雇用調整助成金の悪循環、コロナショックの病巣。

雇用調整助成金の悪循環、コロナショックの病巣。

新型コロナの蔓延で緊急事態宣言が発令され、人々の行動が大幅に制限されました。その結果、外食産業や観光業界、それにつながる業界は不振を極めています。その救済措置として雇用調整助成金制度が活用されています。

何度かの改善を加え、使いやすくなってきましたが安易な雇用調整助成金の申請は、労働の現場で様々な弊害を生み出すようになってきました。労働者の基本は、ノーワーク・ノウペイ(労働無くして給与無し)です。助成金目当ての休業は現場にひずみを生み、不満の源泉となります。雇用調整助成金の悪循環と弊害を具体的に見ていきます。

◆ 雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金は雇用保険の財源を活用し、コロナ禍で売上を落としている企業に対して、休業させた社員の賃金の一部を補填する仕組みです。大幅に売り上げを落としている企業では、実際開店休業状態となり固定費として毎月支払う人件費が大きな負担になります。

これを雇用調整助成金で補助して雇用を維持させようという意義ある制度です。多くの企業が利用し、緊急事態宣言に合わせて再延長されてきました。整理解雇を行わずに、事業継続が可能になるなら、それはそれで大いにメリットがあります。だだ企業の内側にいると雇用調整助成金のもたらす弊害に気づきます。

◆ 勤務時間が総崩れ、助成金目当ての休業シフトが横行。

雇用調整助成金の受給要件を満たす企業がすべて赤字企業というわけではありません。条件に合うような売上減少があれば申請することができます。

助成金が入金すると営業外の雑収入として利益にカウントされます。企業規模にもよりますが、これが結構な額になります。

 

ある会社では累計の受給額が5,000万を越えている例もあります。売上が思うように戻らない企業にとり、営業活動や企業内の通常業務を削減して、社員を休業させた方が手っ取り早く利益を出せることになります。

個人的事情で有給届を提出している社員まで休業扱い、現場が人手不足になっても助成金目当ての休業シフトが優先するようになります。その結果、週に2日しか出勤しない社員や休業と称してテレワークを要求される営業がモチベーションを落としていきます。社員にとって給料さえ支給されれば休業は降って湧いた有給休暇と同じです。その降って湧いた有給が経営にプラスになることはほぼなさそうな気がします。

誰でも経験があると思いますが、長期休暇明けはエンジンがかからないのです。通常の勤務シフトが崩れると緊張感がなくなり、業務に対する対応力が低下します。助成金目当ての休業は目標達成の意欲をそぐばかりか、気が付かない間に能力の低下を招くと言えそうです。

◆ 成果報酬型でもジョブ型でもない日本型企業の勤務習慣。

成果報酬型やジョブ型の企業であれば、社員に対して休業の指示は出せないはずです。自分の労働の成果として賃金が発生するのですから、中途半端な休業補償では納得できないはずです。

ところが日本の企業はほとんどが勤務時間管理で給料が支払われる習慣になっています。営業時間内は業務に携わることが何より重視されます。成果よりまじめに時間いっぱい勤務することが評価につながる仕組みです。

よく働くことの定義として勤務時間の長さがあり、拘束時間に対して給料が払われる日本式があります。業務内容や成果物を評価しない勤務時間評価型と言えるでしょう。中小企業で評価されるのは、いかに長時間会社にいて仕事をしている振りをするかであると言えなくもないのです。日本企業、特に中小企業の生産性の低さは成果管理ではなく時間管理に原因があると言えると思います。

こういった時間管理型の日本企業に雇用調整助成金を当てはめると、休業は社員の士気ややる気をそぎ落とすのですが、経営者は助成金による利益に味をしめてしまいます。休ませるほうが儲かるという逆のジレンマが悪循環を作り出すのですが、経営者がそれに気づくのは難しいかもしれません。

◆ 雇用調整助成金の弊害は4つ。

雇用調整助成金で助成金目当ての休業社員が増加しています。その結果、会社には不労雑収入が、社員には不労所得が発生します。不労収入の悪影響は目に見えないところから浸透します。

真面目に働くという勤労意欲の減衰、有給休暇と休業のアンバランス、社内部門間の休業格差による不満の蓄積といくつもの弊害を生み出しています。ここまで見てきた雇用調整助成金の弊害を4つに整理しました。

弊害その1)社員の士気と勤労意識の低下。

毎日会社に出勤し、期首に立てた目標を達成するために朝早くから夜遅くまで仕事をするという社員の士気が萎えてしまいます。まじめに一生懸命働くという労働者としての基本的なモラルが休業により崩れてしまうことがあります。やる気があっても休業と言われれば反対もできませんし、こっそり仕事をするということもできません。

弊害その2)収入の減少によるモチベーションの低下。

休業させる場合、多くのケースでは給与の減額があり60%から80%となります。仮に100%支給されたとしても残業はなしになるでしょうから、いずれにしても手取り額の減少は避けられません。補助金収入により会社は潤う部分があるかもしれませんが、社員にとれば収入の減少のよってモチベーションが低下することは間違いありません。

弊害その3)職種間・部門間の不公平感による不協和音。

全社、全部門を公平に休業させることはできません。例えば総務部門のような間接部門は、休業しながら給料をもらえますが、製造部門は土曜出勤してまで間に合わせているというようなことが起こります。その結果、社内的な不公平感と不協和音が広がります。休業は社員にとり特別有給のようなものですから、一部の社員に偏ると納得できないのです。

弊害その4)不労雑所得により経営判断を招く。

雇用調整助成金は、経営状態に関係なく会社として利益が出ていても条件に適合していれば申請することで支給されます。場合によっては社員を休ませている方が利益が出るという状態になります。本来経営は知恵をしぼり必死で売上を作ることで利益を出すことが求められます。売上を伸ばさなくても助成金で利益が出るという状態は、経営意欲を阻害する麻薬になる可能性もあります。

営業社員にテレワークをさせ雇用調整助成金を受給する例も見かけます。雇用調整助成金を申請するには、一定数の休業が条件になりますから、各部門に休業数を割り当てるようなことも必要になる場合があります。

強引に休業を割り振ると目標達成に取り組む意欲を失い、社員のやる気が骨抜きになる可能性があります。よく考えなければいけないことは、手にした補助金より、たるんでしまった社員の士気低下は、被害甚大と言えるのではないかと言うことです。

◆ 雇用調整助成金の悪循環で生産性の低さが露呈、まとめ。

保険代理店や保険営業に持続化給付金を請求する権利があるかどうかは、過去の記事に書きました。

保険営業の持続化給付金請求は違法か!?

保険営業は成果報酬型と言ってほぼ間違いないところです。従って雇用調整助成金を申請している保険会社はないと思います。一部保険代理店は雇用調整助成金を利用しているところもありそうですが、それに依存すると保険営業の販売力の減退がおこり食いつなげなくなりそうです。

企業のピンチを救う手段として雇用調整助成金を活用するのは十分

意味がありますが、利益が出ている企業、財務体質が良好な企業が雇用調整助成金に色気を出すと弊害が出るばかりか、長期にわたりモチベーションの低下と士気をそぐことになりかねません。雇用調整助成金は受給すればするほど抜けられなくなる麻薬のような悪循環がありますから、コロナショックの病巣の一つとして方々ご用心をと申し上げておきます。

補足ですが、皮肉なことに雇用調整助成金を受給するための強引な休業により、図らずも無駄な仕事、時間つぶしの仕事が大半であることがあぶり出され、生産性の悪さが露呈した形になった会社が見受けられます。

中小企業に限らず言えることですが、利益を上げるために必要なことをどれだけ集約的に行うかが生産性向上のカギになります。そのために利益を上げるために役に立たないことをどれだけ止めるか、

それを実行する勇気と意識を持てるかということが大事です。人間はほとんどの仕事を全力の振りをして6割以下の力でこなしています。他に人がいれば仕事をシェアし時間いっぱいかけて分け合います。それで生産性が上がるはずがありません。雇用調整助成金の想定外のメリットとして、企業の生産性の低さが露呈したと言えるのではないかと思います。

中小企業の事業承継がピンチ:高齢化と後継者不在で廃業・清算の苦境。

コロナ禍|欠損金の繰戻還付で税金を取り戻す法。

コロナ禍|欠損金の繰戻還付で税金を取り戻す法。

コロナ禍で外食産業やそれにつながる問屋・メーカー、観光産業などは緊急事態宣言が延長されるたびに経営状態は悪化し、補助金ではまかないきれない悲惨な状態が続いています。

資金繰りが行き詰り、虎の子の保険を解約して当座資金に充てている例も多いと聞きます。一体いつになれば安心してビジネスが展開できる日々が戻るのでしょうか。経営の現場では、事業計画も売上予算もなし崩しになりその日暮らしのありさまです。

これまで赤字にせず必死のパッチで黒字を維持してきた中小企業には、突然のコロナ赤字による欠損金をどう利用するか考えなくてはなりません。繰越欠損金は欠損を来期以降の利益にぶつけられますが、来期以降に利益がでるか、そこまで会社が持ちこたえるかという問題があります。

とにかく当期の欠損金をいち早く穴埋めするには、欠損金の繰越ではなく、耳慣れない言葉ですが欠損金の繰戻還付という手法があります。

◆ 繰越欠損金と繰戻欠損金。

コロナ禍の状況では赤字決算を余儀なくされている中小企業もあろうかと思います。当期の赤字は来期以降10年間繰り延べて、利益と相殺できることはご存じだと思います。ところが別の視点で、当期の赤字に対して前期の利益をぶつけて還付金を得ることもできるのです。一時的な赤字決算が発生しないと利用する機会が少ない制度ですが、コロナ禍で突然の赤字決算になれば、この制度による税金の還付が威力を発揮します。コロナ禍欠損で、前期の税金を取り戻す仕組みと言い換えることができます。

■国税庁「欠損金の繰戻による還付」

赤字は繰り越したり繰り戻したりできますが、利益の繰り延べは選択肢が少なくなりました。法人契約の保険でできる利益の繰り延べによる節税対策、は下記をご覧ください。法人保険の解約や減額と組み合わせて繰越欠損金と繰戻欠損金をどのように組み合わせて、コロナ苦境をしのぎ切るか知恵の出しどころです。

節税保険壊滅、令和元年の悲劇しめくくり。

節税保険、バレンタインショックまとめ。

◆ 赤字決算の前に保険の雑収入を活用するか、繰戻還付を受けるか。

会社を経営しているといつも利益が出るとは限らないということは、今回のコロナ禍で骨身に染みたはずです。内部要因だけでなく外部要因であっさり赤字に転落し先行きの資金繰りが見えなくなります。

吹けば飛ぶような中小企業など利益が少しばかり出たからと言って喜んでばかりいられないのです。明日はどうなっているか、来期はどんなコロナが待ち受けているか、事業計画も絵にかいた餅、その通りにできることはありません。それこそ零細な経営とは泥縄、手探りの日々なのです。

少しでも利益が出たときに、税金を抑えて貯金ができれば、利益の平準化に貢献できるのですが、すでにご案内の通り法人税基本通達9-3-5の2で節税保険は骨抜きにされてしまいました。今どきの法人保険では4割損金で返戻率の良い期間が少しでも長い保険を検討するくらいになりました。赤字決算を保険の解約返戻金で補填して黒字化するか、赤字決算として欠損金の繰戻還付を受けるかは経営状態の見通しによります。

しかしそれまでに契約している損金可能な保険は既得権として企業のピンチの時に威力を発揮すると思います。今一度手元の保険契約を見直して、解約、減額、払済、契約者貸付を検討してみてください。

◆ コロナ禍での欠損金の繰戻還付、まとめ。

欠損金の繰り戻し還付は、資本金が1億円未満の中小企業に限られていましたが、コロナ禍の景気悪化を受けて資本金1億円から10億円までの中堅企業にも欠損金の繰り戻し還付が適用できるようになっています。

多くの中小企業や零細企業の資本金はもっとずっと少額ですから大多数の中小企業に欠損金の繰戻還付は適用可能だと思います。

ただ、この恩恵を受けるためには、税務署に対して還付申請を提出する必要があります。やはり税理士の先生に相談されるのがよろしいかと思います。

保険の営業をやっているといろんな企業にぶつかります。景気のよい企業だけでなく、見かけ倒しの実質赤字企業もあります。保険の話だけでなく、幅を広げてアドバイスや財務を改善するヒントになる情報の提供も有益です。

経営者は、多くの場合孤独ですし、あまり人を信用しません。特に社内の人間の言うことは、その社員にとって都合のよい話ではないかと、まず疑ってかかります。ところが、外部の人間の意見は、あっさりと取り入れたり参考にしたりすることが多いものです。保険営業の切り口としては、お客様に有益なインプットをどれだけ与えられるかいうことに尽きます。それと忘れてはいけないのは土俵に乗るためのGNP(義理・人情・プレゼント)です。

たとえ相手がそのことを知識として知っていたとしても、そのことを整理して情報を提供すると知恵が一歩進むということがあります。知っているから実践しているまでの間には、理解の深度に応じていくつもの階層があります。わかりやすく言うとわかったつもりで実のところわかっていない、それが知識の正体です。

コロナ禍での欠損金の繰戻還付は、苦しい中小企業にとり大きな助けになる情報であることは間違いありません。

法人保険で圧倒的な結果を出すための企業情報データベース活用法。

法人保険を企業に売り込むためには、事前の情報収集が欠かせません。

信用調査会社が出している企業情報は、ターゲットとして狙っている企業の有益な情報を提供してくれます。

利益が出ているか、決算は何月か、経営者の年齢は、事業承継の進み具合は、などなど保険設計には欠かすことができない貴重な情報が安価に入手できます。

企業情報のデータベースはどこまで信用できるか、どこを見れば法人保険提案のヒントがあるかなどをわかりやすく解説しました。

信用調査を受ける側の立場でなければわからない調査内容の真実、法人保険を買う側の担当者でなければわからない提案のツボを整理しました。

節税に使える全額損金の保険はほぼなくなりましたが、法人保険の需要がなくなったわけではありません。むしろ企業の財務事情や経営者の状況などを知ることで、保険提案の幅は広がります。企業情報をうまく活用することで、圧倒的な結果を出すことも夢ではありません。

■法人保険の間違いやすい経理処理、注意点まとめ。

◆ 企業情報は信用調査会社が情報収集、その実態は?

株式を上場していない中小企業の財務状況は、非公開ですからブラックボックスです。

そういったところの情報を聞き出し、企業情報としてビジネス化しているのが信用調査会社です。

中小企業では信用調査会社がそもそも何をしているのか、目的は何かを把握していないケースが多いと思います。

年一回決算が終わって3カ月目ぐらいに、信用調査会社から決算内容を問い合わせる封書が届きます。それに適当なことを書いて返信すれば、それがその会社の企業情報として有料で公開されます。回答を放置すれば、電話で問合わせがかかってきます。適当な返事をすれば、それが企業情報として有料で公開されます。

中小企業は、売上や利益、財務情報を公開できるほど優良なケースは少ないので、問合せに決算書を渡して対応するところはあまり見かけません。中小企業では、利益が出ているところは一握りです。あとはどうにかこうにか、赤字をカモフラージュする程度かと思います。

企業情報に利益が赤字で掲載されても、取引に支障が出ます。かといって利益が出ていれば、取引先に値引きを迫られるリスクがあります。

その辺の落としどころと、実際の財務状況にはある程度の差があるとしたものです。ただ、コロナ禍で落ち込んだ財務状況をうかつに公開すると、与信的に信用失う可能性があります。

保険を解約して雑収入を出してでも、赤字は回避しなくてはならないというのがコロナ禍の中小企業の実情です。

■法人保険の目的の第一は事業保障という当たり前を噛み砕くと。

◆ 企業信用調査とは、意味をわかっていない中小企業。

信用調査会社は、帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)があります。他にもありますが、この2社が重複した形で圧倒的な企業情報のデータベースを保有しています。

中小企業の多くは秘密主義が多いので、調査員は情報を引き出すのに苦労します。企業の窓口担当が変われば、また違ったこと言うのはよくあることです。

・調査依頼があれば訪問調査。

調査員が訪問して面談で情報を確認する場合は、どこかから調査依頼が入ったためヒヤリングに来ているのです。金融機関か取引先か、新規取引先、あるいはM&Aのターゲットになっているようなときに、調査依頼が信用調査会社に入ります。調査員に調査の依頼先は知らされません。

調査を受ける側にとっては、根掘り葉掘り聞かれるのでどこまで正直に答えるか悩むところです。ついつい適当な返事をしてお茶を濁そうとしますが、調査結果は分厚い報告書になって依頼者に届けられます。

この辺の事情を考えると、大事な取引先が調査を依頼していることもあり得るわけです。そういう意味では慎重な回答が必要になるのですが、中小企業の多くの場面では信用調査の意味が分かっていないと思われます。

時々決算書を渡す企業もあります。より正確なデータで企業情報が公開されますが、これを詳細に分析した財務情報として有料(割高)で提供されることになります。

財務内容がよほど優良でないと、やはりあとあと問題になる可能性もありますので、決算書の提出はためらいがあると思います。

◆ 法人保険のターゲットとして企業情報の見極め方。

企業情報の信頼度は、決算書なしでもある程度担保されているようです。というのは、毎年確認されますから、数値が大きくぶれると異常値になります。

これまでの売上や利益を基礎にして当年度決算の結果を見ることになります。あまりかけ離れたでたらめな数字では信用を失う恐れがあります。

これまでの売上や利益の経過に続く数字でないと違和感が出るので、当たらずしも遠からずという数字になるようです。

一般的には、信用度が低い企業情報は決算書無しで、数字が丸い報告書は信頼度が低くなります。

利益が少ない会社や赤字会社の特徴は、丸い数字でぎりぎりの利益を書きます。売上が10億なのに利益が1,000万のような見せかけの黒字は、ほとんど実質的には赤字決算と見てとることが正しいと思います。

ただ反対に、継続的に利益が出ているような企業は、報告内容を調整すれば、含み利益があっても言わない限り気が付かれることはないようです。また法人保険で簿外に利益が隠れていても見えてきません。そういう場合にも、解約時期に発生する雑収入の受け皿として保険提案は考えられます。

・企業情報の評点は妥当な評価。

企業の信用調査には、評点というものがあります。多方面の要素から企業の評価を数値化したものです。感覚的に言えば、評点は多角的な内容を含むので、まずまず妥当なところかと思います。

信用調査だけでは見えない事情もありますから、それほど信用できるものではないと言えると思います。評点が50点未満の会社は用心した方がよいことは間違いありません。ただ50点以上の会社も倒産しますし、50点未満の会社でも、支払いはきちんとしているところもあります。

◆ コロナ禍での信用調査会社との付き合い方。

信用できない会社の特徴をあげると社歴が浅い、売上に凸凹がある、数字が丸い、少額の利益金、企業のWebの作りこみが甘いなどがあります。かといって正直に決算を公開するとさらに厳しいことになる場合もありますから、信用調査での対応も考える必要があります。

信用調査に経営者がでて受け答えするようなことは、あまりないかもしれません。でも経営者の人格や評判なども評価基準の要素になります。調査員も人間ですから、応対が高圧的だったり邪険にされたりすると良くは書いてくれません。経営者がコロナ禍を自信無げに嘆くと、信用評価は下がります。内心火の車でも大きく構えて毅然、泰然としていることも大事です。

コロナ禍での信用調査会社との付き合い方は、友好的な関係を築きつつ、情報発信手段として利用するぐらいの心構えが良い結果をもたらすと思います。

信用調査に対応する企業の本音の立場を書きました。この辺から見えることは、法人保険に入る余裕があるかないか、事業承継は準備ができているかどうか、節税提案か事業保障提案かのヒントが見えてきます。

◆ 保険営業の企業情報活用法。

保険営業時代には、TDBの企業情報を活用して利益が出ている企業を決算月ごとにセレクトして、決算前を狙ってFAXDMを送って営業をかけたことがあります。

折り返しFAXが返ってくるなど、結構反応があったものです。ただ今となっては決算前に損金で落とせる保険が少なくなり、FAXDMという手法も評判がよくないようになってしまいました。やはり保険営業としては、地道に足で稼ぐほうが良いようです。

■法人保険の開拓は企業の決算期のFAXDMが有効な手段。

信用調査会社が提供する企業情報は、保険営業をするときには大いに役に立ちます。財務情報だけでなく経営者の生年月日や役員、取引先も掲載されていますから、それらの情報をもとに紹介ルートを探すようなことも可能になります。

Webだけでは得られない情報がありますので、有効活用することができます。ただ調査するにもコストがかかりますから、絞り込んで情報を取得する必要があります。保険会社によっては日経テレコンなどに契約して、自由に取り出せる仕組みがある場合もあります。活用するとよいでしょう。

以下は信用調査会社のリンクです。

■帝国データバンク(TDB)

■東京商工リサーチ(TSR)

・@Nifty企業情報横断検索が便利。

@NiftyはTDBとTSRを組み合わせた、企業情報を横断して取り出せる仕組みです。TDBとTSRを取りまとめた仕組みとして@Nifty企業情報横断検索が使いやすいと思います。TDBにない情報がTSRにある場合もあり、逆もあります。企業情報のよいところは、コンパクトに最低限必要な情報がまとまっていることです。

■@Nifty企業情報横断検索

法人保険のターゲットを調査するのであれば、売上や利益など財務情報が必要です。検索のコツに気を付ければ、@Nifty企業情報横断検索は便利で優れものです。

2026年1月現在の企業情報価格は一見当たり以下の価格となっています。

これは値上げ後の価格です。
・帝国データバンク 企業情報詳細  2,200円
・東京商工リサーチ 企業情報詳細  1,760円

◆ 法人保険で結果を出すための企業情報データベース活用法、まとめ。

企業信用調査は、企業情報としてWebで提供されます。簡単な与信資料としても活用できます。もう少し安価な企業情報もありますが、物足りないところです。

調査される側と企業情報を購入して活用する側について、それぞれの立場で検証しました。

法人保険を提案するときに企業情報のどこを見るかは、経験の積み重ねがものを言います。

継続的に利益が出ている企業には、決算の数月前に節税効果がある保険を提案します。役員のなかに同姓の人がいれば、株主構成を見てみます。事業承継が道半ばであると予測できるなら、後継者を受取人にした提案が考えられます。後継者には将来、役員退職金にあてられるような保険を提案します。

じっくり眺めれば、その企業のリスクポイントが見えてきます。そのリスクを保険に置き換えて提案すれば、チャンスが巡ってくることがあります。

企業情報を押さえていれば、面談での話題も広がります。要は粘り強く、コツコツと相手の懐に入る要領です。

信用調査される企業、依頼する企業、そして企業情報を利用する企業、立場はそれぞれ異なります。しかし情報収集ツールとして、企業情報を利用することが大事ではないかと思います。とくにに法人保険では、貴重な情報が入手できます。

法人保険で頼れるアドバイザーの見分け方、事例を紹介。

定期保険を法人契約すると20年定期で十分価値がある全額損金。

相続準備が進まない本当の理由。

相続準備が進まない本当の理由。

遺言書が書けない理由は様々です。遺言書が書けないオーナー経営者の相談を受けながら気が付いたことがあります。じっくり話し込むと本音の部分も見えてきます。

2019年に民法が改正され相続法が大きく変わりました。遺言書の制度も画期的に変わったと言えると思います。遺言書の財産目録はパソコンで作成することが認められ、法務局で保管という使い勝手の良い制度が始まりました。遺言書を作成するハードルが大きく下がっているにも関わらず、いまだに遺言書どころか財産目録の整理ができないというのは、一体どうしたことなのでしょうか。

遺言書が書けないもう一つの深い理由を記事にまとめました。

民法改正の情報は下記の記事をご参考になさってください。

遺言書の財産目録はパソコンOK、それでも書けない被相続人。

改正民法2019|遺言書の法務局保管、PC作成。

◆ 相続準備が進まない本当の理由は死にたくないから。

不死身のオーナー経営者と言えども相続準備は自分の死に近づくことを確認することになるようです。

人間は誰でも死亡率は100%ですから、人生の区切りとして納得して受け入れられるかというと、資産家ややり手のオーナー経営者ほど内心では自分に迫りくる死を素直に受け入れられないようです。

人生においては一応の成功者ほど、いくらお金を積んでも自分の意のままにならない死は怖いもののようです。

ポロっと聞こえた本音の話ですが、相続準備を始めたくない本当の理由は、死にたくないということであり、死への恐れがあるようです。どういうことかというと例えば借金を清算したり、相続準備として身の回りを整理したりすると妙にお迎えがやってくるというのです。

人は年をとればとるほど加速度的に早く老いていくように感じます。早くしなければ気力がなくなることは理解できているのですが、相続財産の目録整理が進まないのは、取り掛かると人生が次のステップに進みそうで怖いというのが本音なのです。なんとなく気が乗らない、やる気になれない抵抗感は整理したら人生の終わりが来るかもしれない不安があるというわけです。相続整理を始めたり遺言書のことを考えたりするのは自分にとって死を認めることになり、どうも縁起が悪いという気持ちがあるようです。

この心理は、そのお年にならないと理解できない微妙なもののようです。

遺言書の法務局保管制度は自筆証書遺言が検認不要、費用激安。

 

改正民法2019|遺留分の現金支払と特別受益もち戻しの時効。

◆ 相続準備が進まない本当の理由、まとめ。

海千山千のオーナー経営者が最後に困るのが相続準備です。万が一相続財産を整理する前に認知症にでもなった日には大変なことになります。

心血注いできた会社の存続にすら影響があります。経営者なら事業承継対策も怠りなく準備され、自社株もテクニックを駆使して安い価格で後継者への贈与が終わっていると思います。

会社の経営を任せる相続人とそれ以外とでは相続財産を公平に分けることはできません。経営を任せる後継者に資産を集中し、それ以外の相続人には遺留分を侵害しないように財産分与を設計しておかなくてはなりません。そのためには相続財産の目録と遺言書はどうしても避けて通れません。

自分の死と向き合う相続財産の整理や遺言書は、気が乗らないかもしれませんが会社やそれにかかわるステークホルダーの運命にも影響があるのです。認知症はご自分ではどうすることもできない厄介な事故のようなものですが、高齢になれば間違いなく高い確率で忍び寄ってきます。気がついたら手遅れ、というか認知症という事態に気が付くことがもはやできないという、まさに認知症の怖さがあります。

せっかく民法の改正によりパソコンで相続財産の目録が作成できるようになり、遺言書を何度も手書きで書き直すような手間はなくなりました。遺言書の法務局保管制度も使いやすくとても安価です。これを機に、相続準備が滞っている方の勢いがつくことを祈念しています。かくいうhokenfpは依頼者の目録を作成しますが、自分の目録は相変わらず先送りしています。