元国税調査官の自己矛盾を暴くと驚く話が山盛り。

元国税調査官の自己矛盾を暴くと驚く話が山盛り。

元国税調査官とはOB税理士とほぼ同義語です。優良申告法人であれば諸般の事情からOB税理士との付き合いも必要です。優良申告法人の社長には、元税務署長から年賀状や暑中見舞いが来ます。その後に税理士事務所開業の案内がきます。

優良申告法人では決算、税務申告用の税理士と税務調査対応用のOB税理士の2口を顧問契約していることがあります。どちらも肩書は税理士ですが、情報の質も方向性もずいぶん違います。調査官から税理士への転身は立場が180度変わりますから自己矛盾がありそうです。OB税理士からは税務調査の裏話なども聞けますから参考になります。

◆ 優良申告法人とOB税理士の関係。

優良申告法人として表敬されることは条件がとても厳しいですが、優良申告法人になれれば税務調査でびっくりするような優遇があります。

ここだけの話ですが、税務行政に協力し署長や総務課長に会合の後の意見交換会で一杯注いでおくと何かにつけて配慮いただき落としどころを見つけていただけます。税務署の署長にすれば、調査対象でありながら引退後の顧客になる可能性もありますから、恩を売っておくということもあるわけだと思います。

◆ 税理士の種類とOB税理士の不思議な立場。

OB税理士の話は何度か取り上げていますが、不思議な立場の先生方です。聞くところによると税理士試験合格組の税理士が46%、税理士試験免除のOB税理士が34%とかなりの数に上ります。

OB税理士はもともと国税調査官であり、長じて税務署長のOBであることも多いようです。国税調査官と納税者の立場に立つ税理士とではそもそも相反する立場です。たとえはよろしくありませんが、警察官がドロボーになったようなもので、人によってはもともとの徴税意識や正義感が邪魔をする自己矛盾に陥るようです。

ただOB税理士は税務署や税務調査のツボは理解されていますから、節税するにしてもどこまでが許容範囲かについては見当がつくようです。それ以上にグレーゾーンに踏み込むときはOB税理士には、どうも素直に相談できないという妙な警戒心が納税者側に起こります。

相続税調査をOB税理士に聞くと8割NGの真実。

◆ 国税OB税理士に内輪の事情を聞き取り。

元国税調査官で税理士事務所を開業されている先生は多数いらっしゃいます。商売っ気がないとうか、武士は食わねど高楊枝的な雰囲気が漂っています。その先生に聞いたところ相続税の税務調査の調査率は人手不足により20%から12%程度に低下しているそうです。

コロナ禍ではさらに低くなっていることでしょう。また申告内容がしっかりしているもの、税理士の意見書(書面添付制度)がついているものは調査対象になりにくいそうです。税務調査の結果、非違が指摘できないと成果が上がらないので敬遠するようです。

税理士の自己矛盾、書面添付制度。

税務調査の裏事情は下記の記事に詳しくまとめました。税務署の年間サイクルで税務調査の時期も決まるようですね。

OB税理士、驚きの相続税調査裏事情。

税務署の事務年度は7月はじまりで、6月に終わります。これは確定申告という大事業が1月から3月まであり4月はその事務処理に追われるからだそうです。

また正直な話ですが、4月~6月の成果は人事に反映されないので力が入らない時期だそうです。人事異動は事務年度に合わせて7月にあり、7月~8月は引継ぎや調査先の選定などの準備期間です。よって9月~11月に国税調査官たちが自らの成果を上げるため本腰を入れて税務調査を行う時期なのだそうです。そういえば確かにそのころに税務署から税務調査の連絡があります。

◆ コロナ後の税務調査がヤバイ。

コロナの2年間は、緊急事態宣言が4回発令されその間の税務調査も自粛傾向にありました。当然税収も大幅に減少しているようですから、いよいよ今年(2021年度)は11月までに踏み込んだ大口の事案をターゲットとすることが想定されます。

租税条約に基づく他国との情報交換や、海外居住者の口座情報を自動的に交換する制度(CRS)の活用が進みましたので共有情報をもとにした富裕層、海外資産が狙われることは間違いありません。

また、昨年のコロナ禍で着手できなかった事案がたくさんたまっているものと思われますから、コロナ禍の終息を待つまでもなくこれから税務調査が増加すると思います。甘く見ていると痛い目を見るかもしれません。

OB税理士から聞いた相続税の税務調査の押さえどころ。

◆ 元国税調査官の自己矛盾、まとめ。

税務署というのは強制捜査権もあります。また調査能力は半端ではありません。ただ国税調査官も人間です。いつ自分が調査される側につくことになるかもしれないという自己矛盾があります。

またOB税理士もピンキリです。どちらの味方かわからない中途半端なスタンスの税理士や特定の分野しか知識をもたない税理士、保険を売りたがらない税理士など、お付き合いするにも相手を見極める必要があります。

中にはOB税理士ではありますが、とても優秀な方もいらっしゃいます。そういう方は情報が正確で速いのが特徴です。しかし優秀な方でも税理士業を途中から始めて軌道に乗せるのは大変なようです。とくに資産税を扱うOB税理士さんは収入が安定しないのでジェットコースターのようだと言ってました。

OB税理士は総じて営業力がなく、武士の商法とまで申しませんが、お金儲けやブランドづくりがお上手ではありません。ただ税務署との交渉窓口としては、職場こそ違え元同僚ですから話の落としどころは熟知しています。そういう意味ではまさに適任です。

OB税理士の特性を理解したうえで上手にお付き合いする知恵こそが、経営のお役に立つと言えそうです。

相続税の税務調査は甘くない理由をOB税理士が独白。

生命保険、支払調書の抜け穴をOB税理士に確認。

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OB税理士さんそれでは節税になってまへんが!

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