事業承継、アドバイスと口出しの違いがわからない経営者の悲劇。

事業承継、アドバイスと口出しの違いがわからない経営者の悲劇。

前経営者がなかなか経営権を委譲してくれないということは、事業承継の上でよく聞く話です。経営権を委譲するとは、決裁権を与えて任せることです。

決裁権を与えて任せるということは、後継者がやることにいちいち口出ししないということです。

前経営者が経営に口出しすれば、幹部社員は新経営者のご機嫌を伺いつつ前経営者の方を見てしまいます。そうなると、物ごとの決裁が遅れ経営に悪影響を与えます。後継者がいるにもかかわらず、事業承継で失敗する例として一番あげられることは、経営権を手放せない前経営者が、組織のガンになることです。耳の痛いオーナー経営者の方に辛口の進言となります。

経営者の運が会社の運命を決め、社員とその家族の運命を左右する。

◆ 一番多いのは経営権の委譲ができない。

代表権を返上して会長職に就くと第一線を引退したという体裁は作れますから、役員退職金の支給が可能になります。しかし税務署は実際に引退しているか、決裁権や指揮権を委譲しているかに着目します。毎日、のこのこと会社に出てきてあれこれ指示を出したり、決裁印を押していると引退したとは認めてもらえません。朝の出社時間を遅らせて早めに帰宅し、ゴルフの回数を増やして毎週コースに出ても、実質的な指揮権を離さなければ引退したとはならないのです。

事業承継の難しさ、双頭の経営権。

◆ アドバイスと口出しの違いがわからない経営者。

引退したつもりの前経営者にすればアドバイスをしているつもりだと思いますが、実際の場面では後継者が決定してすすめていることを片っ端からひっくり返しているようなことがあります。よかれと思い意見するのでしょうが、後継者や幹部社員にすれば前経営者の言葉は神の声と同じです。抵抗したり逆らったりすることはあり得ません。いくら理不尽なアドバイスでも、自分の考えと違っていても、また後継者の思いと違っていても面従腹背、ごもっともと言わざるを得ないのが宮仕えの辛いところです。

その結果、後継者は自分で判断して決めることを止めてしまいます。経験の浅い経営者にとって、面白かろうはずがないですし、やる気が萎えるのも無理ないところです。かといって内緒で進めて後でバレようものなら誰かが責任を取らされます。幹部社員は保身ばかり考えて前経営者の太鼓持ちになり下がっています。

権力や決裁権を握ったまま引退してもそれは事業承継とは呼べないのです。権力を握っている立場でアドバイスと言ってもそれは口出し以外のなにものでもないのです。口出しはそのまま命令と同じ効果と意味を持ちます。残念ながらアドバイスと言いながら後継者の決定を覆してメンツを丸つぶれにする、口出し前経営者の何と多いことか。

後継者にすれば、代表権のある社長に就任しても営業部長程度の決裁権しか与えられていないことになります。やる気をなくしてもそう簡単に別の選択肢があるわけでもなし、社員のように転職するというわけにもいかない苦しい立場です。

権力を握る日まで、じっと耐え忍んで待つよりありません。後継者の絶対的な強みは若さであり健康な身体です。いつか必ず来るチャンスを待てるかどうか、それまで会社が持ちこたえるかどうかという問題は残ります。

社長の生命保険は後継者に譲渡で得する裏ワザ!?

◆ 経営者はそれぞれの運で道を切り開く。

後継の社長は自分のやり方で結果を出そうと焦ります。ところが世の中それほど甘くないので、やること為すこと的が外れるか、時期尚早ということが往々にしてあります。

またそれを見て前経営者は、それ見たことか、まだまだ未熟、ワシが教えにゃならんとばかりしゃしゃり出てきます。

アドバイスとか指導の名目で横やりを入れてきます。困ったものですが、世間の親子の事業承継は似たようなものです。

経営者はそれぞれの運で道を切り開くとは申し上げましたが、理不尽な口出し前経営者との付き合い方もひとつ運であり社会勉強の一環です。それをいくらまずくても丸呑みできるだけの器量があるかどうか、経営者の資質はそんなところにあるのかもしれません。

事業承継と生命保険の危機!

元国税調査官から聞いた相続税の税務調査の押さえどころ。

相続税がかからないと、相続税の税務調査はありません。ありがたいのか不運なのかはわかりませんが、相続税の調査を受けたことも立ち会ったこともない方がほとんどだと思います。

相続税の基礎控除が改正され、すそ野が広がった結果、相続税がかかる人が8.3%、その中で相続税の税務調査を受ける人が2割、さらに非違(非違=法に違反すること。) を指摘されるのがその中の8割以上と言われています。

相続税の納税が必要な方の1.6%が税務調査を受けた結果、非違の指摘を受けるということになります。考えてみれば、確率が低い保険がきかない交通事故のようなものです。

相続税の税務調査は、一生のうち多くても2回まででしょう。ほとんどの方は相続税の税務調査に縁がないのですから、Googleなどで検索される率も低いわけです。

■相続税調査は8割NG、元国税OB税理士にツボを確認。

◆ 元国税調査官はOB税理士。

情報が少ない中、しかし、相続税の税務調査にやたら詳しい税理士がいます。それもそのはず、元税務署、資産税担当の調査官で現在はOB税理士という方です。

何しろ国権で税務調査を仕事にしていたプロです。相続税の税務調査がどういうものか、何を聞かれるか、狙いは何かすべて手の内にありますから詳しいのは当り前です。

その元国税調査官に相続税の税務調査について聞く機会がありましたので、ポイントをまとめてみました。また調査はぶっつけ本番、予行演習はできませんが、想定問答は準備する意味があります。

■国税OB税理士の自己矛盾を暴くと驚く話が山盛り。

◆ 相続税の税務調査の質問項目。

相続税の税務調査で聞かれることを箇条書きにしました。質問には必ず調査する側が確認したいこと、チェックすべきことが含まれています。世間話のようであっても、調査する側には狙いと意図があります。

・被相続人の趣味(趣味にかかわる会員権の所有など)

・被相続人の職歴

・被相続人の家族構成

・入院期間(意思能力または行為能力の有無)とその期間の預貯金の管理者

・相続人及び同居親族の収入源

・被相続人の収入状況とその預金先

・日常の生活費と口座の利用履歴

・各種税金、公共料金などの支払状況

・取引金融機関、証券会社、生命保険会社(担当者の有無)

・通帳、印鑑、各種証書、権利証、測量図面などの保管場所と管理者

・貸金庫の有無

・借入金の使途と内容

・不動産の譲渡にかかる売却代金の使途

・電話帳、香典帳などの確認

・過年度の贈与

◆ 相続税の税務調査は、申告書の確認だけではない。

税務署には強力な調査権限があり、なおかつ支払調書などにより被相続人に関する膨大な情報を収集・分析しています。また相続税の税務調査では、被相続人だけでなく相続人・同居親族のお金の流れを押さえてきます。

金額の突き合わせをすれば、申告漏れや名義預金、過去の贈与などを明らかにできます。銀行預金を介さずに大きなお金を動かすことはできないので、すべて証拠が残ります。

生活実態から見て、過大な現金の引き出しは贈与が疑われます。金融機関などからは過去10年20年分の財産の移動、キャッシュの移動などの資料を収集し実態を暴きます。たとえば、1,000万の使途が不明で、氏神様に寄付したとなっていれば、必ず反面調査が入ります。

税務署に提出された相続税申告書の内容確認のためだけに、税務調査が行われるのではありません。被相続人を取り巻く人を含めた、総合的な資金の流れを確認されます。

■相続税調査は8割NG、元国税OB税理士にツボを確認。

◆ 相続税の税務調査の内幕。

切れ者の元国税調査官である、OB税理士に聞いた話ですが、相続税の税務調査では8割以上が指摘を受けるそうです。しかし最近は税務署でも人手不足が深刻になり、相続税の税務調査の調査率は20%~12%に低下しているとのことです。

ということは相続税申告の全体の8割以上が、調査なしのお咎めなしということです。裏を返せば申告内容が怪しいもの、資産家、無申告のような問題があるもの、海外資産が絡むものなどに絞り、相続税の税務調査を行っているということになります。

■書面添付制度を嫌がる税理士はやめなさい。

申告内容がしっかりしているもの、書面添付制度による税理士の意見書がついているものは調査対象になりにくいそうです。ひと手間かかりますが、やはりしっかりした申告書というイメージがあるのですね。

一般的に相続税の税務調査は、申告後2年から3年で来るそうです。三回忌の法事も済んだ頃、言ってみれば相続の内容を忘れたことに来るイメージです。

■カンタンにはできない相続税の物納、納税資金がないと一大事。

◆ 相続税の税務調査の実態と泣き寝入りしない抗弁機会。

相続税の税務調査で狙われるのは、富裕層、無申告、海外資産と言われます。知らなかったでは済まない、課税当局の理屈があります。調査官は事前に徹底的に調査分析し、怪しいとにらんだことを確認に来るのです。

蛇ににらまれたカエルとはよく言いますが、ごまかしが通用しません。とくに名義預金と相続が発生する直前の現金の引き出しは疑念を持たれます。

OB税理士によると、個人宅を訪問して調査することを「臨宅調査」と言うそうですが、財産の置き場所を確認し、生前に誰が専有していたかを推測してかまをかけてきます。

ただ扶養義務者間での生活費や教育費などは非課税ですから、不満や不服があればどんどん主張することです。ここは遠慮すると損します。

税務調査では、調査官は必ず外で食事をされます。これは他の税務調査でも同じですが、寿司や鰻の特上を出前してもらっても無駄になります。

相続税の税務調査で非違があった場合、調査通知から更生予知前ですと5%加算、更生予知後だと10%~20%加算となります。仮装や隠ぺいがあると判断されれば35%~50%の重加算税が課されます。

甘く見てはいけないのですが、相続人に不満があれば再調査請求や審査請求もできます。国税不服審判所という選択肢もありますから、泣き寝入りするだけではなく、それなりに抗弁機会もあるということです。

■相続税、妻のへそくりは夫のもとという理不尽。

◆ 相続税の税務調査の押さえどころ、まとめ。

相続税の本来の趣旨は、富の集中の抑制機能にあります。それは社会の公平性につながります。相続人として多額の財産と地位を引き継ぐことで富裕層としての地位が保障されている人もいれば、自分ではどうすることもできない貧困にあえぐ人もいるのが世の中の理不尽です。

相続人として財産を受け取った人から、税という形で徴収することで財産保有の均衡を図ることが相続税の目的です。それを実現する仕組みの一つとして、相続税の税務調査があるということもお忘れなきよう。

■税務調査のリアルを体系的に解説したページ
税務は制度ではなく現場で決まる。

相続税が高いという誤解による過度な節税対策に落とし穴。

買う側から見た法人保険4割損金の最終価値。

法人税基本通達9-3-5の2(いわゆる法人保険の損金算入ルールの見直し)以後に保険会社はこぞって新商品を発売しています。

損金算入に規制がもうけられましたので、ほぼ節税効果はありません。保険会社としても、その範囲でメリットを出せる保険商品を開発するしかありません。

法人保険を買う側として各社の提案を評価することが必要だと考えました。ひとつの事例として、損保系の某生命保険会社の提案を実質返戻率まで計算して、その切り口とメリットを確認してみました。

■法人保険の間違いやすい経理処理、注意点まとめ。

◆ 4割損金の実質返戻率を計算、事業保障と退職金準備。

保険種類 定期保険(50年)

被保険者 男性/39歳

払込期間 90歳

保険金額 3500万

年間保険料 633,430円

最高解約返戻率 85.0%未満

4割損金 40%期間

10割損金 41%~75%期間

10割+α損金 76%~100%期間

保険の深いところを理解するには、自分で単純返戻率や経理処理の表をエクセルで作ってみることです。とくに税制改正後は時期により経理処理が変わり、すこぶるややこしくなっています。これを長期にわたり、正しく経理処理できる人がいるとはとても思えません。

作成した表の元になった資料は、損保系の生保の定期保険です。細かいですがここまで作りこむとこの保険のメリットが見えてきます。

最高解約返戻率を85%以下におさえて4割の前期期間で4割損金を確保しています。また単純返戻率は43歳から68歳まで26年(黄色の部分)の長期にわたり80%を越えています。

実質返戻率を計算してみると、63歳から71歳までの9年間(黄土色の部分)は、100%を越えています。この保険をおすすめするときの考え方は、長期にわたり事業保障を確保しながら、退職金準備ができるということになります。

企業は必然的に成長します。今は事業保障が足りていても、早晩売上規模に合わせた事業保障を上積みすることが必要になります。先のことを見越して今から準備する感覚です。

会社が行き詰まれば、解約することでキャッシュが生まれます。経営者が万が一のときには、保険金が経営を助けてくれます。別にこの保険をおすすめしているわけではありませんので、誤解なきように申し上げておきます。

■法人生命保険の解約返戻金を把握することがピンチの会社を救う。

◆ 長期管理と経理処理のハードル。

退職時期など先のことはわからなくても、これだけの期間があればこの保険で退職金の手当ては、まずまずどうにかなります。税効果を加味して考えると無料で事業保障を確保していることになります。

いい商品だとは思いますが、これだけの期間だと経理担当者も変わるでしょうから正しい経理処理、退職金支給時期の検証などは、さらに混とんとするかもしれません。また余計な心配ですが、70歳ぐらいでがんにり患するようなことがあると、さらに悩ましいことになるかもしれません。

とにかく今後は経理処理の煩雑化により、長期管理では間違いが頻出すると思われます。また保険加入時の意図や目的が見失われて、気が付いた時には解約返戻金が少なくなり、本当に保障だけの定期保険になるリスクがあります。

■法人保険の損金ルール、改正前の既得権見直しチャンス。

◆ 終身保険とのメリット比較。

法人保険の目的が事業保障であれば、損金性を考慮せず終身保険という選択肢もあり得ます。長い間、損金性の高い定期保険の恩恵に浴してきただけに、いまさら保険料が全額資産計上である終身保険に触手が動かない気持ちはよくわかります。

しかし、保険の基本は終身保険だと言えるのではないかと思います。保険料に対する損金性は全くありませんが、保険料を継続的に支払うことで契約当初から大きな事業保障を確保できます。

保険は本来小さな保険料で万が一に備えるものです。支払う保険料が少額であっても、契約した保険金は満額支払われます。それが保険の本質です。

その保険金を有効に活用することで、運悪く経営者の万が一により傷ついた企業の信用をつなぎとめ、立て直すことが法人保険の本当の役割です。

そうは言っても、損金が4割あればそれは終身保険を上回るメリットです。シンプルに割り切って考えると最初の20年間で税務署と保険会社に手数料を払って保障を確保しているイメージです。

課税の繰り延べ効果はほとんどありませんから、事業保障と退職金準備にどのように組み合わせるかということで活路を見出せそうな保険商品です。

それゆえ直近の決算対策には、全く役に立たないことは言うまでもありません。それでも法人の契約として考えれば、保険料を全額資産計上する終身保険よりは、まだだいぶましな保険と言えるのではないでしょうか。

・終身保険VS4割損金定期保険。

終身保険と根本的に違うところは定期保険であるということです。死亡保障が一生涯続くわけではありません。一定期間の死亡保障の確保と解約返戻金を活用した退職金準備に適していると思います。今できる精一杯の保険商品ということは言えると思います。

追記:一時払いや短期払いの終身保険では、最近予定利率がかわり単純返戻率が割と早い時期から100%を越えてくる場合があります。これに配当がつくという場合、4割損金を上回る返戻率が期待できます。保険料は全額資産計上ですが、先々の心配や憂いがないという点では、ありうる選択肢です。

■変額保険のデメリットは長期塩漬けリスクと早期解約リスク。

◆ 所詮は定期保険、期間が過ぎれば全額損金可能。

今回の通達で、定期保険は最高解約返戻率に応じて損金算入割合が規制されました。長い目で見ると定期保険は最終的に解約返戻金が0になるため、基本的には通期で見れば全額損金です。

また、通達では前半期間で積立てた保険積立金の取り崩し時期も指定しています。どこかの時点で全額損金になり、さらにはそれまでの保険積立を加算して取り崩しになりますから、160%以上の損金算入が可能になることは間違いありません。

ポイントは、その時期に至るまでの解約返戻率の推移です。損金率が上がったときの解約返戻率の継続期間がポイントです。最高解約返戻率付近で数年から十数年解約返戻率の高い時期が続けば、節税効果としては限定的ですが、退職金準備には十分使えそうです。

この辺は、個別の保険設計をみて、経営者ご自身の退職時期にかみ合えば、保障を確保した上に一定額の解約返戻金が退職金原資になると考えられます。

◆ 法人保険を買う側ですから実質返戻率を自由に検証。

国税通達以来、法人保険販売で実質返戻率を話題にすることは厳しく制限されています。もちろん提案書にも一切記載がなくなってしまいました。

各社の保険商品も実質返戻率が100%超になるものがほとんどありません。これまでですと、実効法人税率が33%であれば全額損金の場合67%の単純返戻率があれば、税効果を加味して損得なしです。1/2損金の場合では83.5%の単純返戻率があれば同様に実質返戻率が100%になりますからチャラということになります。

法人保険を買う側からすれば、実質返戻率が見えないと判断のしようがありません。ところが、今回の通達では損金算入率が最高解約返戻率によりバラバラです。時期によっても変わります。実質返戻率が見えにくいのがやっかいなところです。

下記をご参考にエクセルで式を作れば簡単に計算できます。

解約返戻金÷【支払保険料-(損金計上額×実効法人税率)】=実質返戻率

■保険の失効を失敗させる自動振替貸付の恐怖と具体的対応策。

◆ 解約返戻率がよければ為替リスク、変額リスク。

ひとつだけご注意を申し上げたきことがあります。養老保険でも円建てでは金融商品としての魅力は、さっぱりです。10年かけても解約返戻金が100%に届かないのです。下手をすれば支払保険料累計が満期保険金を上回ることすらあり得ます。そこで保険営業が力を入れる商品は、外貨建てであったり変額保険であったりします。

ドル建てでは当然為替リスクを伴いますし、変額保険でも景気悪化による運用難ということもあり得ます。

どちらも解約返戻率はかなり高くなりますが、リスクはそれなりにあります。リスクの厄介なところは、説明を受けて理解したつもりでも実際に損をしないと実感がわかないのです。実感がわくときは、後悔するときでもあります。

◆ 法人保険の最終価値、まとめ。

いろいろなサイトで法人保険のメリットが謳われていますが、事業保障を除けばもはや期待ほどのメリットはないということです。

養老保険のハーフタックスにしても、30万以下の全額損金保険でも、以前のように加入動機が働きません。

かといって、為替リスクや変額リスクに突っ込んで後悔するのもいやなところです。でも一番いやなことは、汗水たらして稼いだ虎の子の利益を、ガム一枚の見返りもない税金にどっさり抜かれることです。どうも手詰まり感が否めないところです。

念のため申し添えておきますが、hokenfpは保険を売る立場ではなく買う立場です。実質返戻率を計算して分析しても何の利得もありませんので、全く問題もない立場です。

・保険営業の方向性。

どこの保険営業も代理店もいまや実質返戻率の資料を作成し提出しようものなら、即刻罷免という強権暗黒時代です。hokenfpのように自由にモノが言える立場は貴重だと思っています。

顧客が必要とする資料を、提供できない保険営業も辛いと思いますが、保険を選ぶ顧客側にしても情報不足が否めません。まったくどこかの強権国家のような不便な時代になりました。自由な立場で、辛口の実質返戻率を言い続けたいと思っています。

バレンタインショック以前に、長期平準定期保険を1/2損金で掛けて必要な事業保障を確保している企業に、この商品を売り込むことは難しいように思います。事業承継や企業規模の拡大などで、経営者に保障の増額が必要になっている企業など他をあたることです。法人を相手にする保険営業は、ターゲットが変わったことを理解し、あとはタイミング任せと言うことになりそうです。

がん保険、法人の全損既契約は保険金請求が大問題になる深い理由。

保険の払済は保険会社によりバラバラ、問合せた驚きの結果。

経営者の運が会社の運命を決め、社員とその家族の運命を左右する。

人は生まれながらに、不平等に運命づけられています。「経営者なら、自分の運命は自分で切り拓け。」とはよく言われます。しかし運命は切り拓けるものではなく、定められたものであるがゆえに運命であります。

親の代から会社を経営していれば、後継者は経営者になることが、ある程度運命づけられていることになります。

人は意志さえあれば何でもできるはずだと思いがちですが、そういう思いは、人間の思い上がりでもあります。縁があれば経営者になることはありますが、そこから成功者になるには、また別の経営者としての運が必要なのです。

求めても得られないから運なのですが、強運などと言ったり運命を変えるなどと言ったりする言い方があります。

これは視点の違いから起こる勘違いのようなものです。天地の法則では、運命というものは定まった川を川筋に沿って流れるものです。決して低いところから高いところへは流れません。

■経営権移譲の難しさ、アドバイスと口出しの違いがわからない経営者。

◆ 人には自分で選べない運がある。

経営者に限らず、人には親を選んで生まれてくることができないように、自分で選べない運があります。この世に生を受けたときから選択範囲は限られてくるのです。

外から見れば、なぜ狭い範囲で苦渋の選択をするのかわからないこともあります。それは、運で定まった範囲しか見えていないからなのです。選択肢は無限にあっても、運命づけられた範囲でしか道は見えないし、拓けないようになっています。

日本に生まれれば、アメリカに生まれることはできません。生まれたときの環境条件が、人の運命を決定づけます。たまたま貧農に生まれて、財を成す人がいたとしても、その人生ストーリーはやはり運命づけられているのです。

それなら努力する意味がないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。

この世に生を受けるということは、それなりに意味あり、学びを重ねるための人生だと考えることができます。

運命のなかに身を置く身であれば、運命を左右することはできない相談です。それでも前を向いて努力をすれば、運命は拓けると思うように運命づけられているということになります。

禅問答のような話になり恐縮ですが、人間には本質的に理解できない運命です。

◆ 経営の成否は、努力でも才能でもなく経営者の運できまる。

人には自分で選べない運があるとすれば、経営者が成功するかどうかは経営者の才能でも努力でもなく、その経営者がもっている経営の運ということができると思います。

いくら艱難辛苦し、真面目に経営に取り組んでも、経営の運がないと成功することはありません。

反面、一つのアイデアが大きく花開き成功する運のよい経営者もいます。概して言えることは、規模は別にして会社を成す経営者は、どこかで何かの運が向いてきて、メンターに出会い成功するようにできています。

それはその経営者の運ですから、幹部社員全員が反対している新製品を強引に突き進んで販売しても、成功するときは成功します。全社員が期待する新製品を市場に投入しても、運がなければ、ヒットはしません。

成功するかどうかは、実は確率では測れません。それは運というものが、人類の英知でも検知したり測定したりできるようなものではないからなのです。ましてやAIにわかるはずのないことです。

日経新聞の私の履歴書をお読みの方には、お分かりかと思います。成功者は運命のラインに乗って出会いがあり、メンターの支援があります。そしてその結果として、アイデアがヒットし道が開けるようになっています。

・経営者の運とおかげ。

経営の成否は、経営者の運で決まるのですが、その幸運には限りがあります。良し悪しを含めて起こることは、人生の最後には帳尻が合うようになっています。

神様のおかげという考えがありますが、おかげが必ずしも良いことだけを連れてくるとは限りません。良いことも悪いことも生起するすべてのことが、おかげであると考えれば、ストンと納得できるのではないかと思います。

■ワンマン社長の認知症は会社を潰す。

◆ 経営者の運が会社の運であり、社員の運命を左右する。

そうなると経営者と仰ぐ社長の運が、会社の運命を左右します。当然、その会社の社員は運命共同体ですから経営者の運が、そこで働くものとその家族の運命を左右することになります。

経営運のある社長につけば、道が拓け出世できるかもしれません。そうでない社長につけば、リストラか経営破綻などという、最悪の運命が待ち受けることになります。

会社にお世話になるということは、どこかで縁があったのです。その縁はたまたま目についたハローワークの求人票かも知れませんし、インターネットの募集要項が、自分の希望に合っていたのかもしれません。

しかし、細いながらもよくよくたどると縁は必ずつながります。そのきっかけがなければ、自分は今ここにいないというようなことはもちろんです。考えてみれば、遠い昔のわずかな選択が出会いを生み、その結果目の前にいる孫が生まれたということでもあります。

そのわずかな選択がなければ、目の前のかわいい孫は存在しないか、あるいは別の人格になっているということも起こりえるのです。

運と言えども運だけではなく、必然的にすべての事象にからみついているという事実は歴然と存在します。

◆ 運は運であるが、運を運とせず生きるところが経営の本質。

では、何をしても、しなくても自分に選択肢がないのであれば、運は運任せだいうことになります。やる気も希望も失せてしまうのでしょうか。

一時はそういう気になることもあるかもしれませんが、それも運の一部だということです。運に翻弄されているように思えるのも無理からぬところです。

しかし天に任せた運に抵抗するすべなど、人間にはありません。運の理屈などはさらりと忘れ、生きていくためにもがきながら、運を切り拓こうとします。どこかで聞いたセリフですがシンプルに「これでいいのだ!!」こそが真理だと言えるかもしれません。

ましてや経営は、多くの社員と家族の生活を背負っています。経営者には、運任せにはできない責任があります。

運は運ですが、卑小な人間には運を制御することはできません。一人の人間とし運を運とせず、めいっぱい走り続けるところに経営の本質があるように思います。

■事業承継のまさかと後継者の力量不足が会社を揺るがすリスク。

◆ 経営者の運、まとめ。

経営者の運ということで、実感していることをまとめました。よく考えれば運や運命は経営者に限らず、万人に公平に作用します。

まさか何が公平なものかと思われるのは当然です。また運と運命は似ていますが、本質的な意味は異なります。

運とは、人の意思や努力ではどうしようもない物事の巡り合わせを指します。そして運命とは、人の意思や想いを越えて、人に幸不幸を含めた事象を与える力と定義できます。運も運命も、人の意志ではどうすることもできない巡り会わせや大きな流れを意味します。

そうなると非力な人間では、なすすべがなくなります。しかしこの世に生きていると、そこまで諦念することもないのです。

私たちは大きな流れの中の一部ですから、全体を見ることも把握することもできません。ゆえに運命の一部として、自分で道を選択することを実感することもできるのです。

長々と経営者の運について記事をつないできました。いよいよネタ切れで、運が尽きたような気がします。

■引退の引き際を誤る経営者を体系的に解説したページ
社長の引退は制度では決まらない|引き際を誤る経営者の共通点。

事業承継に既契約の生命保険が強い味方になる理由。

事業承継の失敗事例は、経営権の移譲ができない意外な理由。