遺言書の法務局保管開始、検認不要で費用激安。

遺言書の法務局保管は費用激安、自筆証書遺言が検認不要に。

2019年に民法が改正され、相続に関する大幅な改正が行われましたが、その中の「遺言書の法務局保管」がいよいよ7月10日から始まりました。何がどのように便利になって費用はいくらかかるのか、気になるところです。

これまでの自筆証書遺言のような家庭裁判所の検認を必要とせず、公正証書遺言のような手間と大きな費用がかかりません。これにより遺言書を書く方が増えれば相続での身内の争いも軽減されるというものです。

また自筆証書遺言の最大のリスクは、遺言書の破棄・改ざんです。法務局で保管されれば万全です。

民法の相続に関する改正のうち遺言書に関することは下記をご参照ください。

■改正民法2019|遺言書の法務局保管、PC作成。

◆ 自筆証書遺言の保管がなんと3900円の激安。

自分で書く遺言書を自筆証書遺言と言います。その遺言者が直筆で書いた遺言書を法務局に預けることができるようになりました。自筆証書遺言法務局保管制度といいます。法務局とは土地の登記や法人の登記、法人の印鑑証明などをあつかう法務省の出先機関です。自筆証書遺言は金庫に保管したり信頼できる遺言執行者に預けたりすることもできますが、国の制度として法務局が個人の遺言を預かりデータ化して保管します。

他にも公正証書遺言などの方法もありますが、遺産額に応じて費用がかなりかかりますし、証人2名をお願いして公証人役場に出向いて遺言の内容を申述することになりますので費用だけでなく手間もかかります。

ところが自筆証書遺言書保管制度の費用は、遺言書の保管の申請に関して遺言一件につきなんと3,900円なのです。これは申請だけの費用ですから、遺言書情報証明書(遺言の内容を法務局が証明する書類)などを相続人がとるときは1,400円などがかかりますが、それにしても激安です。サラリーマン家庭の遺言などでも、リーズナブルなコストですから利用者のすそ野が拡大すると思われます。

◆ 3,900円の激安で検認不要の遺言書。

法務省も3,900円でサンキューのダジャレを考えたわけではないしょうが、実際の感覚では4,000円と3,900円は、実質的には100円しか違いません。しかしスーパの特売価格の様にイメージ的には大違いです。

言葉足らずの部分を補うと、相続人の地位や関係を証明する戸籍謄本などの費用は、法務局の保管制度に限らずどの仕組みでも発生します。これは仕方がありません。

実を言うと、自筆証書遺言を金庫に保管しておいて、家庭裁判所に持ち込めば、申請書は800円の収入印紙で済んでしまいます。遺言書の検認証明書も150円という破格の安さですが、手続きがめんどうくさいのと最短でも一カ月以上、普通は2カ月かかると思っていた方がよいのです。

遺言書の法務局保管制度ではこの家庭裁判所の検認という煩わしい手続きを飛ばすことができます。そういう意味では3,900円はサンキューと言えるのではないかと思います。

◆ 遺言書の法務局保管開始まとめ。

遺言書は遺言者(被相続人)の直筆が原則です。民法の改正で財産目録はパソコンで作成することが認められるようになりましたが、遺言書の本文はご自身で書かなくてはなりません。

その点ではパソコンで作成した財産目録を書き直す手間は、そこだけ直して印刷すればよいですからとても簡単です。公正証書遺言でも自筆証書遺言でも元となる財産目録をきっちり作成する手間が大変なのです。生命保険や不動産、株式や銀行預金などの財産目録さえエクセルでできていれば、自筆証書遺言で法務局保管制度を利用した場合、公正証書遺言の手間から考えるとかなりの簡素化になると思います。

自筆証書遺言の3,900円をケチってタンスの引き出しや隠し金庫にしまっておくと遺言書の存在を見つけられなかったり、先に見つけた相続人が知らずに開封したり、果ては相続人が自分に不利な遺言書を廃棄するようなことにつながりかねません。遺言書がきっちり執行されるためには、遺言書の性格上、外部機関に預けて管理することはやはり必要なことではないかと思います。

老婆心までに付け加えると、遺言書の法務局保管制度も家庭裁判所の検認も遺言書の形式要件を確認するだけで、遺言書の内容に関しては関与しません。言い分があれば裁判で争ってくださいという立場です。また遺言書で指定したことは遺留分を侵害してまで認められるわけではありません。遺言書は書くときは遺留分に配慮し、出来上がった自筆証書遺言は3,900円をケチらずに法務局の遺言書保管制度をご利用ください。

まだ、これからの仕組みですから現実とマッチしない部分も出るかもしれませんが、こういう仕組みは随時修正され最適化されると思います。遺言書を書く気がなかったhokenfpですが、書いてみる気になりました。しかしよく考えれば自分が遺言書を書いても意味がなく、たぶん家内が書いた方が強力な遺言書になるように思います。

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