相続に非協力的な相続人の譲れない本音と3つの落とし方。

相続税がかかる場合の相続では、10カ月以内に遺産分割協議をまとめなければ相続税の申告ができません。そのため相続人となった人は、たとえ非協力的でも、否が応でも相続に巻き込まれざるをえません。

売れない土地の相続などがからみ、遺産分割協議は進みません。遠方の疎遠になっている相続人は、非協力的になってしまいます。どうすれば相続人の納得が得られるのか、非協力的な相続人の譲れない本音と落とし方をまとめました。

■相続はもともと不公平、兄弟でもめるとあの世で親が涙。

◆ 田舎の不動産は相続したくない非協力的な相続人。

もともと売買もできない資産価値の低い土地は、相続しても固定資産税や管理費用がかかるだけで困りものです。これまでは慌てて相続登記をして、所有権移転をする必要もありませんでした。

そうして何代にもわたり相続時に所有権移転登記がなされない結果、所有者不明土地問題につながりました。

その反省から2024年4月より、相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行う義務があります。

相続時に価値があるのは、現金または換金性の高い資産です。換金性の低い田舎の土地屋敷は、相続人に敬遠されます。欲しくもない迷惑な負動産の相続登記を義務化されても、相続人は困ります。

そして、様々な事情が絡み合い相互に不信が重なると、相続に非協力的な相続人が登場することになります。

■相続での争いは譲れない人間の本性をさらけ出す深い理由。

◆ 時間が経つと考えが変わる相続人。

相続税に申告期限があるため、相続に非協力的な相続人も巻き込んで遺産分割協議は強引に進んでいきます。この時点では、まだ親の意向や威光が残っています。非協力的な相続人にとっても、遺産分割協議は円滑とはいかないと思います。しかし相続税の期限までに妥結するしかありません。

ところが相続税がかからない場合は、申告期限の10カ月に縛られませんから遺産分割協議は無期限となります。当面のお金に困っていなければ、あえて一次相続では争族になりがちな遺産分割協議をせずに、二次相続に先送りするケースが多くあります。

先送りすると、厄介な問題が起こることがあります。本来、まとまる話がこじれるようになることが、往々にしておこります。それは相続人も人間ですから、時間がたつと経済状況や考え方が変わるからです。そこに相続登記の義務化の3年という期限が絡んできます。

相続税がかからないケースほどややこしい相続になるのは、この辺に原因があるように思います。二次相続までの間に金銭援助や親の介護などがあると、相続はさらにややこしくなります。

■相続争いはお金の奪い合い、生前から争族とは悲しい現実。

◆ 非協力的な相続人の胸の内。

いまや交通網の発達で、相続人は日本中に散らばっています。疎遠になっている相続人もいます。それぞれに忙しい日々の生活を抱えていると、相続のことを考えるのは後回しになりがちです。

信用しないわけではないですが、よく理解できない遺産分割協議書に実印を押す気になれません。

納得できるよう説明がしてほしくても疎遠になっていると、連絡するのも問いただすのも億劫になります。多くの非協力的な相続人はそんなつもりがなくても消極的に対応するだけで誤解を受けてしまいがちです。

また相続人同士の仲が良いとも限りません。人には好き嫌いがあります。親族の仲にも気の合う相続人と、そうでない相続人がいます。距離と時間はますます疎遠感を深くし、お互いの疑心暗鬼が事態を深刻にします。

■老後の相続対策は相続税がかからなくても必要な理由。

◆ 相続で見えない生命保険と内緒の保険。

また重要なことですが、被相続人が契約していた生命保険は、相続財産の目録を作成しないと見えてきません。

生命保険は、受取人固有の財産として判例が確定しています。そのため生命保険の受取人が誰になっているかは、遺産分割協議の対象にならないのです。しかし受取人になっていない相続人や受取金額が少ない相続人は、面白かろうはずがありません。

相続税を申告する必要がなければ、被相続人死亡で受取る死亡保険金は他の相続人に断りなく受取ることが可能です。生命保険に限らず、財産評価は見解の相違があり、相続に非協力的な相続人の疑念は、こういった不信感もあり尽きることがないです。

◆ 相続税がかからない二次相続の混とん。

一次相続で遺産分割協議を先送りすると、二次相続になったとき話がこじれやすくなります。

これは実感ですが、二次相続という状況は両親ともに他界し重石がなくなったなかで、残された兄弟姉妹で遺産分割協議をまとめなくてはなりません。

それぞれ別の生活基盤をもつ兄弟姉妹が合意するには、かなりハードルが高くなります。

兄弟は他人の始まりと言いますが、仲の良かった兄弟姉妹が相続の話からギクシャクし始めるのです。一次相続で登記していなかった不動産も固定資産税の支払いを引き継がなくてはなりません。改めて売れない負動産も、引き継ぐ相続人を決めなくてはなりません。

現金や生命保険、債券などの換金性の高い資産は相続したいですが、金食い虫になる不動産はご免被りたいわけです。そういう事情で、相続に非協力的な相続人にもそれなりの言い分と本音があります。

相続人がお互い欲しい財産はキャッシュや株式、生命保険契約です。相続税がかからないレベルだと一般的には、換金性の高い不動産はほとんどないと思います。

その結果、固定資産税だけが重荷になるような、それも売れない不動産の譲り合いになります。田舎相続の田畑の譲り合いとなると、登録免許税や固定資産税がかかる耕作放棄田や老朽化した田舎住宅を引き継ごうとはだれも思いません。そうなると二次相続はますます混とんとしてきます。

◆ 疎遠な相続人の扱い方。

日ごろから行き来がなく疎遠になっている相続人でも、相続を完結させるためにはパスしたり無視したりすることはできません。一人でも実印を押さない相続人がいれば、登記はもちろんのこと相続手続きを行うことはできません。

何度、連絡をしても無視したりする相続手続きに非協力的な相続人がいると、こればっかりは何とか納得してもらわないと手続きが滞ってしまいます。相続に非協力的な相続人の3つの落とし方を下記にまとめました。

1)相手の価値観で相続を考えてみる。

相続に非協力的な相続人の立場で考えてみることをおすすめします。公平な立場でジャッジしているつもりでも、立場が変われば価値観が変わります

相手の価値観で考えることは難しいのですが、譲るところは譲らないと落としどころが見えてきません。こちらの進め方に納得できなかったり、財産目録や評価方法に疑問点があったりするものです。

2)相手の言い分をとことん聞く。

相続人同士の話し合いは、相続に関する限り最終的には金銭の取り分の話に行きつきます。いくら話し合っても容易に納得できるものではないのですが、それでもお互いの言い分を主張することから始めるしかありません。

疎遠な相手にはこちらの言い分は後回しにして、非協力的な相続人の言い分を本音で言うまでとことん聞くことが必要です。そうすることで折り合うヒントが見つかることがあります。

3)第三者に調停を依頼する。

相続人同士ではお互いの利害や感情、これまでの経緯が絡み合い話し合いはまとまりにくくなります。理路整然と冷静に話し合うことが、そもそもできない関係になってしまいます。

そういうときは費用がかかりますが、司法書士などの第三者に橋渡しをお願いすると非協力的な相続人も冷静に聞くことができます。相続税がかからなければ、税理士の出番はありません。弁護士は依頼者の代理人であり、相続人誰かの利害を優先する仕事ですから、本質的に調停には不向きです。

ですから相続登記も絡みますので、経験豊富な司法書士あたりが適任のように思います。直接の利害関係者ではなく、連絡役として手続きに必要な書類を作成する立場ですから、客観的な立場で説明することができます。

◆ 相続に非協力的な相続人、まとめ。

今回の記事は田舎の相続登記を前提にして、経験をもとに考察しています。

相続登記が進まないために、所有者不明土地が増加し社会問題になっています。それを改善し相続登記をしやすくするために、相続登記では登録免許税に関して時限立法ですが免税措置が適用されます。

引用:

令和7年度の税制改正により、免税措置の適用期限が令和9年(2027年)3月31日までに延長されるとともに、次の(2)の免税措置の適用対象が全国の土地に拡充され、不動産の価額が100万円以下の土地であれば、この免税措置が適用されることになりました。

■相続登記の登録免許税の免税措置について(法務局)

相続というのは財産分割ですが、突き詰めると親の資産の山分けです。資産とは端的にお金ですから、本音の奪い合いになるのも生活に追われる相続人としては仕方がないところです。

非協力的な相続人の本音を見てきたところですが、本当のところは本音をぶつけ合う前に、お互いが譲り合い、折り合うことが賢明と言えるでしょう。

本音を言い合ってしまうと、もはや人間関係の修復が難しくなります。もともと財産は、不動産と現金が少々ということが多いと思います。

現金を減らしてまで弁護士や税理士などの調整役を依頼するほどでもない相続では、譲り合い落としどころを見つける方が、取り分が大きくなります。またもめ事を他人に知られたくない、内輪で治めたいという日本人独特の恥の文化が良い方に作用するかもしれません。

遺産分割調停や審判にすすむと、亀裂は決定的になります。それを望むわけではないのなら、もつれた感情の糸を丁寧に解きほぐし、冷静に忍耐強く話し合いで収める努力をすべきところです。

■相続は感情で争族になる理由を体系的に解説したページ
相続は制度ではなく感情で壊れる|遺言書と生命保険で争族を防ぐ考え方 。

親の借金は相続放棄しても受け取れる生命保険金の有り難さ。

逓増定期名義変更の無責任、ラストチャンスの活かし方。

逓増定期名義変更の無責任、ラストチャンスの活かし方。

追記2021/6/25:

国税庁により逓増定期保険の名義変更にかかる保険契約の権利評価の見直しが行われました。2021年6月25日、資産計上額で評価するという通達(所得税基本通達36-37)が発遣されました。さらには2019年7月8日までの契約に遡及し、逓増定期の名義変更スキームは完全に封じられました。

※過去の記事ですので、これまでの経緯として参考程度にお読みください。

コロナ・ショックの緊急事態宣言で会社勤務もままならない中、やり手の保険代理店はアポを取りに来ます。

保険業界で営業自粛をすれば、一気にピンチになります。そんな中で逓増定期保険の名義変更は、最後のビッグチャンスになっています。

それは保険代理店だけでなく、中小企業のオーナー経営者にとっても同じです。

ただ、こコロナ・ショックで経営が傾いている企業には、おすすめのしようがありません。これをチャンスにできるのはこれから数年間、厳しい現実を乗り越えて利益を出し続けることができる、利益体質の企業に限る話になります。美味しい話にはリスクもあります。それやこれやを含めまして一歩踏み込んだ書き方をしました。

■逓増定期保険の名義変更、ホワイトデーショックまとめ。

◆ 逓増定期の名義変更にラストチャンス。

何度も書いてきましたが、逓増定期の名義変更は美味しすぎる最後のウルトラスキームです。この法人保険の行き詰まりの中、さらにコロナ・ショックの真っただ中に一人勝ちの保険代理店は笑いがとまらないようです。いずれはこのスキームも拡散して、国税庁もお目こぼしできなくなるときがくると思います。それまでの間に、どれだけ資金移動ができるかです。

逓増定期の名義変更は契約から名義変更、解約から一時所得の申告まで時間がかかります。平均すれば5年の長丁場です。その間保険料を払い続ける余裕が会社になければ、そもそもできない相談です。継続して利益を出し続けることができる、中小企業のオーナー経営者向けの仕組みです。

また本体の契約は逓増定期保険ですから、仮に国税庁から名義変更時の保険の評価に制限をかける通達が出たとしても、解約返戻率のピーク時に法人で解約すれば、保険積立金がキャッシュに変わるだけで何の問題も発生しません。

◆ どれだけ資金を移したいかで設計。

最初は躊躇気味に一番返戻率がよい会社で、1本だけ逓増定期保険を契約されると思います。でも考え方の基本は会社の利益に対して、どれだけの資金をオーナー経営者もしくは後継者に移したいかで保険料の額を決めます。場合によって枠が足りなければ、解約返戻率の高さは気にせずに複数社で契約することも検討します。

被保険者は身内の役員に限定して、あとあともめないように範囲はオーナー夫妻か後継者夫妻にします。年齢にもよりますが、3社で契約すると最大で年間保険料が1億近くでも可能になります。たとえばそれを4年払うと4億です。

ざっくりですが被保険者2名で一時所得として、3億ほど資金移動が可能です。各社解約返戻率の条件が異なりますので、この通りにはなりませんが、概算とお考え下さい。この際には、資金を集中したい重責のかたを名義変更先の契約者としてください。

◆ 目的は経営の安定、後継者への資金集中。

逓増定期の名義変更による資金移動が有効なケースは、やはり事業承継において後継者への資金集中です。会社を引き継ぐ後継者は、やる気はあるが経験と自己資金が不足するとしたものです。

自己資金をしっかり持つことで、信用のバックボーンができますし、自信もついてきます。これはとりもなおさず、資金を集中する目的が経営の安定にあるということです。また移動した資金は、巨大になりがちな中小企業の経営者の相続税の納税資金になります。

◆ 事務手数料と配当で戻りはナント105。

逓増定期保険の中でも保険会社によっては解約返戻率が高く、当座に寝かすよりはるかにお得な場合があります。実質返戻率(こういう言い方はご法度になりました。)が105%を越えることさえあり得るのです。えっ!とお思いの方があるかもしれません。保険会社によれば、実績として配当が3%は付く会社があります。

団体契約を組むと、事務手数料で3%と消費税を割り引いてくれる会社があります。合わせると5年目の単純返戻率が97%だとすれば実質返戻率は105%越えになります。これは下手な投資より、安全確実で高利回りです。そのうえ名義変更、一時所得という選択肢も可能になります。

◆ 一時所得は1/2課税だからめちゃくちゃ美味しい。

逓増定期の名義変更で、受け取った解約返戻金から必要経費として、法人からの買取金額と1回分の保険料を引いた残りの金額が一時所得となります。一時所得は50万の特別控除を引いた残りの半分が、所得税の対象になります。

要するに退職所得の課税のように、半分は所得税が非課税になっているのです。役員報酬として受け取るよりもはるかにお得になります。役員報酬は簡単に増減できませんから、一時所得がめちゃくちゃ美味しいという言い方もあながち誇張ではないのです。

さらに。役員報酬、役員賞与、配当以外の第四ルートでの一時所得になります。まったくうまくできた仕組みです。

◆ 法人間で名義変更、失効で利益繰り延べ。

逓増定期保険と言えども、基本は普通の定期保険です。法人個人間に限らず、法人法人間でも利益の付け替えができます。これに気が付くと、逓増定期の使い道の幅がグンと広がります。

また雑損失を出す時期をコントロールしたければ、保険料の支払を停止して、失効させる手も使えます。保険独特のテクニックを駆使すれば、自由自在に利益の繰り延べも可能になります。逓増定期保険は、活用範囲の広い誠に面白い保険なのです。ただ、国税通達により資産計上のルールが変わりましたので、当期の節税には使えません。念のため。

◆ 逓増定期名義変更の無責任、まとめ。

煽るだけあおっていて無責任ではありますが、売る立場ではなく買う立場ですので、できることは情報提供だけです

もう一つ逓増定期名義変更の無責任と書いた理由があります。逓増定期の名義変更は管理期間が最低でも5年になります。名義変更から保険料の個人支払、解約から一時所得の確定申告まで、誰かのサポートを期待してはいけないということがあります。販売した保険代理店も契約窓口となった会社の経理担当も、最終的な責任を負うことはできないとお考え下さい。

担当窓口が変われば、もはや無責任ゾーンに突入します。最悪の場合は、名義変更も解約時期も、見逃されることもあり得るのです。そういう意味では、解約返戻率が高い時期が数年は続く逓増定期が安心です。

くどいように申し上げますが、逓増定期の名義変更は受益者自身が管理するということをお忘れなきよう、お願いします。あくまでも自己責任ですね。

※逓増定期の名義変更スキームは、ホワイトデーショック以後意味がなくなりました。過去の記事ですので、これまでの経緯として参考としてください。

生前贈与の注意点とデメリット、相続税対策の失敗と老後の後悔。

相続税の節税対策で、生前贈与を考えておられる方向けに本音の話を書きました。生前贈与にはデメリットもあります。その注意点をわかりやすくまとめました。

相続税がかかる方には、節税対策としての生前贈与の注意点を箇条書きにしました。生前贈与では、「税務署の視点」と「相続人の権利」という落とし穴があります。

税務署の視点では、相続税の税務調査で否認されるポイントについて書きました。また相続人の権利を侵害すると、争族の原因になるということがあります。

相続税がかかるかどうかの庶民層では、生前贈与で注意すべき点をデメリットとして取り上げています。人間にはある程度の年齢になると、見えてくるものがあります。やりすぎの生前贈与が招く人間模様について、経験から考察しました。

老後資金が破綻することがないような、後悔しない生前贈与とはどうすればよいのかを考えます。老いてからの資金的なピンチや相続人との不仲を招かないために、お考えいただく機会になれば幸いです。

■贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

◆ 生前贈与の注意点5項目と落とし穴。

生前贈与の注意点を箇条書きにしました。とくに相続税がかかる資産家は、下記の5項目に細心の注意をしてください。詳細な解説は下にあるリンクをご参照ください。

1.生前贈与はもらった人が自由に使えること。親が管理すれば名義預金と判断され追徴課税。

2.贈与税の改正で生前贈与の持ち戻し(加算期間)が3年から7年に延長、相続税の対象。

3.毎年同じ金額で贈与すると、定期贈与と判断され総額に相続税追徴課税。

4.生前贈与がかたよると、他の相続人から特別受益として相続財産に持ち戻し要求。

5.生前贈与で遺留分を侵害すると、他の相続人から遺留分侵害額請求。

相続税がかかる人が生前贈与する目的は、相続税の節税です。相続税の税務調査で問題とされるのは、主に名義預金です。

また贈与の王道である暦年贈与定期贈与として否認されないことが重要です。通帳・印鑑の管理はもらった人、自由に使えること、念のため贈与契約書と、ときには贈与税の納税があれば確実です。

贈与税の改正により、生前贈与の持ち戻しが3年から7年へ順次延長されることとなりました。このリスクを回避する手段として相続時精算課税の選択をお勧めします。改正後の相続時精算課税制度では、別枠で持ち戻し不要の基礎控除110万円が新設されています。

■贈与税改正、知らないと損する逃げ水贈与4つのポイント。

相続人の立場では、相続財産に特別受益の持ち戻しという言い分があります。遺言書で特別受益の持ち戻し免除の意思表示を残すことで、争族を未然に防ぐことができます。

さらに相続人それぞれの遺留分に配慮した生前贈与と遺言書作成があれば安心です。
※特別受益:特定の相続人が生前に被相続人から受けた贈与や遺贈などの特別な利益。

■特別受益の持ち戻しが争族の火種になると大炎上。

■遺言書の効力がものを言う、絶対必要な7つのケース。

◆ 相続税がかかるかどうか、ぎりぎり庶民の生前贈与は老後の後悔。

相続税がかかるギリギリの庶民層では、生前贈与で財産を移転すれば、相続税がかからないことも考えられます。相続税がかからなくなっても、生前贈与には弊害や副作用がつきものです。

生前贈与で起こりがちな、デメリットやトラブルをまとめました。節税策が功を奏して、税務署対応が不要になっても相続人や家族同士には、不平不満や不協和音が残りがちです。

生前贈与は節税対策だけでなく、老後資金の確保や家族不仲に注意する必要があります。

1.生前贈与のしすぎで老後資金が不足。
2.贈与はもともと不公平、相続人・家族不仲の原因。
3.生前贈与の怖さは、もらうのが当たり前化。
4.生前贈与は子や孫の不労所得、金銭感覚に悪影響。
5.生前贈与は内緒が基本。
6.生前贈与でお祝いはいち早く、援助は最後の最後がコツ。

・度重なる贈与は貧乏の元。

祖父母や親は、子や孫が喜ぶとついつい贈与したくなります。帰省のたびにお小遣いを渡したくなります。何かとお祝いや援助をしたくなります。頭の中では、生前贈与で相続税の節税などと考えていると、生前贈与の額も大きくなりがちです。

子や孫も生前贈与を当てにしだすと、贈与をやめることが難しくなります。この生前贈与が度重なると巨額になることがあります。

何ごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいます。まだ最初から計画した生命保険の保険料のような、金額が固定している贈与は安全です。しかし思いつきの生前贈与は、老後貧乏の元になります。

■生前贈与の注意点とデメリット、相続税対策の失敗と老後の後悔。

・不慮の長生き、生前贈与は慎重に。

何があるかわからないという教訓は、今回のコロナ・ショックでもよくわかりました。人生には不慮の事故、思いがけない病気、想定外の支出、そして新型コロナウイルスのような誰にも予測不能な未知のリスクがあります。気がつけば、相続税の節税どころではないピンチが待ち受けています。

その先には老後資金枯渇という恐怖が、口を大きく開けているのです。コロナ・ショックで景気対策にお金を使いすぎたツケは、最後の砦ともいうべき年金に降りかかってくるでしょう。その結果、虎の子の年金は逃げ水のように先送りされ、老後の資金計画が狂いだします。

たとえば老後のリスクを拾い上げると、ほんの一部ですがあれこれお金のかかることがあるものです。

・老後リスクあれこれ。

・いつまで長生きするかわかりません。
・特殊詐欺に引っかかるかもしれません。
・自宅のバリアフリー改修にお金がかかります。
・海外旅行に行くとお金がかかります。
・孫にせがまれると車を買い与えてしまいます。
・台風や地震などで家が損壊し修理代がかかります。
・大病すれば高度先進医療費がかかります。
・老人ホームや特養の入所費もばかになりません。
・家のリフォームに思いがけない費用がかかります。
・持っていた株が値下がりするかもしれません。
・マンションの大規模修繕費が不足し追加出費があるかもしれません。
・運転免許を返上しても自動運転の車を買うかもしれません。
・子や孫が家を買うとき援助を無心してくるかもしれません。

今は良くても、老後は思わぬ出費がかさみます。見回せばわかると思いますが、FPが設計するファイナンシャルプランのように平坦な老後ばかりでもありません。調子に乗りすぎた生前贈与は、老後貧乏どころか老後破産になりかねません。

さすがに贈与してしまったものは、返せとは言えないのです。医学が進んだ結果、いやな言い方になりますが、不慮の長生きということもあります。老いてからの資金計画の狂いは修正ができません。それだけに生前贈与は慎重にと申し上げたいのです。

・生前贈与の怖さは、もらうのが当たり前化。

贈与とは、棚ぼたの不労所得である相続財産の前渡しです。そもそも期待していなかった贈与は、もらった子や孫にすれば年末ジャンボ宝くじに当たったようなものです。宝くじに当たった人は、柳の下にドジョウが2匹とばかり必ずまた宝くじを買います。

人間とはわがままにできていますから、一度もらってうれしければそれで満足することはありません。余計に、二度目三度目の贈与に期待が膨らむのです。

贈与を当てにされると悲しいことですが、不仲の原因となります。期待を裏切ると不機嫌になり寄り付かなくなるのが怖いので、孫の顔見たさに贈与を繰り返してしまいます。こうなるともらうのが当たり前化して、果ては請求してきます。家を直すとか、車を買うとか理由をつけて援助を求めてきます。

請求金額もエスカレートし、もらう金額が少なくなると不満を言うようになります。生前贈与の怖さは、もらうのが当たり前化することです。こうなったら相続税の節税どころではありません。

・金の切れ目が縁の切れ目、生前贈与で不仲に。

下手をすれば、老後資金の枯渇につながります。挙句の果てが、親子でも金の切れ目は縁の切れ目となったのでは、贈与に意味がありません。安易に生前贈与などしたばっかりに不仲になったり、子や孫から疎(うと)まれたりすることにもなりかねません。

よく考えれば、相続税はあげる側の被相続人(親)が払うものではありません。払うのはもらった相続人ですから、節税など考えなくてもよいのです。あげなきゃよかった生前贈与、などとならないよう慎重にすべきなのです。

ある資産家の奥さんに、二次相続対策をおすすめしたことがあります。「老後資金は減らしたくないし、自分が相続税を払うわけではないので節税は考えていません。」と言われたことがあります。子や孫には宅配のピザ代は払ってくれますが、まとまった金はあげない主義です。実に賢明な方だと思いました。

■教育資金の一括贈与の最大のデメリットと改正点をわかりやすく。

◆ 生前贈与の注意点、親の思いと無心する子の心理まとめ。

親はある程度財産があると、無意識に秘密主義になります。正確な財産を子に伝えないのは、当てにされたくないという心理が働くからです。

その結果、親の老後資金を無心する子の心理は、財産を過大評価してしまいがちなのです。そうなると兄弟姉妹間で、早い者勝ちの無心合戦が始まります。親にすれば公平にとは言いながら、子を区別します。

もらう側の子にすれば自分がもらったことは忘れて、他の兄弟姉妹に贈与されると心底穏やかではなくなります。親に生前贈与を無心する子の心理は、子の配偶者を巻き込んで業(ごう)と欲(よく)が渦巻きます。

いかに冷静な人格者でも顔には出しませんが、こればっかりは逃れることができない性(さが)です。

■生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与。

・生前贈与の感謝は長続きせず。

生前贈与は相続税対策の王道です。しかし生前贈与のやりすぎに陥らないよう十分注意されることが肝要です。決して生前贈与は子や孫のためにはなりません。それどころかご自身の老後資金計画に狂いが生じます。

親心も目先だけでは、子のためになりません。たとえ生前贈与をせずに嫌われても一時のことです。財産があれば、そして財産を手放さなければそのうち寄り付いてきます。

そういう意味での結論です。生前贈与は暦年贈与で保険料を贈与する生命保険がベストです。今すぐ使いえない保険料という贈与をもらっても、あまり喜ばれないという特性はあります。しかし保険料であれば、生前贈与の当たり前化にはつながらないので安心です。

あげるなら10万以内、それも不定期で、もらうことが思いがけないほど、もらう方はうれしさが増加するからです。

お金というものは、あったらあっただけよいというものではないように思います。少し足りないくらいがもめ事が少なくなります。

子供は可愛いから、お金を渡したくなるのが親心です。もらう側の子にすればいきなりの不労所得、そのときはうれしいし助かりますからくれた親に感謝します。

でもその感謝は長続きしません。何度もあげると今度はもらうのが当たり前、もらえなければ不満に思います。お金をあげた結果、疎まれるというか、金の切れ目が親孝行の切れ目というか、そういうものです。

・子供に金を残すくらいなら使い切りなさい。

我が子も含めて、お祝いはいち早く届けるのがコツです。しかし人への援助は、最後の最後でよいのです。援助はあわてないことです。

暦年贈与の難しさは「あげる・もらう」が当たり前になることの難しさがあります。あげたものを返せとは言えないですから、贈与ばかりがよいとも限らないのです。

せっかく自分の老後のためにためたお金ですから、思い切り散財すればよいのです。豪邸に住み高級外車に乗り世界一周旅行に行き、ブランド物で身を固めるのもよいものです。

お金は残さなければ、もめ事のネタは少なくなります。その方がお子達も人間的によく育ちます。子供に金を残してやりたい親心は痛いほどわかります。

でも子供に金を残すぐらいなら使い切りなさい、

ということも半面の真理としてあると思います。ただし使い切って、長生きして銭足らずなんてことにはならないよう、くれぐれも計画的にお願いします。

■相続対策と相続税対策を体系的に解説したページ
相続対策と相続税対策はまったく別物|勘違いが悲劇を生む構造。

ローンの援助と生命保険の名義変更はみなし贈与、贈与税が。

押しのきかない保険営業の限界。

押しのきかない保険営業の限界、極意を伝授。

CIMG3656保険の営業は普通の物販会社の営業とはスタイルが異なります。普通の営業は必要とするところに必要とするものを売りに行きます。

ところが保険営業の難しさは、それを必要としていない顧客に必要性を説き、売り込まねばならないということにあります。

押しがきかない保険営業は成果を手にすること下できません。押しがきかないと保険営業はどうなるか、結局限界を超えることができず、道をあきらめねばなりません。保険営業における「押し」の重要性を検証します。

普通の顧客は必要としていないものを売りに来る営業は、単にうっとうしいだけです。自分の時間を割いてまで知らない営業の相手をしたくありません。そういうことですから、保険営業の顧客はどこにでもいるのですが、実は困ったことにどこにもいないのです。

人は皆、知らない人と電車のなかで咳をする人には冷たいのです。人それぞれは、決して冷淡な人ばかりではなく、知っている人には愛想もします。また知っていればアポもとることができます。

これはザイアンスの法則といわれていますが、人は合えば会うほどその人に親しみを感じます。顧客となじみができるという関係になると保険の提案もやりやすくなります。なにしろ保険の場合提案書はありますが、本質的に形も質量もない契約です。まさにしっかりした説明こそが商品そのものになります。

■保険営業の壁、行くところがないときの効果的な見込み客探し。

好きか嫌いかがすべてを決める、ザイアンスの保険営業法則。

生命保険契約は敢えてその事を言い出さないと取れない。

 ◆ あと一押しができない保険営業。

保険を買う側で保険営業を見ていると、結果の出ない営業、結果を残す営業の差が見えてきます。営業経験を積んでいないとこればっかりは、説明しても言葉のうわべだけしか理解できないと思うところです。

保険の営業に関してだけでなく営業という職種に共通することですが、商品の良し悪しや営業の商品知識よりも、買う側が無意識に選ぶ基準がそれを売ろうとする営業マンに対する「好き嫌い」なのです。

■保険営業に向いている人にプロの微妙なコツを詳しく伝授。

そしてその好き嫌いをフォローするポイントがGNP(義理・人情・プレゼント)なのです。まさかとお思いでしょうが、買う側のそれもガム一枚もらわないと宣言する窓口でも、提案された商品の価値判断や上司に対する説明において、微妙に提案した営業に対する好き嫌いが影響します。どうせ発注するならあまり好きでもない人より、好きな人にという選択意識は大きな影響があります。

・単純接触回数は訪問件数、侮るなかれ。

その好き嫌いを決める第一の要素は、単純接触回数なのです。これまでの経験上、好き嫌いの判断基準は無意識ではありますが、人柄よりも単純接触回数だと言い切れます。単純接触回数が多くなれば相手のことがおのずとよくわかります。話をする機会が増え共通項も見つかります。お互いの考え方や生い立ち、趣味に至るまで親しみが広がります。

いわゆる知り合いから知人になり友人の手前までくると、その人のために役に立ってあげたいという心理が働くようになります。そうなると商品の選択眼は好き嫌いの色眼鏡に支配されるようになります。ここまではGNPの「義理」と「人情」が影響を与えるプロセスを説明しました。

もう一つ大きな要素はP=プレゼントなのです。別に誕生日に胡蝶蘭を届けなくても簡単な、たとえば冊子になったメモ用紙やボールペンのようなものをあげるだけでも、もらった方はかすかな負い目を感じるのです。この顧客の負い目こそが、最後の判断のときにわずかな差になります。

できる営業は顧客の好みや趣味を熟知し、ツボにはまるようなプレゼントを付け届けします。喜ばれるプレゼントができれば一流の営業の仲間入りと言えるほど、GNPのPには重い意味があります。

保険営業の押しどころ┃法人保険編。

 ◆ まとめ

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「何言うとんね、ほんまかいな?!」と思う保険営業の方は大勢いらっしゃると思います。

どのように思われるかはご自由ですが、保険を売る側も買う側も経験した立場だからこそ言えることもあります。

ただ、好き嫌いだけではないことも事実です。保険に関する知識はもちろんですが、社会のことや税制に関する知識、事業承継・相続設計などの知識、医療費控除などの知識も話題を広げるのに役立ちます。できれば専門的な知識が豊富で、情報の幅が広い方がよいのですが、選択基準はそれだけではないということです。

顧客が興味をもちそうな情報を事前に仕入れて説明できるような準備も必要です。保険を販売する営業活動には違いないのですが、そうかと言って保険の話だけでは、顧客との距離感が縮まりません。

・最後の手段として「押し」の力があります。

そこまで理解していただいたうえで、普通の物販営業とはちがう「押し」が必要になるのが保険営業のむつかしさです。リスクを理解していただいたとしても、保険に投資するにはどうしても踏ん切りがつかないということがよくあります。

こういうとき保険契約を決めるためには、顧客の背中を押してあげる必要があります。この最後の決断を促す「押し」ができない営業が多いのです。押しができない理由は、押しすぎて断られたらこれまで大事に仕込んできた見込み客を一つ失うことになるので、気後れが先に立つのです。

結果を出すために大事なことは、押してもダメなら次へ行くことです。その保険営業の「押し」を後押しするために保険会社には締め切りがあるようなものです。押しがきかない保険営業にはやはり限界があります。

保険営業を生業とされる方に経験に基づく本音をお伝えしました。けっして甘くない業界のさらに厳しい時代に一条の光明にでもなればうれしく思います。

もらう側のGNPでいえば保険契約は好き嫌いで決まる。