医療費控除はe-Taxが便利?簡便化まとめ。

医療費控除の確定申告は2017年からルールが変わり、新しくセルフメディケーション税制なども登場しました。このため慣れない人には複雑な仕組みになりました。国税庁の確定申告書作成コーナーがとても便利になり、e-Taxでの申告制度も確立してきました。

これまで利用する立場であれこれ問題点を指摘し、医療費控除の明細書をエクセルのフォームで提供してきました。いまではマイナンバーカード方式でe-Tax申告されるか方が多くなっています。

どうすれば慣れない人がわかりやすく、手間をかけずに医療費控除の確定申告ができるかを模索してきました。

2019年までは、e-Taxを使わずに申告書を印刷し、医療費控除の明細書も医療費の通知も使わずに医療費の領収書をまとめて提出することができました。

でも今では、医療費の領収書は提出不要となりましたが、逆に5年間の保管義務となりました。考えてみれば、以前からの申告方法が紛らわしさがなく、手間もかかりません。

■医療費控除の確定申告、e-TaxのID・パスワード方式全手順まとめ。

◆ e-Tax導入の背景事情。

税務署の申告業務を合理化するために、e-Taxが導入されました。しかし当初は、あまりにややこしく、初期設定に手間がかかりました。さらに別途ICカードリーダーライタまで必要になるため、e-Taxの利用者が伸び悩んだものと思います。

その後、苦肉の策としてe-Taxの個人利用の方法が、一部簡易な手順に変更になりました(運用開始は平成31年1月から)。簡便化などという謳い文句で、登場したe-Tax申告の方法は、ID・パスワード方式と呼ばれるものです。

利用する側から言えば、e-Taxといえども早い!簡単!便利!無償!でなおかつ安全でなければどんな仕組みもうれしくないのです。そういう意味でその後に出てきたマイナンバーカード方式は、慣れない利用者を混乱させたと思います。

◆ 税務署がe-TaxのID(利用者識別番号)付与にやってくる。

税務署にとればe-Taxの普及は業務効率化のため重要な取り組み課題です。

法人ではe-Taxを強引に進めてきましたから、大企業を先頭に一定の利用が進んでいます。しかし個人ではe-Taxの普及は遅れているようです。

そのせいかどうかは知りませんが、優良法人向けにe-Tax利用の簡便化の案内が届くきます。でもそれだけでなく、e-Taxに使うID・パスワードを発行するために本人確認に出張してくれます。(今ではそんなことはありません。)

ID・パスワード方式は、マイナンバーが普及するまでの暫定的な措置と言いながらそこまでやるかとも思います。しかし税務署に出向いて本人確認をお願いする手間は省けますから、結構なことです。これで医療費控除やふるさと納税の確定申告の手間が減るならありがたいと思います。

通常は、ID・パスワード方式に必要な利用者識別番号やパスワードをもらうためには、免許証などによる本人確認が必要です。税務署に出向いてe-TaxのIDとパスワードを発行してもらうことになります。下記は実際、税務署の統括官からもらった書類です。

「ID・パスワード方式の届出完了通知」「利用者識別番号等の通知」です。(個人情報にかかる部分はペイントで削除してあります。見にくい時はブラウザのズームで拡大してください。)

ID・パスワード方式の届出完了通知2利用者識別番号等の通知 (2)

◆ e-Taxの変更点、マイナンバーカードとICカードリーダー不要に

e-Tax利用の簡便化の概要は、下記(■e-Tax利用の簡便化の概要について)にわかりやすい説明がありますから、それなりに理解できます。しかし実際はe-Taxソフトはどうするのとか、電子証明書は不要なのかどうかなど、慣れない人にはe-Tax独自の仕組みがハードルになる可能性があります。

たぶん戸惑うことも多く、医療費控除の確定申告は毎月するわけではないので、慣れたころに終わります。

そして翌年また仕切り直しではないかと思います。

実際にID・パスワード方式でe-Tax申告する方法は、想像以上に便利で簡単でした。マイナンバーカード方式が普及しつつある現在でも、おすすめはID・パスワード方式と言えます。

税務署にか確認したところ、ID・パスワード方式でe-Tax申告しても国税庁が目指すICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))の実績に計上されるそうですから、当面使えなくなることはないそうです。

■e-Tax、ID・パスワード方式の有効期限を税務署に確認。

e-Taxは国民の莫大な血税を投じてできていますから、使えないでは済まないところです。とは言え、税務行政には協力的な立場です。参考までに。

マイナンバーカード方式によるe-Tax利用のイメージ

※上記は国税庁のe-Tax利用の簡便化サイトより引用しました。(とてもわかりやすいです。)

■個人向けe-Tax利用手続き

■e-Taxの運転状況・利用可能時間

◆ 医療費控除にe-taxまとめ。

医療費控除は、ここ数年で大きく進化しました。最終のゴールに近いマイナンバー方式でのe-Tax利用者も大きく増加しています。

それだけでなく、PCでの申告だけでなく、スマホでe-Tax申告を完了されている方もずいぶん増加しています。

マイナポータル連携は、まだ道半ばです。とくにサラリーマンの医療費控除では、源泉徴収票などの情報は勤め先から出てきますので、マイナポータル連携の恩恵は少ないと思います。

マイナンバーカード方式では、スマホでマイナンバーカードのQRコードを読み込みますが、最初の個人認証にハードルがあります。しかし2年目からは、すこぶる便利になります。まだ、慣れない方におすすめしたいのは、税務署で本人確認をするID・パスワード方式です。

税務署によればID・パスワード方式は「マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。」とのことです。(詳しく聞いたところ、ICカードリーダの機能を持ったスマホが普及するまで、暫定的とはいえ今のところ期限はないそうです。

追記:ID・パスワードの新規発行停止について(令和7年9月25日)

ところが、令和7年の9月に上記案内が掲載されました。ID・パスワード方式は発行されなければ、マイナンバーカードe-Taxでやるより仕方がありません。

ただし、既得権のID/パスワードには以下の記述がありました。まだ使えます。

既に「ID・パスワード方式」の届出をされている方は、引き続き「ID・パ
スワード方式」をご利用いただけます。なお、今後の「ID・パスワード方式」
に関する対応については、改めてご案内することを予定しています。

・ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式の成果

確定申告関係保管用封筒(表)

確定申告関係保管用封筒の表面です。この封筒に入れて関連書類を渡してくれます。

ここにはe-Tax利用の簡便化の仕組みがとてもわかりやすく書いてあります。

ICカードリーダライタは、スマホで代用できるようになりましたので、無理やり買った機械は無駄になりました。

実際に医療費控除にe-Taxを利用すると源泉徴収票や社会保険料の控除証明書や一般の生命保険料の控除証明書などの各種証明書の提出が不要になると言います。しかし申告のためには用意する書類なので、とくにメリットとも思えません。

手元に残る医療費の領収書が、煩わしいという点では同じことです。e-Taxの利用で税務署に申告書を提出する手間や郵送費は、わずかに助かるかもしれません。

早い!簡単!便利!無償!というコンセプトからすれば、ID・パスワード方式によるe-Tax利用の簡便化は、一定の成果を上げたと思います。しかし半面では、マイナンバーカード方式への移行が遅れる原因になったかもしれません。

税務署の業務の効率化という点では、ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式では、ほとんど差がありません。申告書がオンラインで提出され、医療費の領収書などの保管が不要になるのですから、かなりの合理化になっています。慣れれば、利用者にもメリットがある仕組みです。

今年も医療費控除のお世話になることは確実ですので、今後さらに詳しくわかってくると思いますから随時追記していく所存です。

■医療費控除の明細書|エクセルダウンロード。

■セルフメディケーション税制の注意事項。

生命保険と遺産分割の経済合理性。

生命保険と遺産分割に経済合理性はあるか!?

CIMG3337税理士さんと話をしているとよく経済合理性という言葉が出てきます。最初はピンとこないのですが少しずつわかり始めてきます。

平たくいうとソロバンにあうかどうか、経済的なもうけの理屈に合うかどうか、理詰めで考えて説明のつく納得できる理由があるかどうか、どうもそのような意味です。

生命保険には、経済合理性があるかどうかとなるとリスクをどう判断するかによりますが、節税保険には明確な経済合理性があります。相続でもこの経済合理性が出てきます。相続に経済合理性は関係がないように思いますが、そうでもないのです。

法定相続人と相続順位の不可解。

◆ 生命保険の経済合理性。

生命保険に限らず保険というものは、万が一のリスクを金銭的に保障する契約と考えると経済合理性の理屈に相容れない部分があります。

保険はもうかるかどうかではなく、損失をカバーする仕組みですから最初から費用対効果を経済合理性で論じるところに無理があります。しかしリスクを評価しそれに対応する保険をかけているというなら一定の経済合理性がないとは言えなくなります。

保険の目的が事業保障であれば経済合理性という視点から見れば意見が分かれると思います。全損の節税保険などは事業保障という保険本来の目的から考えれば経済合理性は低いと言わざるを得ません。

しかし企業の利益を考えると課税の繰り延べを目的とした節税保険は明確な経済合理性があります。課税当局の理屈では経済合理性がなく税逃れと見えるでしょうがね。

相続税で不動産を売却するのは愚の骨頂。

◆ そして遺産分割の経済合理性。

遺産分割では経済合理性に優先して感情が先行することがあります。もめるような相続では相手のやることはすべて否定したいというような憎しみがからみます。

こうなると節税も経済合理性も説得力を失います。争族が経済合理性を超越しているのでもはや説明がつかなくなります。人は必ずしも経済合理性に従い判断し行動するものではないのですが、相続の時はこれが一オクターブ上がる感じです。

大事なことは、普通の心優しき人たちが相続では理性と経済合理性を失い争いに突入するのです。決して自分だけはそうならないと思っていても、相手があるとそうはいかないのです。それだけに相続では遺言書が争族をおさめる切り札になります。

◆ そもそも経済合理性とは。

法人は利益を追求する宿命ですから必ず経済合理性を追求します。個人では必ずしも経済合理的に動くとは限りません。

たとえば原発は再稼働すれば電気料金が値下げできますから経済合理性があるように思います。しかし長期的リスクや廃棄物処理などを根拠に国民感情に反するという理屈もあります。経済合理性という言葉はよい方の意味にあてられるときとそうでない使い方があります。

◆ まとめ

経済合理性があるか?とは難しげに言ったものですが、要するに金もうけの理屈に合っているかどうかということです。

企業が行う節税対策は表裏どうあれ、突き詰めればすべて経済合理性があります。いかなる経営者ももうけにならないこと、損なことはしないからです。

物事は立場が変われば経済合理性がないという理屈が出てきます。正確な言い方をすれば「一般的に見れば経済合理性がない。」とでも言うべきなのでしょう。

ただ、どのような節税対策を行うにしても課税当局に対しては表向きの経済合理性が説明できなくてはいけません。

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保険の選び方は、商品ではなく誰に入るか、保険営業は人で選ぶ不思議。

保険の選び方は、商品ではなく誰に入るか、保険営業は人で選ぶ不思議。

保険商品は比較購買といっておきながら、支離滅裂な話になります。商品の善し悪しはもちろん選択基準ではあります.しかし保険を選ぶとき本当の選択基準は、商品で選んでいると言うよりは、それを売り込む保険営業で選んでいると言うことが多いのです。

そんなことはないとお考えの方もいらっしゃるでしょうが、胸に手を当ててじっくりお考えください。

保険に限らず商売は商品ではなく人で選ぶこともある、不思議ですがそういうものなのです。形のない、それも、仕組みがよくわからない保険商品を選ぶときは、それを扱う保険営業の人柄で判断しているというわけです。なぜかというと、保険の良し悪しなどその時にならないとわからないのです。契約するとき、その時は見えていないですから、保険契約というのは、そもそも山勘契約のようなものです。

そう言うことであれば、売り込む人の信用にかけるしかありません。まさかではありますが、保険の選び方は、商品ではなく誰に入るかと言う側面があると言えるのです。

■保険営業の壁、行くところがないときの効果的な見込み客探し。

◆ 売る側から買う側に回ると見えてくる、保険は人で選ぶ不思議。

申し上げておきますが、売る側から買う側に回ったから気が楽になるというものでもありません。ガム一枚もらわないと豪語しておきながら、冷徹に徹することは難しいと言わざるを得ません。悲しいことですが、相手する保険営業の事情と手の内と締め切りが透けて見えるのです。

そういうものですから、厳しい選択眼で保険を比較し選んでいるように見えても、よくよく考えると人で選んでいるのです。商品のメリットはあとでまことしやかに理由をこじつけるようになります。

保険のメリットなど、視点を変えれば真逆になります。商品で選ぶのではなく誰に入るかという心理が、選択の本質なのです。私情を挟まないと言い切っているhokenfpにしてそうなのですから、経営者に至っては頭から人で選ぶのです。その結果、選んだ理由は後付です。不思議なことですが、それが形のない保険の選択の現場です。

◆ 保険を選ぶ本当の理由。

多くの場合、提案書や説明を聞きながら保険商品を比較していますが、実のところ選ぶ理由を探しています。どの保険にも開発のコンセプトがあり、よい面とそうでない面が共存しています。

FP(ファイナンシャルプランナー)が保険のランキングを発表していますが、保険は何を目的とするか、本人の価値感により選ぶものが大きく変わります。ランキングが意味ないとまで申し上げませんが、保険の価値は事情や考え方により変わります。

たとえば法人保険では全損タイプの保険がよいのか、半損タイプの保険がよいのか、どちらも考え方により正解であり不正解なのです。

単純返戻率がよくてもピーク時期やピーク期間が合わないこともあります。保障額や返戻率がよければ初期低解約型の特則がついています。

初期低解約型の保険は、ピークになるまでの解約返戻率がかなり低いのです。途中で解約せざるを得ないようなことになると、元本割れの損が出て、損失が大きな保険になります。

企業でも個人でも山あり谷ありが人生です。企業ではいつ資金繰りに行き詰まるかわかったものではありません。時代の潮目が変わるとあっという間に落ち目になります。そんなとき、やむを得ない事情で保険を解約することがあります。こういうとき初期低解約型の保険は大損します。

保険選択の基準は選ぶ人の経験と知識、価値観に大きく左右されます。

◆ AIが進化しても営業は変わりができない。

ChatGPT(生成AI)の導入が進んでいます。保険会社でも多くの業務は、AIに置き換わるでしょう。多くの業務が合理化されて人の関わる仕事が減少します。しかし営業という職種はそうはいかないところがあります。

営業が機械化されれば競争はなくなり集中が起こります。AIが進化しても営業という職種は人間がビジネスをやる以上なくなることはないと思います。AIが保険説明をしても買う気にならないという感覚があります。

なぜか、AI相手では保険を契約しても喜んではくれないからなのです。保険営業は、契約が取れれば一番うれしい瞬間になります。買う側は少しでも親しくなったら、その保険営業の役に立ってあげたいと思うようになります。

ここが人間と機械との本質的な違いです。AIに好き嫌いは意味がないし、恋愛感情や親しみは持たないですから、保険営業が人間である意味が存在します。

営業が窓口になることで販売する商品に付加価値がついたり、評価が増減したりすることが起こります。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。」といいますが、営業の根本的な本質は好きか嫌いかによります。

保険営業のように形のないもの扱うほど、AI化は難しいと言えるのではないかと思います。保険営業の落としどころが、かすかに見えたという方がいらっしゃれば、この記事にも価値があるというものです。

◆ 保険を選ぶ理由、人で選ぶ不思議のまとめ。

保険に入るいきさつはいろいろあるでしょう。GMP(義理・人情・プレゼントの略)でも人柄でも好き嫌いでもいいのです。そういうしがらみがあればこそ加入動機の後押しをします。そうして加入した保険が後になって契約者を助け、会社を助けそして経営者を助けるのです。

保険選択の理由も加入動機や経緯もすぐに忘れます。保険契約だけが残ります。良し悪しなんぞ神様しかわからないというか、保険とはそのときまで真価がわからないようにできているのです。

保険を選ぶ理由は実にあいまいです。保険加入を人で選ぶとは不思議極まりないと思われるかもしれませんが、多くの商売の本質はそんなところにあるのです。すべからく人は好きな人からしか買いたくないのです。好きな人とは単純接触回数が多くても嫌われない人ですね。

保険営業必勝法、買う側のプロがツボを伝授。

保険営業のコツは押しどころの見極め、買う側の事情を解説。

保険業法で規制されている独自資料のやり放題、保険代理店の野放し。

奥が深い保険業法で規制されている独自資料のやり放題、保険代理店の野放し。

保険営業にもそれぞれのスタイルがあります。でも保険業法第300条では保険募集人がやってはいけないことが定められています。保険会社所属の保険営業は、自作の独自資料は認められていないのです。保険代理店も保険業法に規制を受ける保険募集人です。

しかし保険代理店の営業ともなれば、保険会社の社名を列記した比較資料はあたり前です。さらに代理店の研修用資料でもなんでも持ってきます。そもそもルールを意識しているとも思えない無法ぶりです。説明を受ける顧客は、保険業法など知りません。誰もチクったりはしませんから、問題になることもあまりないようです。

保険提案のために独自資料を作成することは、顧客にとってはわかりやすいです。しかし比較資料としては、フェアではありません。誤解を招くような資料を作成して提案することは、保険を販売するものとしてほめられたことではないのです。

■外貨建て保険のリスク回避、円安で解約の絶好のチャンス。

◆ 保険提案には保険業法に定められたルール。

保険外交員や保険代理店は、保険業法にのっとった販売活動をしなくてはなりません。顧客である契約者保護の立場から、保険募集には保険業法第300条に規制が定められています。違反したものに対しての罰則も定められています。

罰則としては登録取り消しや業務停止命令、または業務改善命令等の行政処分のほか1年以上の懲役、もしくは100万円以下の罰金まであります。これが結構厳しいのです。

なかでも第1項第6号では、誤解を招く比較説明として以下のように定められています。

「保険契約者若しくは被保険者又は不特定の者に対して、一の保険契約の契約内容につき他の保険契約の契約内容と比較した事項であって誤解させるおそれのあるものを告げ、又は表示する行為。」

乗合い保険代理店は、複数の保険会社の提案は一枚の比較表にして提案してきます。どこでもやっていることですが、売りたい保険を中心に資料を作成すれば、これはやはり保険業法的にはグレーゾーンの可能性があります。

しかし保険といえども比較購買するための情報を提供するのは、販売代理店の役割とも言えます。正確な情報で顧客が理解した上で、比較購買の情報提供は顧客利益につながります。

■経営力向上計画の即時償却と節税保険の出口対策を組合せ大胆節税。

◆ 契約者が誤解する提案は問題。

保険会社各社が保険外交員に独自資料の作成を禁止しているのは理由があります。営業ではフェアで正確な資料作成ができないため、保険業法に触れることを恐れています。保険の提案用の資料は保険会社が作成し、承認された資料以外に提示することは厳しく禁じられています。

今にして思えばやむなき処置ですが、保険会社に所属しているときは全く憤慨したものです。本当に何もできないのです。それだけに違反行為と知りつつも、独自資料を作成する保険代理店の事情や気持ちはよくわかります。

ただ独自資料というのは間違いがないとしても、契約者にかたよった情報を与えるリスクは高いと言わざるを得ません。

それにもまして、今月あと1件できなければ資格を失い廃業というような保険営業には、保険業法のコンプライアンスが通じるとも思えないようなケースもあります。

◆ 事務手数料は保険料の割引と同じ。

節税目的の法人保険の比較をするときは、保障内容や保険料が安い会社ではなく、保険料が多くかけられて、解約返戻率がよいものを選びます。節税目的半分、事業保障半分のような半損の長期定期保険でも、解約返戻率は一番の比較要素になります。

そのとき事務手数料があると実質的な返戻率は、事務手数料の率の分だけよくなることになります。多くの会社では20名以上の契約があると団体契約として事務手数料の割引が2%~3%が受けられます。

事務手数料とは言え保険料の割引ですから、その分が実質的な解約返戻率を押し上げるわけです。

事務手数料の割引を受けるために、最低の保障額で社員を必要人数分加入させることがあります。別に保険料が余分にかかっても事務手数料の割引の方がメリットがあるわけです。事務手数料の割引が効く会社とそうでない会社は解約返戻率では多くの場合、勝負になりません。

ただ事務手数料は保険取扱事務を行った会社に支払われる手数料ですから、解約返戻金ではありません。この事務手数料を解約返戻率 にのせた、実質返戻率の資料を独自に作成して提案するのはいけません。保険業法的には、やはり顧客に誤解を与えかねないグレーな手法です。

■高齢社長が引退しないと困る理由、本音はやめたくない。

◆ 剛腕代理店は独自資料で独自説明。

保険業法などなんとも思っていないかのような代理店営業もいます。結果を出す代理店には、保険会社も言いにくいのでしょうか。前項で申し上げたような事務手数料を上乗せした提案書を、独自資料として提出することもあります。

買う側がその辺の事情を理解していれば、確かにわかりやすい資料なのです。でも、たぶんそこまで理解できている経営者はほとんどいないように思います。単に保険会社のA社は実質返戻率がどこよりもよいと理解します。

誤解するとまで言えないかも知れませんが、正しく理解できているとは言いがたいところです。独自資料を作成すると、どうしても売りたい保険商品が目立つように工夫してしまいます。保険業法の立場からは、誤解を招く資料となりそうです。

◆ 提案内容は理解できるまで確認、セカンドオピニオンが重要。

保険を売る側にもそれなりの理屈と事情があることは、おわかりいただけたのではないかと思います。それだけに保険代理店一社だけの情報に頼るのは感心しないところです。

保険提案は複数の窓口を作っておき、セカンドオピニオンとして活用することが大切です。確かに複数の保険代理店と付き合うのは気が重いし、骨が折れますが保険は大きな買い物です。

保険提案を受ける側として注意することは、理解できるまで確認することです。奥が深い保険という商品は、通り一遍の説明で理解できるものではありません。保険会社が異なればさらに保険商品も大きく異なります。

しっかり聞く、わかるまで聞く、その上でセカンドオピニオンです。ただセカンドオピニオンが別の保険代理店ということになると、話はより込み入ってしまう場合もあります。

保険を売るための資料ですから、売りたい保険をよく見せようとするのは、よくあることです。売りたい保険を一番見やすいところに持ってきたり、色を変えて強調したりすることはあり得る話です。

今では、実質返戻率を表示することは禁止されています。代理店の資料では、実質返戻率とは書いてありませんが、それわかるようにしてあります。約束されていない配当を込みにして単純返戻率以外に、返戻率を提案書に印字してくる生保もあります。

◆ 保険業法とグレーゾーン、まとめ。

保険会社に所属する保険外交員は、自分が所属する保険会社以外の商品を売ることはできません。もともと別の保険会社の商品と比較購買を提案することはできません。これは仕方がないことです。

それに対して保険代理店は複数の保険会社をあつかうことができますから、比較購買することが可能です。

最近では保険会社所属の保険営業は、会社で出せる提案書以外の資料を使用することはほとんどなくなりました。グレーゾーンの提案を行うのは、乗合いの保険代理店です。

保険営業や代理店が保険業法を順守するのは当然のことです。しかし買う側も売る側の事情をわきまえて、保険の比較検討を行い、過剰な説明は割り引いて聞くぐらいの度量が必要になります。

経営者の引退間際の悩みをとことん深掘り、共感間違いなし。