうしても先送りして遺言書が書けない経営者の話です。遺言書と遺書は区別が必要、遺言書を書くには気力と体力と知力がある元気なうちに書くことです。認知症や物忘れは静かに密かに近づいてきます。


◆ 遺言書の誤解と威力、まとめ
遺言書があると開封せずに家庭裁判所の検認を受ける必要があります。検認とは難しい言葉ですが、相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせるとともに、家庭裁判所で遺言状の形式要件を確認します。
遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などを確認して遺言書の偽造、変造を防止するための手続きですから遺言の有効性や無効を判断する手続きではありません。たとえば検認では本人の筆跡確認とか相続内容の承認というようなことはしません。相続はあくまでも民法で言われる「私的自治の原則」が基本。裁判所は訴訟にならない限り介入しません。
しかし検認を受けた遺言書は有効な法律文書として相続手続きで活躍します。財産があってもなくても遺言書は争族を防ぐとても有効な手段です。エンディングノートや遺書を書くくらいならぜひ、今すぐ遺言書をおかきください。

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